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1.転職!転勤!→異世界
身近な大問題ですよ、アレは
しおりを挟む第7話 身近な大問題ですよ、アレは
『イケオジ: お金はストレージにあるよ!!
もうゲームに課金はできないけど、現地でRMT(※ゲームスラングで言うアイテム現金取引。あまり良い意味で使われない)出来るようちゃんと両替しときました(サムズアップ絵文字)』
神よ、無駄に心を読まないで。
あと俺はRMTなんかやってませんからね!!
『rinrin村長: お心遣い感謝します。
質問なんですが、給料もストレージに振り込まれるんですか?』
大事なお賃金さまの話だよ!!教えて、偉い人!!
『総括チーム: はい、月末締めの翌月25日にストレージに自動で振り込まれます。
支払いも同じ日です。』
はい、総括チームが偉い人、決定。
ストレージが銀行口座みたいなのも兼ねてるんだな。ありがとうございます、これで生活?に困らないです。
しかし、マジで神会社はリアルに会社だな…。月末締めなんだ…。
『rinrin村長: ありがとうございます。確認してみます。』
ひとまず金の心配は無くなった。
だが、ここから真剣勝負。半年にいっぺんの買い物チャンス。完全に負けられない戦いがそこにある。
貯金から買えるトイレと排水管、他水廻り関連で蛇口何個か。あとは保存がきく食品や日用品(トイレットペーパーとかね!)の箱買いだ。欲を言えば家電のエアコンまで欲しいが多分お金たりない。つら…。
amazooで検索し、目的のブツをどんどんカートにぶっ込んでいく。途中から調子に乗りすぎて何をどれくらいぶっ込んでいるか定かでは無くなった頃に気づけば総額30万超になってた…。
あ、トイレ洗剤100個は半年で使い切らないな…。不要なのをカートから抜いて20万くらいにしました…。
決済をポチりアプリを閉じると、もう夕方になる時分だった。
「やべ、夜になるじゃん。そろそろ部屋つくんないと寝れないわ。」
まだ部屋はコンソールと照明を置いただけのドアもない空間、所謂洞窟まんまだ。
コンソールに向かい部屋の続きを作る。
木製床材をはり壁も木張りにする。ドアも木製のを取り付けた。
仮住まいとは言え、岩壁に囲まれた生活はあまり好みではない。コンクリート材のシャレオツデザイナーズマンション風みたいなのもカッコイイけど、俺は日本的庶民なので木製のおウチが落ち着くのだ。あと靴を脱いで暮らしたい派です(ので入り口に靴置き場を作って、無事に素足生活に入りました)
内装はできたので次は家具の配置だ。一旦コンソールからタブレットを外す。
勿論箱庭にも家具があり自作する事もできるのだが、使い慣れた方が良かったのでストレージアプリから俺所有の家具を引っ張り出す。
タンスがわりのチェストとベッド、ローテーブル、あとは座布団がわりのクッションってとこか。
ラグは…、これは作る!
実は毛玉のラグと言う家具があるのだ!
毛皮ではなく毛玉のラグ。字面的に絶対ふわもこ確定のラグだ。
ゲーム時代からコレに一度は触ってみたいと憧れた一品なのである。
「合成、合成っと。」
ふふ~んと鼻歌まじりに合成して配置!
「ふ、ふ、ふわもこだぁ~」
白の毛玉で出来たラグは俺をダメにするラグでした!
ベース素材がウサギの毛玉なだけあって、めちゃくちゃ肌触りのよいラビットファーで出来た厚さがあるラグだった。べったりとラグに寝転がりふわもこ感を堪能する。あー、もうここから起き上がりたくない。俺の居場所はここだー。ゴロゴロ、すりすり…。
30分くらいダメになった。
「…ハッ!!やべ、堪能しすぎた!!
起きました。
続き、続き!
ええと、何だっけ…。あ、家具ね、家具。まだ仮住まいだから家具は必要最小限。あとは…冷蔵庫と電子レンジの生活家電か。テレビは地球の電波受信出来ないだろうから今はパスだな。
「おっとその前に電源か。発電装置作んなきゃな。」
箱庭はファンタジー世界観の割に電気などの動力を作り出す装置が何個かある。
普段は序盤でも比較的簡単に作れるソーラーシステムで電力を運用するんだが、今はもう時間的に夜なので太陽光充電は望めない。
ここはチート発電にしよう。
本来はダーククリスタル発電装置と言うのだが、核につかうダーククリスタルが探索でしかみつからない超高難易度の合成素材故、見つけて作った人はチート扱い(ちなみに初心者チートモードでも探索でしかでないレア素材)される。そんな最高級発電装置を通称チート発電と箱庭界隈では呼んでいる。
実際俺もダーククリスタルは3個(探索めっちゃ頑張った!)しか見つける事が出来なかったし、合成失敗時のロスト率が半端なくて作れたのは1個だけ。2個連続ロストして泣いたがその制作風景動画はすごく高評価だった…。解せぬ…。
しかし今回はスロットに1個だけ完全品のチート発電があった!
さすがGODバージョン…。チートや…。
発電装置は結構大きめでだいたい畳一畳分くらいある。仕事部屋ではない広い方の部屋に設置し、配線を床に仕込んで隣へ繋げ、アウトプット盤を壁に配置。
箱庭のアウトプット盤は二口コンセントの穴っぽいのが四つくらい並んだグラフィックだったが、実際のアウトプット盤は三ピンで8個口の豪華仕様だった。しかも何の家電を繋いでも大丈夫だし8個までは同時使用も問題ない(と説明書にあった)
はー、ブレーカー落ちも関係ないとか最高か。
電気を必要とする家具を付近に配置して寝泊まりする部屋作りは一段落。
あとは服など小物をストレージから取り出して…
ぐぅぅーーー……。
「うん、これは夜メシだな!!」
有名高級焼肉屋の黒毛和牛焼肉弁当をお取り寄せしました(ニッコリ
感謝のメッセージと共に次回高級中華の予告を送ったら、
『イケオジ: 野菜も摂ったほうがいいです。例えば私の手作り料理とかヘルシーで美味しいよ!』
イケオジ、少しヘタれる 笑。
『rinrin村長: その内ご相伴に与りますね。』
ククク、まだだ…、まだ俺は人の金で美味しくいただきますよ!!
まあ、次は朝メシなのでライトなご飯頼みますけどね(俺の胃がヘタれるから)
なんやかんやでもう夜もいい時間だった。
寝る前に風呂に入りたかったのだが、箱庭には何故かトイレをはじめシャワーのような水廻りアイテムがなかった。仕方なく水桶(風呂桶を半分くらいにした貯水用の桶)を設置し、貯めた水で身体を簡単に拭いて部屋着でベッドにダイブした。
「あー、疲れたー…。」
ベッドに寝転がり、ぼんやり天井を見上げる。
んー、ライト石照明ってリアルだとかなり明るすぎだな。明日、電気タイプの照明にかえよ。確か配線弄れば光量調節できた筈。
あ、明日は風呂作ろう。木ブロックで囲って風呂桶にして…、ああ、でも湯張りが面倒だな。錬金釜で湯を沸かして手動移し替えか。自動で出来ないかなあ…うーん…。
ごろりと寝返りを打って、枕の横に置いたスマフォに手を伸ばす。ホーム画面はネコチャン。
「朝から色々あったな…。」
今日は朝から色々あった。ありすぎた。
ありすぎてまさか異世界転職するとは誰が予想できただろうか。
よくある物語のように事故死して異世界転生したチート勇者でもなく、召喚で呼ばれた世界を救う最強神子でもない。
雇われダンジョンマスター。
転職って…転勤って…、一体なんなんだろうなー!!あー、ツッコミが追いつかないなー!!
「はあ…、もうねよ…。」
寝落ちる前にアラームをセット。
明日も仕事?だ。がんばろ…。
眩しすぎる照明から逃げるように布団を頭から被って意識を手放した。
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