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健全黒字経営目指します!
俺やっちゃいました?
しおりを挟む第36話 俺やっちゃいました?
俺の腹も大分落ち着いたので、レオさんを起こさないよう静かにオフィス机に移動しコンソールで箱庭を起動した。
さて、少し拠点の改造しちゃいますかー!
まず、水。
さすがに拠点に複数人、人がいるとどうしても飲み水と生活用水が使える簡単な水場が必要なんだなあ。
仕事部屋の横に増築…、
いやちょっと待て。
そう言えばここのマップ確認してないな?!地形把握してないとかどこの初心者だよ、俺ぇ…。
ポチポチっと地図(中)を合成する。
この地図は現在地を中心に128×128マスが平面で表示される。ちなみに小は65、大は256、まさに古き良きドットグラのお手本。昭和レトロゲームな2D表示だけど3Dより全然見易いんだな、これ。
現在地は…、ふむ、これはなかなか広い。
今の玄関部屋と仕事部屋をもう2セット分くらい足して掘れる余裕があった。
「ダンジョンと居住区分けれるな。」
潰すのを前提でここを作ったけど、こちら側をダンジョン入口にして地下を広げる方向に…、
あ、この部屋があるエリアに宿やアイテム屋を置くのってダンジョン都市っぽくないか?ついでに冒険者ギルドダンジョン支部とか夢が…、
…なかった。冒険者って職業はこの世界になかったヨ…。
秒で夢破れる!くやちい!
でもいずれ店を置くのはいいかもしれん。
…ふむふむ、それなら玄関部屋から続くここはロビーの扱いがいいかも。商業施設のイートインみたいなエリア。拡張は奥に向かって伸ばす方式だな。
ポチポチと部屋を広げ、学校の教室くらいにした。更に入口の反対側に同じ規模の部屋を3つと六畳程度の小さな部屋を増築する。3つは将来の店舗だ。んふふ、後で前面の壁を取っ払ってカウンター形式にする予定。何故今やらないのって、今しばらくは俺のおウチだからね!丸見えはちょっと!
小部屋はある意味スタッフオンリーのバックヤード。ここから地下に降りると発電部屋や配管等の施設管理エリアになる。ここは大規模な改造になるから今は空間だけ作る。設置は後日!
うん、まだ枠組だけの豆腐建築だけどいい感じになってきた。
さて次は本題の水だな。
これは店舗の種類で配置が変わるから潰す前提でつくるぞー!
場所は真ん中の部屋。両脇は俺の部屋と客間で、真ん中がリビングをイメージした共用スペースだ。ここに水廻りを集中させる。
手前側を少し仕切り、トイレ、洗面所だ。オシャレな構造よりすぐ入れるが大事だぜ!
トイレになる小部屋に大理石を張り、白で清潔感を出す。トイレットペーパーを置けるように壁を掘って棚風にした。
…あ、こんな立派な大理石な部屋ですが、おトイレ本体は穴跨ぎ式です。便器は作れないからamazoo様待ちです…。
大変レトロトイレだが、ぼっとん式ではなく下に水を流れるある意味水洗式にした。
排水の出口は洞窟より外のエリア、そこに小さな地下空洞を作った。間違えて掘り当てないよう保険ってヤツね。
そこに汚水を溜めて…、うーむ浄水施設か…。砂とか重ねて濾過構造は作れるが、残ったブツはどうしたらいいモンか…。小学校で習った遠い記憶だと微生物がなんたらかんたら…しか覚えてないね…。微生物…。全然わからん。
後でレオさんにこちらのトイレ事情聞くしかないか…。最終手段は総括チームさんに汚水処理場の資料プリーズするかな…。
さ、お次は洗面所だ。洗面所は水桶二つに、排水用の穴を設置。勿論落ちないように柵もつける。あと横に石で囲んだ水ブロックだ。
水ブロックは周囲が砂じゃなければずっと水がキープされるすんごいブロックなのだ。リアルじゃチートだよね。
こちらも壁や床は全面大理石張り。ちょっと高そうなホテルっぽくね!
棚や洗面台風の台などを付ける。洗面台には手洗い用に鍋も置いた。あと鏡が欲しい所だが、さすがに箱庭には鏡はないんだよな。残念。
粗方できたので配線を引き照明を付ける。
ライト石が金平糖を半分にしたような形なのでいい感じのインテリアに仕上がった。
「あー、やっぱ風呂が欲しい!」
ここまで作るとやはり風呂が恋しくなる、日本人の俺。しかし残念だが箱庭にはそんな物はないのだった…。
何故、箱庭には風呂やシャワーがないのか…!
…いや、ここで折れてはダメだ!風呂は命の洗濯!!
錬金鍋(※よく魔法使いがグルグルかき混ぜてるあの鍋)で湯を沸かしてどーんしてでも風呂るぞ!
日本人の血の命ずるままに!風呂製作だ!
床を少し掘りヒノキ材で囲む(勿論部屋全面ヒノキ張りダヨ!)
風呂の排水は隅に穴を開けて、都度ヒノキブロックを破壊する力技方式だ 笑。
横には錬金鍋を設置し、その真上に排煙と湯気対策として外へ繋がるよう天井へ通気の穴を巡らせた。吸い上げるファンがないのが少々不安だが、少し大き目の穴にしたから大丈夫だろう。尚、双方の通気口は鉄柵を嵌めて外敵侵入対策バッチリ。
洗い場も作ったが、温泉にあるような風呂椅子や手桶がないのが悔やまれる。クッ!代わりに置いた木のバケツと木のハーフブロック、野趣溢れ過ぎて違和感しかねえ…。
…だが、体裁は整った。
「風呂…完成や…。おれはやったぜ…。イヤッフー!!風呂がある生活リターン!!風呂はいいねえ…、リ、」
「ふろ…?」
「んはあ?!?!」
いつの間にか真後ろにレオさんがいた!
「レ、レオさん、いつの間に起きてたんですか?!」
「ん、今な。ちょっと便所に行きたくなってな。」
「…あ、トイレですか。」
風呂テンション爆上げの騒ぎ過ぎで、起こしたかと思いました…。よかった…。
「つーか、ここ…、元いた場所だよな…?」
ははは…。大改造…。
しすぎたね!!
部屋の三方が拡張された為、ラグと家具が広い所にぽつんと置かれた謎空間ができていた。
「…はい、元の部屋ですね…。ちょっと広くなりましたけど…。あ!トイレですよね?ありますよ!案内しますね!」
レオさんの用が終わったら話そう…。
「……頼む。」
またアタマが痛いポーズになるレオさん。いや、すまんて…。
笑顔で全てを誤魔化し、新しいトイレにレオさんを案内した。
「ここがトイレなんですけど、ちょっとまだ便器が準備できてなくて…。あちらの穴に向かって用をたす感じでお願いします。大の時はトイレットペーパー…、えーと、尻を拭く紙も下に落としちゃって大丈夫ですんで。」
一応見本と、トイレットペーパーをひと巻き取って下に落としてみせる。
「紙…。王侯貴族か…。」
おわ、もしかしてコチラの拭き物は葉っぱとか(漫画でみた)ローマ的な海綿棒だったかな…。
「…ははは、まあまあ。ほらほら漏れちゃいますよ?ごゆっくり~。」
そそくさとトイレから脱出する。
「あああ、ヤバい。文明の度合いがわからなすぎる…。完全に、俺やらかしました?じゃん…。」
これは出店云々以前の問題だわ…。
その場のレベルに合わせられない営業なんてまず上手くいかないんだよ…。数十万する高級ギフトを激安商店に売り込みに行くみたいなもんだ。鼻で笑われ一昨日おいでと追い出されるか、詐欺と疑われ通報されるか。…うわ、想像したらめっちゃヤバいな、それ。事案じゃん…。
一度街に出て見るしかないよなあ。はあ…。
ガチャ
「…どうした?そんな所に座り込んで。便所待ちだったか?」
用をたして出てきたレオさんにポンと肩を叩かれた。おっと、うっかりドア横に座り込んでトイレ待ち人風になってた!
「待ちじゃないです…。あの、レオさん。もしよかったら街を案内してもらえますか?急ぎじゃないんで、レオさんの都合が良い時にでも。」
オネシャス、頼みの綱~。
「突然だな。いや、明日明後日にでも街に熊討伐の報告に行こうと思ってたから構わねえよ。」
頼みの綱、太い!さすが!
「ありがとうございます。俺、ここの事全く何も知らないので勉強がてらになりますが、どうぞよろしくお願いします。」
「いいさ、俺の拠点だから色々案内してやるよ。…ところで、」
「なんでしょう?」
「その畏まった喋り、やめていいぞ?コウは普段もっと庶民みたいな話し方なんだろ?たまに素が出てたぜ。」
おっふー!バレてるー!
えっ、でもそんな素だしたか、俺?!
営業で培ったゆる敬語だけど、レオさんの前でフランクな話し方はしてなかったよな??
「いや、でもレオさん、多分俺より年上っぽいし…。」
「うーん、まあ結構年上かもな。俺は25だが、コウは何歳なんだ?」
「は???」
パードゥン?いま何と?
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