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心陽ちゃん頑張る

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 それから色々あって数か月後……。

 今日は自分の家計の確認日……。

 俺は白井姉妹と仲良く朝食を食べた後、クマゼミ達の忙しいコーラスを聴きながら事務室で作業をする準備をする。

 あまりの暑さとやかましさに窓を閉め、クーラーを入れる事に……。

 ふと、壁に掛けられた温度計を見ると35度以上になっているではないか……。

 そりゃ……額からじっとりと汗もでるわな……。

 俺はタオルで額の汗を拭いながら、急ぎ足で冷蔵庫に向い歩いていく。

 色々用意して、氷をいれた冷たいアイスコーヒーを、机の空きスペースに置いてっと……俺は作業椅子に座る。

 机のPCを起動してっと……よしやりますか……。

 ちなみに白井姉妹は、昨日徹夜で何かしらの作業をしていたらしく、2度寝の真っ最中だ……。

 ほんと……何やってたんだあいつら……? 最近何か深夜こそこそやっているんだよな……。

 それはさておき……今月の収入はいくらかな……?

 そんなことを考えながら自分の通帳をチェックし、自分が管理している電子帳簿に入力していく俺……。

 ……ん? なんだこれ? 

 違和感に気が付き、キーボードを叩いている手をぴたりと止める俺……。

 ……えっと0がいちにーさんしー……って⁈ 万越えの……結構な額の金額が通帳に振り込まれているが……⁈

 振込元の名前が無い……?

 俺の場合、受託先からの振り込みは、必ず名前込みで振り込みしてもらうようにしているし……。

 何かしら追加で報酬を貰う場合も同様だし……。

 むむむ……という事で全く身に覚えが無いんだけど……?

 ……俺は思考を巡らせるために、アイスコーヒーを口に入れる。

 うん……冷たく苦くて甘いものが体に染みわたる感覚……。

 真夏だからか、余計に美味しく感じるし……あまーいシロップが脳に栄養を与える……。

 ……という事でリラックス出来た頭で、再び思考を巡らせていく……。

 ……とすると……もしかして……白井姉妹かな?

 でも、2人とも外でバイトはしてない……というか出来ないんだよね……。

 本人達もする意思がないみたいだし……。

 ……うーん、わからない……。

 こうなったら2人が起きた後、教えてもらうかな。

 ……というわけで、収入項目は後回しにし、先に電話代やら電気代などの支出項目をサクサクと打ち込んでいく俺。

 それからしばらくして……。

 昼になり、白井姉妹が起きて昼食後……俺は例の件を2人に聞いてみることに……。

「ああ、それね!」
「私達、最近Vtuberとしてデビューし、収益化に成功したんですよ! それで、その動画関係の収入が振り込まれているんですよね」

「え? マジですか……?」

「うん!」
「昨日も深夜それで、心陽配信作業、頑張ってたんだよね!」

「あ、ああ……それで昨日作業室で徹夜してたんだな……」

 最近の白井姉妹の謎作業に、納得する俺。

 Vtuber……とは……バーチャルユーチューバーの略語の事だったかな確か……。

 更には、2DCG及び3DCGで描画されたキャラクター、もしくはそれらを用いて主にネットメディアなどで活動する動画投稿・生放送を行う配信者のことを指す。

 という事で、配信するには当然PCが必要になり、俺が作業を終えないと2台分のPCは使えないしね。

 俺の家、2台しかPC置いてないしなあ……。
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