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豪山パイセンまた新しい伝説を作る
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「……優もしかしてお前、何か気が付いたのか?」
「ああ……俺というより、豪山先輩がだがな」
ま、マジ?
俺の不思議そうな顔を見たからか、パイセンが親切にも語りだす。
「実はな、一回目のワープが終わり、地球を出た直後に違和感に気が付いてな……?」
「ど、どんなですか?」
優は無言でポケットから携帯電子双眼鏡を俺にそっと渡す。
「あたりをよくそれでよく見て見ろ?」
「あ、うん」
相変わらず用意がいい奴だなと思い、俺は携帯電子双眼鏡でよく見ていく……。
「んー銀河や星が良く見えるくらいで別に何にも……」
その時、自分は最後の言葉を止めてしまう。
というのもね、よく見るとかなり遠目に銀色の飛行機……いや戦闘機に似たフォルムの機体を何体も見たからだ。
(ん? ……というか、これ、俺達の周りをつかず離れずびっしり囲っていないか?)
「見たか? これが360度前方位俺達を囲っているんだ」
「す、スゲー……! 良く気が付きましたねパイセン」
「ま、俺は勘と目はいいんでな! ちなみに視力は15.0だ!」
パイセンはマッスルポージングを披露し、何やら得意げにしているが……。
ま、マジかよこの人……。
……15.0ってアンタ、確か昔何処かの狩猟民族が12.0の人いたらしいからそれ以上ってことか……⁈
どうやら力だけでなく、視力まで筋金入りの蛮族の模様。
あ、勘もかな。
こうして、新しい豪山伝説がまた一つ追加されてしまった……。
まあ、おそらく星に擬態してずっとあのフォーメーションで俺達のスペースシップを囲っていたんだろうけど。
宇宙人の方も、スーパー蛮族豪山パイセンの異常視力と勘には形無しだった模様……。
「これクロノに報告した方がいいかもな」
「いや、おそらくあの人は気が付いていると思うぞ?」
「……え?」
優の言葉に少し眉を潜める俺。
(あ、もしかして、クロノは知ってて何か対策をしてくれているか? いや、対策しようがないから、俺達に気を使って黙っててくれたのかも?)
そう考えるとしっくりくる。
だからこそ、優達は「戦闘準備の心構えをしとけよ?」と言いたかったんだろうと。
うーん……となると。
「なあ? これ、他の女性陣には黙っていた方がいいのかな?」
「俺は黙っていた方がいいかなと思っている」
俺の問いに対し、豪山パイセンから意外な答えが返って来て、驚く俺。
「……何故です? 情報共有して解決策を出した方が良くないですか?」
確かに理論的には優が言う内容が俺も正しいとは思うが……。
「考えて見ろ。あの宇宙に詳しそうなクロノさんや瑠璃さんがこの事を黙っているんだぜ? 話して女性陣に不安を広げてどうするんだよ?」
「あ……まあ……」
きっと優も桃井さんにその事を話す事を想像したんだろう。
少し困惑した顔をしているしね。
「……だからよ? 俺達に出来ることはさ、アルカディアアドベンチャーに誘って戦闘準備をするくらいじゃねーの?」
「あ……確かに……」
「あ、それ賛成!」
確かに自分達がやるべきことをやった方が方向性としては正しいだろうしね。
ここは蛮族らしからぬ、パイセンが言う事が正しいかも。
「じゃ、女性陣が目を覚ましたら一緒にプレイしましょう! 俺もクロノが起きたら、誘ってみます!」
「おう! じゃあ俺も桃井さんが起きたら誘う」
「俺も!」
という事で、俺達は逆境をバネにし、何か知らんがめっちゃやる気が出て来たところ!
俺は操縦席のクロノの様子を見に、戻ることにした。
(……というかね、豪山パイセンああ見えて藤花先輩に気を使っているんだよね。この感じだともしかしたら2人は熱々なんかもしれんな)
そんな事をぼんやり考えながら、俺は操縦席のクロノをゆっくりと覗き見る。
やや遠い目をしているところを見ると、何か考え事をしている模様……。
(もしかしたら、さっきの話の内容で悩んでいるかもしれないし、少し話してみようかな?)
「……あのクロノ?」
「うん? どうしたの……?」
うーむ、さっくり聞いたがいいのか、やんわりがいいのか悩むところ。
「何か悩み事でも?」
「えっ! うん、まあ……」
若干俺から目を逸らし、少しはにかみ、笑顔で誤魔化そうとする彼女。
(こりゃ、クロノの悩みはさっきの話が濃厚かもね)
俺はクロノの隣の助手席に座り、クロノの耳元でそっと呟く。
「……ねね、なんかね勘がいい豪山パイセンが気がついたんだけど、このスペースシップの周り別のスペースシップにびっしり包囲されてるよね?」
「えっ! ええっ!」
「どうしてそれを知っているの?」と言わんばかりに驚愕しているクロノ。
その証拠に、珍しくクロノの両目が大きく見開いている。
が、うん……驚いているクロノの顔もとても素敵で、ブルーとレッドのオッドアイがより輝いて見える。
「豪山パイセンは視力が15.0でかつ勘がいいんだ」
「ああ、瑠璃が目をかけている蛮族の彼ね……。す、凄いね、本物の蛮族みたい!」
楽しそうに笑うクロノを見て、やっぱ考える事は一緒なんだと思い、それが何かとても楽しく感じて俺も再び爆笑してしまった。
「ああ……俺というより、豪山先輩がだがな」
ま、マジ?
俺の不思議そうな顔を見たからか、パイセンが親切にも語りだす。
「実はな、一回目のワープが終わり、地球を出た直後に違和感に気が付いてな……?」
「ど、どんなですか?」
優は無言でポケットから携帯電子双眼鏡を俺にそっと渡す。
「あたりをよくそれでよく見て見ろ?」
「あ、うん」
相変わらず用意がいい奴だなと思い、俺は携帯電子双眼鏡でよく見ていく……。
「んー銀河や星が良く見えるくらいで別に何にも……」
その時、自分は最後の言葉を止めてしまう。
というのもね、よく見るとかなり遠目に銀色の飛行機……いや戦闘機に似たフォルムの機体を何体も見たからだ。
(ん? ……というか、これ、俺達の周りをつかず離れずびっしり囲っていないか?)
「見たか? これが360度前方位俺達を囲っているんだ」
「す、スゲー……! 良く気が付きましたねパイセン」
「ま、俺は勘と目はいいんでな! ちなみに視力は15.0だ!」
パイセンはマッスルポージングを披露し、何やら得意げにしているが……。
ま、マジかよこの人……。
……15.0ってアンタ、確か昔何処かの狩猟民族が12.0の人いたらしいからそれ以上ってことか……⁈
どうやら力だけでなく、視力まで筋金入りの蛮族の模様。
あ、勘もかな。
こうして、新しい豪山伝説がまた一つ追加されてしまった……。
まあ、おそらく星に擬態してずっとあのフォーメーションで俺達のスペースシップを囲っていたんだろうけど。
宇宙人の方も、スーパー蛮族豪山パイセンの異常視力と勘には形無しだった模様……。
「これクロノに報告した方がいいかもな」
「いや、おそらくあの人は気が付いていると思うぞ?」
「……え?」
優の言葉に少し眉を潜める俺。
(あ、もしかして、クロノは知ってて何か対策をしてくれているか? いや、対策しようがないから、俺達に気を使って黙っててくれたのかも?)
そう考えるとしっくりくる。
だからこそ、優達は「戦闘準備の心構えをしとけよ?」と言いたかったんだろうと。
うーん……となると。
「なあ? これ、他の女性陣には黙っていた方がいいのかな?」
「俺は黙っていた方がいいかなと思っている」
俺の問いに対し、豪山パイセンから意外な答えが返って来て、驚く俺。
「……何故です? 情報共有して解決策を出した方が良くないですか?」
確かに理論的には優が言う内容が俺も正しいとは思うが……。
「考えて見ろ。あの宇宙に詳しそうなクロノさんや瑠璃さんがこの事を黙っているんだぜ? 話して女性陣に不安を広げてどうするんだよ?」
「あ……まあ……」
きっと優も桃井さんにその事を話す事を想像したんだろう。
少し困惑した顔をしているしね。
「……だからよ? 俺達に出来ることはさ、アルカディアアドベンチャーに誘って戦闘準備をするくらいじゃねーの?」
「あ……確かに……」
「あ、それ賛成!」
確かに自分達がやるべきことをやった方が方向性としては正しいだろうしね。
ここは蛮族らしからぬ、パイセンが言う事が正しいかも。
「じゃ、女性陣が目を覚ましたら一緒にプレイしましょう! 俺もクロノが起きたら、誘ってみます!」
「おう! じゃあ俺も桃井さんが起きたら誘う」
「俺も!」
という事で、俺達は逆境をバネにし、何か知らんがめっちゃやる気が出て来たところ!
俺は操縦席のクロノの様子を見に、戻ることにした。
(……というかね、豪山パイセンああ見えて藤花先輩に気を使っているんだよね。この感じだともしかしたら2人は熱々なんかもしれんな)
そんな事をぼんやり考えながら、俺は操縦席のクロノをゆっくりと覗き見る。
やや遠い目をしているところを見ると、何か考え事をしている模様……。
(もしかしたら、さっきの話の内容で悩んでいるかもしれないし、少し話してみようかな?)
「……あのクロノ?」
「うん? どうしたの……?」
うーむ、さっくり聞いたがいいのか、やんわりがいいのか悩むところ。
「何か悩み事でも?」
「えっ! うん、まあ……」
若干俺から目を逸らし、少しはにかみ、笑顔で誤魔化そうとする彼女。
(こりゃ、クロノの悩みはさっきの話が濃厚かもね)
俺はクロノの隣の助手席に座り、クロノの耳元でそっと呟く。
「……ねね、なんかね勘がいい豪山パイセンが気がついたんだけど、このスペースシップの周り別のスペースシップにびっしり包囲されてるよね?」
「えっ! ええっ!」
「どうしてそれを知っているの?」と言わんばかりに驚愕しているクロノ。
その証拠に、珍しくクロノの両目が大きく見開いている。
が、うん……驚いているクロノの顔もとても素敵で、ブルーとレッドのオッドアイがより輝いて見える。
「豪山パイセンは視力が15.0でかつ勘がいいんだ」
「ああ、瑠璃が目をかけている蛮族の彼ね……。す、凄いね、本物の蛮族みたい!」
楽しそうに笑うクロノを見て、やっぱ考える事は一緒なんだと思い、それが何かとても楽しく感じて俺も再び爆笑してしまった。
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