51 / 101
健全黒字経営目指します!
異世界転職先でモテ期な訳だが
しおりを挟む第51話 異世界転職先でモテ期な訳だが
「…え、ええと、レオさん、俺、「ご褒美貰ったぜ。ありがとな。」…はい?」
見上げたレオさんはニカッと笑い、また俺の髪をクシャクシャにかき混ぜた。
俺が身じろぐと体を離し、ベッドから抜け出た。
「この後はやる事ねえだろ?俺はちょっとまた出てくる。エイトールのアホが荒らした場所見てくんの忘れたから行ってくるな。夕方には戻るぜ。…ああ、そうだ、夜メシはこめがいい。あれ、また作ってくれ。」
いってくると、手を振りレオさんは颯爽と出て行ってしまった…。
「…ええ???」
どうなってんの…?
俺、どうなっちゃってんの…?
急展開す…、
ボボボボッ
「ッウハアアアアアッ!!!!こ、告白された?!?!レオさんに?!?!なんで?!?!」
思い出したらよくわからない赤面に襲われて、顔を押さえながらベッドでゴロンゴロンと転がる。
…何で突然こんな事に?!
意味がわからないが?!
二度ある事は三度なレイプまがいのアレから何故告白に?!
…つーか、一目惚れって…。
レオさんの真剣な顔。
すげえ目力あった。強すぎて思わず黙ってしまったもんな…。
…そう言えば瞳はグリーンだったな。少し顔にかかる濃茶の癖っ毛にしっくりくる感じ。ラテン系で彫りが深くて唇は厚めで、今日は少し不精髭が生えてた。でもそんな感じがセクシーラテン系だよな。キス顔もエロ…、
「おい落ち着け、俺。」
正気に戻れと、パンと両手で頬を叩く。
ふー、やれやれ、ちょっと数年ぶり、いや十数年ぶりの告白に動揺してしまったな!男からだけど…。
しかし、レオさんが俺に告白なあ…。一目惚れ言っても、まだたった2日だぞ?
出会って2日だぞ?
いくらラテン系と言えども会って2日で告白いくか?普通はいかな…い、
…ん?んん?あれ??2日って、
「2日って2日前、レオさん、リアムさんに洗脳されてね??」
思い出した!あの時、レオさんに怪しい暗示をかけて仲間にしてるわ!!あれだわ!!
ベッドからガバリと飛び起き、隣りの部屋に落としてきたタブレットを引っ掴み作業机に設置した。
『鈴木: お忙しい所すいません。
プライベートな事で質問がありまして、メッセージをリアムさんに送っていいですか?』
タタッとメッセを打つとすぐ返信が返ってきた。相変わらず早いな…。
『総括チーム: オッケーです。
今、リアム先輩からプライベートトークのインバイト出します。そちらにメッセージをどうぞ。』
ピコン
『リアムといっぱいお話ししよ?部屋 に招待されました。承認/拒否』
リアムさん、意外に面白いひとだな…。承認、と。
ピコン
『リアム: 本日はご指名ありがとうございます。リアムです。』
…ホストかな?
『鈴木: リアムさん、お忙しい中すいません。
あまり仕事に関係ない事なので申し訳ないのですが、少し気になる事がありリアムさんの分かる範囲でお答え頂ければ助かります。』
『リアム: そんなかしこまらなくていいよ~。
今このトークは俺しか見えないし、ログは俺とコウさん両方の承認がなきゃ公開されないから(サムズアップの絵文字)
何か困り事?』
あれ?リアムさんて、あの渋いい声の人だよな?声から堕とす系の。
…なんか軽い。いや、今はソコは置いとく。
『鈴木: ありがとうございます(土下座絵文字)
少し困ってるっちゃ、困ってます。
この前の洗脳の事で質問です。』
『リアム: ちょ、洗脳って 笑。
催眠か暗示って言って 笑。』
…あれはやっぱり洗脳なのか。
『鈴木: レオさんに仲間になれって暗示笑。をかけたと思うんですけど、あれってどんな効果の暗示なんですか?』
『リアム: あれはその言葉のまんま仲間になるって効果だよ。敵対心がなくなって、仲間、昔からの知り合いみたいな感じかな。
もしかしてレオナルドくんの洗脳とけた?』
洗脳、言っちゃった…笑
違う、そうじゃなくて!
『鈴木: いや、解けてないです。
むしろ洗脳が拗れた感じで困ってます。』
『リアム: 解ける訳ないよな!良かった!(泣き笑い絵文字)
アレが簡単に解けたら、俺の必殺技がただの技になっちゃうからね~。立つ瀬無し~。
で、拗れたってレオナルドくんどうしたの??』
『鈴木: 凄く言い辛いんですが、何故か俺に好感度MAXになってしまったんです。
リアムさんの洗脳が効きすぎたみたいなんですよ。』
拗らせ過ぎて告白してきたんです…。
しかもエロも拗らせてるんですぅ…。
までは、さすがに書けなかった…。
『リアム: え?ちょ?マジで?
ごめん、ちょっと席外す。データ見てくる。』(少々お待ちくださいと入った作業員猫スタンプ)
データって…、あの洗脳ちょっとヤバいヤツなのかな…?
レオさん、実はかなり脳やられちゃってたりして…。いや、あのスピード告白恋愛脳ありえる…。
返信を待つ間、軽く拠点の整備をする。主に昨日ぶっ壊した風呂修理だけどね!
ついでに買ってた蛇口もキッチン、風呂、洗面台の水回り系につけた。やっぱ垂れ流しは湿度が気になるからねぇ。ここ地下みたいなもんだから。
ポチポチやってたら返信がきた。
ピコン
『リアム: お待たせ。今あの時の俺の音声データ見てきたけど、特におかしな数値は出てなかったな。
過去比較見ても俺の通常値だった。』
え、マジで?おかしくないの?
でもレオさんはおかしいよ??
『鈴木: データに異常無しなんですか。
それだとこうはならないって事ですか?』
『リアム: 俺の洗脳って、言葉通り、なんだよね。
日本で言うコトダマ?かな?言った事が本当になるって話のあれ。それに近い。
でも言葉以上の効果はないね~。なかったね~。
と、言う訳で!
レオナルドくんの好感度MAXはコウさんのせいかな!
ワーオ!モテるね!(ハートに矢が刺さった絵文字)』
ゴンッ
ショックがデカくて作業机に突っ伏した…。
瀕死だ。ライフがゼロった。心が赤ゲージです。
瀕死のまま返信する。
『鈴木: 調べて下さりありがとうございました。』
『リアム: また何かあったら相談のるよ!
こちら恋愛相談もオッケー 笑。
あとルーカスから伝言で、
早めにダンジョンコアを設置して下さい。との事。
じゃ、頑張って!(サムズアップの絵文字×3)』
文を返す気力がなく、メッセ内にあったデフォルトスタンプのありがとうございますを返し、メッセを閉じた…。
「…聞かなきゃ良かった、洗脳の秘密…。」
あの洗脳は言葉通り。
確かに言葉通りに仲間になった。しかもフレンドリーな仲間だ。マーシナリー契約もスムーズだった。
…やたらスムーズだったんだよなぁ、あの時!
今思い出したけど、すでにあの時からやたら恋人ムーブきめてたな、レオさん…。あの時にはもう惚れて…?いやいや、アレは多分おふざけだ!おふざけだよね…?
「はあ、これからどうしよ…。レオさんと仲間はアリなんだけどなあ…。熊倒せるくらい強いし、護衛仕事も真面目にこなすし、筋肉の割に結構気遣いできるし。でも恋人は…、まだ早い、じゃなくて!…はああ、異世界転職先でモテ期な訳だが…ってラノベのタイトルかよ…。意味わかんねえ…。」
出会って2日だぞ…?
いくら洗脳で仲間になってもさ、普通はお友達から始めましょうねってより、はじめましてこんにちは、明日からよろしくお願いしますの段階だろ…。
ゴンッ
もう一度机に突っ伏す。
「あー、アタマいたい…。」
0
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる