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健全黒字経営目指します!
くっころ社員
しおりを挟む第20話 くっころ社員
ちーん。
賢者タイム(本日2回目)。
アタマの中でやっちまったナー!!って懐かしの芸人クソコラ風に俺が言ってる。言うな…。もう言ってくれるな…。
齢31にして短時間で2回も男に抜かれ、更に漏らしてしまうとか…、クッ、殺してくれ…!
賢者タイムとお漏らしのショックで放心状態のままレオさんに抱きかかえられていたが、先に賢者タイムが終わったレオさんがドロドロとビチャビチャに塗れた上着を優しく脱がしてくれた。レオさんも汚れた上着をさっと脱ぐ。
おお、めっちゃすげえマッスル上半身…。
「すっかり汚れちまったな。もっと早く脱がしてやれば良かった。悪りい。」
またチュッチュッと首筋にキスしながら、裸になった上半身を包むよう柔く抱きしめる。相変わらずアフターケアがイケメンで悔しい…。但し、さりげなく俺のTシャツでお互いの体についた液を拭ったのは許さんが!!
だが、お漏らしの心的ダメージがデカすぎて、反論する気概もなく、されるがままにレオさんのガチムチ筋肉胸に凭れていた。
「なんか拭くもんはないか?あと着替えな。俺は乾くまで裸でも平気だが、コウは裸じゃ寒いだろ?」
温める様に背中を撫でる。
喋りなどが粗暴な割には、こう言う場面で優しくてやたら甘やかしてくる。今も裸の俺が寒さに震えないよう体をくっつけてくれている、…多分。
くっついた所から温かな体温が伝わるのが心地よくて、少しだけ自ら身体を寄せ触れる範囲を増やす。
って、あー!!もー!!
絆されんな、俺!!
はいはいイケメン、イケメン!!
「…タオルあるので今持ってきます。」
気怠い体をおして膝から降りようとするが、何故か姫抱っこにされベッドまで運ばれてしまった。その流れるような動作にツッコミさんが仕事をする隙はなかった。ふんわりと布団におろされる。
「潮まで吹いてダルいんだろ?俺がやるから気にしないで横になれよ。んで、タオルしまってんのどこだ?」
「タオルはそのチェストの一番上です。って…は?潮?!?!しおって潮?!?!さっきのお漏らしじゃないの?!?!」
し お 。
よくAVで女の子が手マンとかで吹いてる、あの有名な潮でしょうか…?
「ちゃんと潮だぞ。小便ならもっと臭うし黄色いからな。…もしかして、コウはイキ潮吹いたの初めてなのか?」
レオさんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐニヤニヤと口元を弛める。
おしっこ漏らしてないけどーーーッ!!
潮漏らしてたーーーッ!!!!
瀕死全回復、1ターン後即瀕死状態。
「…しにたい…。」
布団を頭から被り(メンタル的)籠城の姿勢をとる。
俺はこれから潮なんてない布団の国に住むから放って置いてくれ…。
「そうか、そうか。小便漏らしたワケじゃねえから泣くな、泣くな。…しかし、今日初めて潮吹いたのかぁ。意外に開発されてねえのな。はー、こっから伸び代があるなんてたまんねえ。よし、今度はハメ潮吹けるよう頑張ろうな?」
布団の上からあやす様にトントンされている。
しかし発言は最低だ!
「元から開発とかしてねええわ!!ハメ潮…、そんなの頑張らねえわーーーッ!!」
布団の国からガバリと飛び起き一時出国!!
駄目だコイツ、早く何とかしないと…!
「そんなフーフー威嚇して…、まるで猫の仔みたいだな。よしよし。」
腐ってやがる…!
なんだ、そのほのぼの動物映像を観るような目は?なんで子猫扱いで頭や耳後ろをナデナデしてる?後、あえて威嚇言うならば、俺的には猛獣レベルで威嚇してますが??
布団を巻きつけながら、半眼でついっと頭を撫でる手を避ける。イケシリーズなオジもメンも気軽に頭撫ですぎなんだよ。連中の頭撫でハードルの低さが異常なんだが?あいつら頭ひとつ差があると撫で撫で習性でもあるんか?ああん?(心の虎が威嚇)
「ああ、そうだ。ここは水あるのか?洗い場もあれば助かるな。」
スルー!威嚇スルーかよ!
「うぅ~!………もう、頭撫でるのやめてください。ハァ…、そっちにある四角い木の箱みたいなヤツ、あれが水桶です。手洗いとか洗い物はあの中でして下さい。飲料水は…、あー、冷蔵庫になんかあったかな…?缶コーヒー、…いや、ないか(缶の文化が)。えっと、さっき俺が使ってた薄い板、大きい方取ってもらってもいいですか?」
アレ、と水桶方面を指差す。あとタブレットは目線でアレと指す。
「ああ、これな。ほら。じゃあタオル使わせて貰うな。」
レオさんはタブレットを渡して、タオルを取りに行った。
タブレットの時刻表示をみれば、もう昼の時分をとっくに過ぎていた。うっかり居眠りしたのもあるが、レオさんのアレやコレやでこんな時間になっていた。
…これで、まだ勤務2日目なんだよなあ。
はあ、転職先間違えたかなあ…。
ぽちり。
特選松坂牛A5ステーキ弁当×1
特選松坂牛A5ステーキ弁当(大盛)×1
お茶×2
『ご注文ありがとうございます!
只今、注文内容を店舗が確認しております。
配達までお待ちください。』
なんだかむしゃくしゃしたので、イケオジのポケットマネーでお昼デリバリーしました。肉二人分。
さて、お昼はいい。次は飲料水か。
飲料用の水道設備は部品が揃ったら設置予定だったので、じつは手元にすぐ飲めるような水は無かったりする。一応災害備蓄用のペットボトル水があるが、まだ何があるかわからないから今時点では出したくない。
…いやあ、まさかいきなり現地の方が来るとは思わなかったからさ、午後に届く予定のamazoo荷物にもあんまり水ないんだよねえ…。自炊無しのおひとり様暮らし感覚で嗜好品のコーヒーやジュース、あと酒なんかをメインに注文したわ…。
うーむ、やっぱ作るしかないか。
と言っても今回はお湯を沸かす用の鍋と竈門、貯水用の水桶だけ。あと燃料か。
昨日箱庭から出した水は多分生水でも飲めそうなレベルだったが、やはり現代っ子なので一度煮沸消毒したい。
…あー、そっか。今気づいた。
この水セットは場所移さないとダメだ。リアル部屋の中で竈門焚いたら絶対煙いわ。排気も考えないとキケン…。燃料、石炭だった…。まあ、最悪入口近くにセットを置いて…、ん…?入口…?
「うあああああ?!?!い、入口ーーーッ!!!!」
「ん?入口がどうした?」
さっぱりした顔のレオさんが、濡れタオルを片手にこっちに戻ってきた。
「あ、アンタ!来る時入口、ぶっ飛ばしたって言ったよな?!その後どうした?!」
「ああ、入口の土は確かにぶっ飛ばしたが…?その後はそのまま此処に来たな。そんな慌てて、なんか入口にあんのか?」
ですよねー!そのまま来ますよねー!
うわあ、入口開きっぱなしになってるわ…。
動物とか魔獣とか入って来てる可能性だわ…。
最悪、また現地人が入り込んで荒らしの可能性だわ…。
「この辺って、なんか動物とか魔獣とかってウロウロしてます?あと人は頻繁に来ますか?」
「まあ動物はチラホラいるな。魔獣は…、赤足の熊公が出たからこの辺にはあんまり沸いてこねえと思う。人はまず来ねえ。森が深すぎて迷っちまうトコロだからな、ここ。」
魔獣、人は無しだけど動物はいるかあ…
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