異世界転職先がダンジョンな訳だが?

そーまこーた

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健全黒字経営目指します!

おふろ教習所

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第38話 おふろ教習所



「もう、お風呂で変な事しないでくださいよ!」

 ちょっとニヤついてんだよ、この人!!
 風呂で何をしようとしてるんだ、お前は!!

 ドスっと釘を刺し脱衣所に戻る。
 しかし風呂文化がない国の人に和風風呂は少し難易度が高いのは否めない。湯船内で体を洗われる危険性500パーセントらしいからな(テレビでみた)
 せっかくの風呂、気持ち良く使いたいからお手本仕方ないか…。
 
 ため息をつきながら、そのカゴに服いれてと、脱衣カゴ代わりのバスケット(※箱庭内アイテム。本来は果物を収穫する為の籠)をレオさんへ手渡す。ついでにタオルセットもつけてやる。
 俺もトレーナーを脱いでバスケットに放る。
 おわー、服の中からめっちゃ土埃でてきた。やっぱ転んだりしたからなあ。あとで床掃除しなきゃ、だ。めんどくさ!
 土埃にうんざりしながらTシャツに手をかけた、が。

 …いや、やっぱお手本とは言え、風呂一緒に入るのおかしくね?
 服着たままの口頭指導でも良かったんじゃね?
 
 ハッと正気に戻った。
 が、時すでに遅、かったぁぁ!

「脱いだぞ。」

 全裸のレオさんがタオル片手に風呂の戸口でもたれ待ち侘びてた。早いな、脱ぐの…。
 それにしてもバッキバキのシックスパックに、その辺の女子以上に豊満な胸筋、バランスがとれた厚みが総合格闘家みたいですごいんだが。脱いでカッコいいって憧れるわ。

 ーーーしかし裸足が恥ずかしい国の生まれなのに、何故股間は隠さないのか?この場がむさい男しか居ないとは言え、何故堂々と丸出しなのか?
 …丸出しはそのの自信のなせるワザか?チクショー!

 俺はレオさんの視線から逃れるよう急いで服を脱ぎ、キュっとタオルを腰に巻きつけた。タオルたかが一枚、されど一枚。今の俺には鋼の鎧並みの防具だ。主に視線攻撃から守るヤツよ。粗チンではないが隠すの大事。
 レオさんの横をすり抜けて風呂場に入る。すり抜けざまにヒュウと口笛を吹かれる。

「腰巻き布なんて貞淑だな、コウは。まるで身持ちのかたい新妻みたいだ。」

 あー、あー、あー、何も聞こえないー!
 
「さっ、掛け湯したら体洗いますよ!まずそこに座る!」

 ビシッとハーフブロックを指差し、レオさんを座らせる。風呂場は2、3人入れる程度には広めに作っているが、やはりガタイがいい人と洗い場に並ぶと圧迫感を感じる。なんかやたら近い。銭湯サイズにすれば良かった。
 俺がバケツで掛け湯をして見せ、レオさんにもバケツを手渡し同じようにして貰う。
 タオル(腰巻き以外にもう一枚準備した!)を濡らして、ボディソープを垂らし泡立てる。

「この石鹸で体を洗います。泡が出るからいっぱいゴシゴシ擦らなくても大丈夫。」

 レオさんも真似をしてタオルにボディソープを垂らし、体を擦り始める。その調子、その調子!

「石鹸からこんなに泡が出るのか…。すげえな。」

 泡アワになるレオさん。追いボディソープまでしてなんだか楽しそうだ。
 まあ、アワアワモコモコは童心に帰るからなぁ。んふふふ、そのふんわり泡でおっぱいとか作ると楽しくなるよ!おっぱいは男子の夢だからネ!
 
 泡モコもそろそろ終わりと、ザバーッとお湯で洗い流した。

「次は髪をシャンプーしますよ。お湯を頭から被って髪を濡らしたら、その赤いボトルの石鹸を直接手につけて髪をゴシゴシして下さいね。あ、この泡、結構目に染みるんで流す時気をつけて。」

 そう言って俺が見本に頭を洗い始める。
 ゴシゴシ頭を洗うと若干泡が茶色だった。
 うわ、結構土埃かぶってたんだなあ。絶対これ、師匠のせいだ。ぐぬぬ!
 ザバーッと湯を被り、もう一度シャンプーした。
 2回目を流して横を見ると、…レオさんめっちゃ顰めっ面で目を瞑り頭ゴシゴシしてた。てへ、ちょっと脅しすぎたね。

「レオさん、そろそろ流して大丈夫だよ。もう充分洗えてるから。」

「…おお、わかった。」

 目を瞑りっぱのレオさんにバケツを手渡してやる。泡に怯えた割にはザバーッと豪快に湯を被ってた。少し泡が残ってたので、頭から泡が全部落ちるように流すんですよとアドバイスしてまた湯を被って貰った。
 んー、コンディショナーは今回はいいっか!

「さ、風呂入ってあったまりましょ!あっ、と、タオルはそこに置いてきます。浸かる湯にはタオルを入れないお約束なんで。」

 無事流し終わったのでお待ちかねの湯船へゴーですぞ!!おっふろ~、おっふろ~!!
 ウキウキで湯船に向かおうとしたが、

「コウ、それ。」

 レオさんが指差す。
 俺の腰に巻いたタオルを。

「タオルは湯に入れないのがお約束なんだろ?」

「!!!!」

 ギャーッ!盲点ーーーッ!!
 まさかの腰のタオルが裏目に!!

「手本なんだから、その素敵なはしっかり守んねえとなぁ?」

 こちら(主に股間)を眺めながらニヤニヤする。
 こ、この、エロレオ!!ちんこ見せろとか、お前は修学旅行の中学生か!!

「ううっ…!」

「ほら、それ取って早く湯に入ろうぜ?なんなら俺が手伝ってやるぞ?」

 レオさんの手がこちらへ迫ってくる。
 ヤバい、俺の鋼の鎧 ( タオル)が奪われてしまう!!

 意を決した俺、バッとタオルを取り去りそのまま湯船までダッシュして飛び込んだ(股間はうまい具合に片手で隠した)

 …お風呂は走っちゃいけません…。

「チッ、逃したか。」

 レオさんは悔しげに湯船に入ってきた。

「はー!お風呂気持ちいい!」

 勝った…、俺は勝ったぞ…。勝利の風呂、最高だぜ…。
 勝利の美酒ならぬ勝利の風呂を堪能すべく、首まで浸かり大きく息をつく。やはり風呂はしっかり浸かるモノですよ…、最高…。
 レオさんが隣に腰を下ろし、ゆっくり肩まで湯に浸かる。

「こう全身で湯に浸かるとは…、なかなかふろもいいモンだな。」

  さっきまでおバカ中学生だったレオさんもまったり25歳に戻っていた。

「風呂は最高なんです…。俺の故郷の人達は毎日入るくらい風呂好きですよ…。はあ、気持ちいい。」

 ゆるっと伸びをして体をほぐす。首を曲げたらゴキっと音がした。やー、疲れてんな、俺。
 湯の中で軽くマッサージをする。

「どれ、俺が揉んでやるよ。」

 突然横から手が伸びて、レオさんを椅子にするように膝に乗せられた!

「えっ?ちょっと?!」

「ほら、力抜け。」

 レオさんが何故か俺の体を揉み始めたのだった。
 肩から腕を程よい力で揉まれる。
 あっ、何これ、気持ちいい…。整体ゴッドハンドか、レオさん…。温かい湯とマッサージが染みるんだが…。
 腕が終わり、足にマッサージがうつる。こちらも走って乳酸たまりまくりだったので、大きな手のマッサージがすごく良く効く。めちゃくちゃ力が抜けた。

「…レオさん、揉むの上手すぎなんですが…。はあ…。」

「昔、教えて貰ったんだわ。こうしてじっくり揉んでやると次の日が楽なんだ。」

 整体師の師匠でもいたのか…?
 異世界なんでもアリだなあ…。
 これ、地球なら金取れるレベルだよ…。

 …ん?なんか足のマッサージ、ちょっと上に来すぎでは?
 いつの間かふくらはぎから腿に移動したマッサージが、じわじわと股間付近に…、

「はっ!!」

 椅子に異変!!!!

「あー、たまんねえ。そんな蕩け顔、チンポ勃っちまうだろ。」

 ケツを押し上げる固めのブツ!!

「ニャんでーーー?!?!」

 また後ろにビッグマグナム様がいるんだが?!
 なんでデカくなってんの、コレ?!

「ああ、さっきつけたキスマーク、すこし赤くなってきたな。エロいぜ。」

「 キ ス マ ー ク ? 」

 は?キスマーク?キスマークがなんだって?!

「コウは耳も好きだが、首筋も好きなんだろ?吸う度、ヒクついてたからなあ。」

 まさか…、俺の首にキスマークが?
 キスマーク丸出しで熊退治に行った?キスマーク丸出しで師匠やマテウスさんと話してた…?

「ああああああ!!このバカレオおおお!!」

 死んだ、俺のメンタル、死んだよおお!!

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