異世界転職先がダンジョンな訳だが?

そーまこーた

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健全黒字経営目指します!

あらすじが荒すぎ

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第42話 あらすじが荒すぎ



 おっふー!そう言えば全然説明してなかったー!!

「…あの、まず、うーん…、簡単に言うとですね、俺は、「ちょっと待った!」…え?」

 レオさんから突然のストップ。

「今から話す事はどれくらいの重要度だ?個人の秘密程度か?国家レベルの機密か?…すまん、俺が言い出しといてなんだが、前もって聞いとかねえとコウがとんでもない事を話しそうな予感がしてな…。」

 眉間を揉みながらストップのハンドサインをしてらっしゃる。
 素晴らしい。予感的中です。まあ、今から話そうとしたの国家超えて神レベルの話ですけどね…。

「しいて言うなら、…世界レベルかな?」

 気を遣って少しダウングレードしてみた 笑。

「…世界…。国家超えたのかよ…。」

 ああ、と天を仰ぐレオさん。

 これでもいきなり神ネタ振るよりはいいかと思ったんですよ?一応…。

「そろそろ話しても大丈夫?」

「大丈夫じゃねえよ…。…いや、いい。とりあえず、俺が色々聞くからそれに答えてくれ。多分、それが俺的に一番ダメージが少ない…。」

「じゃあ、それで。わかる範囲で答えるね。」

 オーケーとハンドサインすると、レオさんは頷き白湯をゴクリと飲んだ。そうそう、リラックスリラックス。白湯で悪いけど喉潤してね。
 俺もドキドキな質問に備えてゴクリと白湯を飲んだ。
 二人でふうとひと息つく。
 よし!どんと来い!

「それじゃあまず最初に聞いたヤツな。コウは何処から来たのか?」

 オーケー、オーケー。まずは軽いジャブね。

「実は俺、この近隣諸国の住人じゃない。こことは全く違う世界から来たんだ。…ええと、ちょっと理解が難しいかもしれないけど、地球って言う異世界から来てる。」

 俺の回答にレオさんがしょぱなから頭を抱えた。
 ジャブが予想外に入ってしまったようだ…。
 …ですよねー、他国どころじゃなくて異世界ですもんねー。

「…ちきゅうってトコは妖精界とか、精霊界じゃないよな?」

「うん、そう言うのとは全然違うと思う。俺達の世界は…、うーん、理屈?いやことわりって言うのかな?…あ!そうか!違う神さまが作った世界!互換性がなくて繋がる事がない世界が妥当かな?」

シーン。

 レオさんが無になった…。
 …互換性くらいしか浮かばない、他にいい表現がなかったんだって…。

「…レオさん?大丈夫?」

「…全然大丈夫じゃねえ。理解がおっつかない所の話じゃねえ。…もう意味がわからんが、ちきゅうから来たまではわかったわ。はあ…。」

「まあ、普通は異世界から来たって言われても簡単に飲み込めないよね。俺もこっちに転勤で来たばっかりだからわかるなあ。」

 ウンウンと相槌を打つ。

「…来たばっかりでなのか。コウお前、意外と順応性高いんだな…。」

 お、褒めてる?ふふふ、営業マンってのもあるけど、実は結構すぐ違う部署に馴染むタイプなんだぜ。友達はいないけどな!…うっ、地味にツラ(自爆)

「仕事柄色々な所に出向くせいかな。現地に馴染まないと営業取れないしね。」

「えいぎょう、ね。コウは確かダンジョンを作る仕事なんだよな?ちきゅうでもそう言う仕事をしていたのか?」

「…あー、そうか。ええと、まず前置きから話すけど、前の仕事は営業って言う商人向けの商人みたいなのやってたんだ。会社…、ええと職人さんの集まりで作った商品を商店さんで扱って貰う為にお伺いして契約してくる仕事。で、今の仕事は職種自体違う。ダンジョンマスター。前職で言うと職人さん側かな。で、このダンジョンマスターって言うのは、地球にない仕事。」

 これを話さないと話が進まないんだな。

「ちきゅうにない仕事?」

「そう、ないんだ。なんでかって言うと、地球には魔法がないから。本来俺達地球人は、こんな不思議な拠点をタブレットひとつで作れない。地道に手作業でイチから作るのが基本。まあ、科学ってのもあるけど、レオさん達みたいに魔力で地面から土を引っ張り出したり、剣から爆炎をだしたり出来ないよ。」

「魔法がない世界、そんな不思議な世界があるのか…。」

 あるんだなあ。いやはや世界?は広いぜ。

「で、本題。こんな仕事が出来るようになったのは、ひとえに神様からの依頼なんだ。神様に頼まれて、俺ダンジョンマスターになりました。」

ちーん。

 再び天を仰いだレオさんから魂が抜けた。
 も、戻ってこーい!レオさん、まだ天に召されちゃダメだー!!

「………はっ!」

 肩をトントンしたら無事に戻ってきた。お帰りなさい。まあ、白湯でもお飲みよ。
 キッチンへ行き、新しく湯を沸かしマグカップに注いでやる。この竈門かまど、秒で湯が沸くから便利だよなあ。
 ダイニングテーブルに戻り、未だここに心あらずなレオさんに白湯をすすめ、落ち着いた所で話を再開した。

「で、さっきの続きなんだけど。ちょっとこの世界でダンジョン作って文明を刺激して来いって神様に言われてさ。そのまま丸め込まれてこっちに転職転勤した訳なんだなー。まさか朝家から出たら、神様の仕事場に呼び出されるなんてさ、普通あり得ないでしょ…。こっちに転勤してやっと実感したって感じだよ。」

「………。」

「あ、でも神様に依頼されたって言っても俺自体は至って普通の人だよ?神様みたいな奇跡も使えないし、魔法すらダメ。」

 こんなあらすじでオーケーかな?

「…話が神レベルだった…。これは俺が聞いていいレベル話だったのか…?神の依頼とか、個人で知る範囲超えすぎてねえか…?」

 おっとまだ目が泳いでるな。しきりにマグカップの中の湯をゆらしたり無意味に回したりしてる。
 ちょっと、レオさん動揺しすぎ。異世界人には神ネタ、そんなダメージすごいの…?

 よし、ここでひと押し行っとくか!

「レオさんだから話したんだよ。だって俺の仲間になってくれたんでしょ?」

 ニッコリと必殺最後のひと押しスマイル。胸に手をあて小首をすこし傾げるのがポイントだ。オッさんのクセにあざといポーズは絵面的に激ヤバだが、実際使ってみると意外に効くんだぜ!

「…っ!」

 あっ、俺やらかしたな…?レオさんがいつもの頭が痛いポーズに…。変なモノ見せてごめんて。
 コホン、とひとつ咳払いをして仕切り直し。

「俺は信用してる人にしか『大事な情報』は流さないんです。商人は信用第一ですからね!」

 今度は普通のニコッにした。俺の笑顔点では60点レベル、軽く同意を求め笑顔だぜ。ちなみにさっきのは85点だよ…。うん…。

「…そ、そうか。…ん、わかった。俺はコウに信用されてんだな。まだ飲み込めないところもあるが…、と、言うかコレ契約してから話すネタだろうがよ。コウはそう言う意味でほんと異世界人だな。」

 レオさんが呆れた風に笑った。
 え、ディスられた??

 対面に座っていたレオさんが立ち上がり俺の椅子の隣りにきた。そして片膝をつき俺を見上げる。

「契約無しで悪りぃが、…俺はコウに信用を預ける。あかしに我が名を捧ごう。レオナルド・リ・アーロイス。」

 マテウスさんがやったあの十字をきるような仕草、額から胸へトントンと二本指で触れた。但し、マテウスさんのアレとは違い俺には触れなかった。
 え?これ、なんの儀式?マテウスさんのアレもわからなかったけど、そのレオさんの名前を捧げるってマジ何の儀式????

「え、えっと?」

「気にすんな、ちょっと気取っただけさ。それより誓いのキスの方が良かったか?」

 ニヤリと笑い、立ち上がって俺にガバリと抱きついてきた!

「ち、ち、誓いのキスいらねーッ!!」

 ギュウギュウに抱きしめられケツまで揉まれたが、顔はなんとか押しのけ唇は死守した!!ゆ、油断ならん!!

「ま、コイツがしばらく俺の誓いのあかしさ。もっと信用しくれよ、俺のあるじ。」

 笑いながら腕を緩め、ネックレスを引き出し命環めいかんにキスした。

 …こ、これだから、イケメンは!!

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