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第三章 アオイと過去と存在意義と
#43 事件発生
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「―――ちゃん!お兄ちゃん!」
「・・・ん。おはよう、レナ」
僕はレナの僕を呼ぶ声で目を覚ました。
しかし、僕はどうしたんだ?あれは何だったのか。いや、なぜあの記憶を忘れていた?あの記憶はいつの記憶だった?
・・・思い出せない。まるで頭の中身に靄がかかったように、見た場面以外のことをまったく思い出せない。あれは間違いなく自分の記憶だ。それに間違いはない。
「お兄ちゃん、大丈夫?すごいうなされてたけど・・・」
「大丈夫だよ。悪夢を見てただけだから」
そんな返事をしながらレナの頭をなでる。レナはもっとでも言うかのように頭をこちらに押し付けてくるので、起き上がり、ベッドに座るとレナを膝の上に。そして、そのまま話を続ける。
「それで、なにか用があったから僕を起こしに来たんじゃないの?」
「ううん。別になにかあったわけじゃなくて、ただお兄ちゃんに甘えに来ただけ・・・えへへ~♪」
そう言うとレナは僕に寄りかかるようになる。僕はそんなレナの頭を撫でながら思考を巡らせる。なぜ今、あんな記憶を思い出したのか。あの記憶は何なのか。そして、あの記憶を得て自分はどうすべきか。
とりあえずは情報収集であろう。何をするにも正しい情報は必須だ。誤情報や無知では判断が狂いかねない。現状自分やレナたちの周囲のごく限られた範囲の情報を集めているが、これだけでは足らない。世界単位で情報を収集すべきだろう。また、世界の管理者としてMWOSや世界書庫に関連したことをこなさなければならないが、現状ナビーに任せっきりにしてしまっている。これも自分で管理、整備をしていかなければならない。
とはいえ、すぐにすべてを行うのは無理だ。順番に少しずつ進めていくしかないだろう。
「失礼いたします。」
そんなことを考えながらレナと過ごしていると、部屋の外から声がかかる。許可を出せば、燕尾服に身を包んだ初老の男性が部屋に入って来る。クロだ。
なぜクロがここにいるのか。それは時を孤児院の改築を終えた頃(ストーリーとしては#38と#39の間)まで遡る。
その日、僕は王都の一角でクロと顔を合わせていた。黒竜が王都に集合したというので顔合わせの方法を打ち合わせるためだ。その時―――というか今もだが―――僕たちは王様たちの配慮で、王城の中でも格式が最も高い客室で寝泊まりをしている。この客室は、区画内でさらに部屋が別れており、リビング2つに、主人たちの寝室とその予備(つまり主人ランクの寝室が4つ)、子息のための部屋が複数、さらには複数の使用人の部屋から応接室まで備えている普通に生活するには十分すぎる部屋なのだ。現在この部屋を僕とレナ、ザーシャ、ラーシャ、ミリィ、シャル、ナナの7人で使用している。部屋割りは一人一部屋で、僕とレナ、ミリィ、シャルが予備も含めた主人たちの寝室、ザーシャ・ラーシャとナナが子息たちのための部屋だ。なぜミリィとシャルが屋敷や王城の自室ではなく客室に泊まっているのかと言うと、僕やレナと親しく、できることならば僕と婚姻を結ぶまでになって欲しいという王国側の思惑と、当人たちの強い希望によるものである。
ただ、この客室はその性質故に王族のプライベート区画に近く警備が厳重なのである。そのため、黒竜との顔合わせをどこでどうするかを打ち合わせなければならない事態となったのだ。
「一族の者とは重要な者のみお会いになられ、私のみが側にてお仕えする、と」
「そう。現状、一度に全員に会うのは難しいし、かといって大勢を王城の部屋に招くのも難しいから。それならクロが僕のそばで黒竜とのつなぎ役をしてくれるのが最善だと思って。そのほかの黒竜たちは、重要な者たちにはできるだけ早く会うけど、それ以外の人は適宜会うってことでどうかな」
「・・・基本的にはそれで良いかと。ただ、側仕えが私一人というのは些か無理が生じます。私以外の者も数名、メイドとしてお雇い下さい」
クロは僕の提案に少し間をおいて同意した。追加でクロの奥さんとナナのお母さん、お姉さんをメイドとして雇うことにした。ナナのお母さんたちを雇うことにしたのはナナからの推薦だ。
正直、誰を雇うのかは結構悩んだ。身近に王族がいるから身元の確かな者でなければならず、また僕たちとの相性も良くなければならない。それに僕の感情的にレナたちの側仕えは女性が好ましい。まず最初にクロの推薦でクロの奥さんと面接をした。クロの奥さんは優しそうな雰囲気で、みんながイメージする田舎のおばあちゃんって感じの人だった。性格も相性も問題ないようだったので即採用した。
問題だったのはこのあとだ。人数的にあと二人は必要だ。だけどクロに何人か候補を出してもらったが、相性や性別の問題で決まらず。クロが種族全員を把握しているわけもないので、クロの奥さんにも候補をあげてもらったが、それでも決まらず。結果、ナナに誰かを推薦したいか確認したところ、ナナの母親と姉を推薦するということだったので、採用した。
実はクロの奥さんに候補をあげてもらったときにこの二人も入っていたのだが、ナナがどう思うか分からなかったから見送っていたんだ。だけど、本人が推薦したいって言うなら問題ないだろうってことで即採用したんだ。
それで、クロたちは今、使用人用の部屋を使っている。
さて、回想はここまでにして、クロが呼びに来たのでレナたちと一緒に食堂へ移動する。僕たちの泊まっている客室にも食堂はある。だけど、いつも王族のプライベート空間にある食堂で食事させてもらっている。最初の頃は僕たちの周りに世話をする人がいないから、王宮の使用人の人たちのお世話になってたんだけど、料理人が足らなくて王様や王妃から一緒に食事をしましょうと誘われて、一緒に食事をするようになったのが始まりなんだ。今はクロたちがいるんだけど神獣の方と一緒に食事できるなんて名誉なことだから迷惑でなければって今も続いてる。
そんなことで、毎日朝夕の食事は王族と一緒の場で食べている。こちらが神獣という畏怖の対象であり、最近シャルといつも一緒にいるとはいえ、相手は王族。失礼のないように気をつけているが、フランクに話しかけてくれるのでそこまで気にしなくてもいいのでは?と最近思い始めている。みんなもラーシャやザーシャは一緒の場でいただくなんて畏れ多いって遠慮してたんだけど、神獣の巫女は王族より立場が上、特に今はその神獣の共としておられるのだから同席してほしいと言われて素直に折れていた。シャルやミリィは元々王族だし、逆に話せる時間が減るって怒っていたみたいだし、レナとナナは好きにしていいよと我関せずを突き通していた。
食堂に入ると、いつもは明るい雰囲気なのに今日は部屋の空気が妙に重い。王様の表情もふだんと比べて固いように思える。そのまま各自、席に着くが誰も話し始めない。ただ静かに食器や布の擦れる音だけが響く。ほんとに何があったんだ?
結局、最後まで誰も一言も話さずに食事が終わってしまった。そして王様が意を決した表情で話し始めた。
「アオイ様。隣国である教国が我が国の静止を無視し、勇者召喚の儀を強行しました。そして、これはまだ確定情報ではないのですが、その召喚された勇者がアオイ様によく似ているという情報が入っております。似顔絵もあり、顔の作りというか、雰囲気というか、具体的に何がと言われると困りますがよく似ていらっしゃると私も思いました。こちらがその似顔絵となります」
そう言って王様が側仕えに紙を取り出させた。その紙には女の子の姿絵と似顔絵が描いてあった。
僕はこの時どのような様子だったのだろうか。僕はこの時のことをよく覚えていない。ただ一つ確かなのは驚きと疑問と心配で他のことを考える余裕がなかったのであろうことだけだ。何せ、そこに描かれた女の子は、多少の違いもあったが他でもない妹の夏希だったのだから。
「・・・ん。おはよう、レナ」
僕はレナの僕を呼ぶ声で目を覚ました。
しかし、僕はどうしたんだ?あれは何だったのか。いや、なぜあの記憶を忘れていた?あの記憶はいつの記憶だった?
・・・思い出せない。まるで頭の中身に靄がかかったように、見た場面以外のことをまったく思い出せない。あれは間違いなく自分の記憶だ。それに間違いはない。
「お兄ちゃん、大丈夫?すごいうなされてたけど・・・」
「大丈夫だよ。悪夢を見てただけだから」
そんな返事をしながらレナの頭をなでる。レナはもっとでも言うかのように頭をこちらに押し付けてくるので、起き上がり、ベッドに座るとレナを膝の上に。そして、そのまま話を続ける。
「それで、なにか用があったから僕を起こしに来たんじゃないの?」
「ううん。別になにかあったわけじゃなくて、ただお兄ちゃんに甘えに来ただけ・・・えへへ~♪」
そう言うとレナは僕に寄りかかるようになる。僕はそんなレナの頭を撫でながら思考を巡らせる。なぜ今、あんな記憶を思い出したのか。あの記憶は何なのか。そして、あの記憶を得て自分はどうすべきか。
とりあえずは情報収集であろう。何をするにも正しい情報は必須だ。誤情報や無知では判断が狂いかねない。現状自分やレナたちの周囲のごく限られた範囲の情報を集めているが、これだけでは足らない。世界単位で情報を収集すべきだろう。また、世界の管理者としてMWOSや世界書庫に関連したことをこなさなければならないが、現状ナビーに任せっきりにしてしまっている。これも自分で管理、整備をしていかなければならない。
とはいえ、すぐにすべてを行うのは無理だ。順番に少しずつ進めていくしかないだろう。
「失礼いたします。」
そんなことを考えながらレナと過ごしていると、部屋の外から声がかかる。許可を出せば、燕尾服に身を包んだ初老の男性が部屋に入って来る。クロだ。
なぜクロがここにいるのか。それは時を孤児院の改築を終えた頃(ストーリーとしては#38と#39の間)まで遡る。
その日、僕は王都の一角でクロと顔を合わせていた。黒竜が王都に集合したというので顔合わせの方法を打ち合わせるためだ。その時―――というか今もだが―――僕たちは王様たちの配慮で、王城の中でも格式が最も高い客室で寝泊まりをしている。この客室は、区画内でさらに部屋が別れており、リビング2つに、主人たちの寝室とその予備(つまり主人ランクの寝室が4つ)、子息のための部屋が複数、さらには複数の使用人の部屋から応接室まで備えている普通に生活するには十分すぎる部屋なのだ。現在この部屋を僕とレナ、ザーシャ、ラーシャ、ミリィ、シャル、ナナの7人で使用している。部屋割りは一人一部屋で、僕とレナ、ミリィ、シャルが予備も含めた主人たちの寝室、ザーシャ・ラーシャとナナが子息たちのための部屋だ。なぜミリィとシャルが屋敷や王城の自室ではなく客室に泊まっているのかと言うと、僕やレナと親しく、できることならば僕と婚姻を結ぶまでになって欲しいという王国側の思惑と、当人たちの強い希望によるものである。
ただ、この客室はその性質故に王族のプライベート区画に近く警備が厳重なのである。そのため、黒竜との顔合わせをどこでどうするかを打ち合わせなければならない事態となったのだ。
「一族の者とは重要な者のみお会いになられ、私のみが側にてお仕えする、と」
「そう。現状、一度に全員に会うのは難しいし、かといって大勢を王城の部屋に招くのも難しいから。それならクロが僕のそばで黒竜とのつなぎ役をしてくれるのが最善だと思って。そのほかの黒竜たちは、重要な者たちにはできるだけ早く会うけど、それ以外の人は適宜会うってことでどうかな」
「・・・基本的にはそれで良いかと。ただ、側仕えが私一人というのは些か無理が生じます。私以外の者も数名、メイドとしてお雇い下さい」
クロは僕の提案に少し間をおいて同意した。追加でクロの奥さんとナナのお母さん、お姉さんをメイドとして雇うことにした。ナナのお母さんたちを雇うことにしたのはナナからの推薦だ。
正直、誰を雇うのかは結構悩んだ。身近に王族がいるから身元の確かな者でなければならず、また僕たちとの相性も良くなければならない。それに僕の感情的にレナたちの側仕えは女性が好ましい。まず最初にクロの推薦でクロの奥さんと面接をした。クロの奥さんは優しそうな雰囲気で、みんながイメージする田舎のおばあちゃんって感じの人だった。性格も相性も問題ないようだったので即採用した。
問題だったのはこのあとだ。人数的にあと二人は必要だ。だけどクロに何人か候補を出してもらったが、相性や性別の問題で決まらず。クロが種族全員を把握しているわけもないので、クロの奥さんにも候補をあげてもらったが、それでも決まらず。結果、ナナに誰かを推薦したいか確認したところ、ナナの母親と姉を推薦するということだったので、採用した。
実はクロの奥さんに候補をあげてもらったときにこの二人も入っていたのだが、ナナがどう思うか分からなかったから見送っていたんだ。だけど、本人が推薦したいって言うなら問題ないだろうってことで即採用したんだ。
それで、クロたちは今、使用人用の部屋を使っている。
さて、回想はここまでにして、クロが呼びに来たのでレナたちと一緒に食堂へ移動する。僕たちの泊まっている客室にも食堂はある。だけど、いつも王族のプライベート空間にある食堂で食事させてもらっている。最初の頃は僕たちの周りに世話をする人がいないから、王宮の使用人の人たちのお世話になってたんだけど、料理人が足らなくて王様や王妃から一緒に食事をしましょうと誘われて、一緒に食事をするようになったのが始まりなんだ。今はクロたちがいるんだけど神獣の方と一緒に食事できるなんて名誉なことだから迷惑でなければって今も続いてる。
そんなことで、毎日朝夕の食事は王族と一緒の場で食べている。こちらが神獣という畏怖の対象であり、最近シャルといつも一緒にいるとはいえ、相手は王族。失礼のないように気をつけているが、フランクに話しかけてくれるのでそこまで気にしなくてもいいのでは?と最近思い始めている。みんなもラーシャやザーシャは一緒の場でいただくなんて畏れ多いって遠慮してたんだけど、神獣の巫女は王族より立場が上、特に今はその神獣の共としておられるのだから同席してほしいと言われて素直に折れていた。シャルやミリィは元々王族だし、逆に話せる時間が減るって怒っていたみたいだし、レナとナナは好きにしていいよと我関せずを突き通していた。
食堂に入ると、いつもは明るい雰囲気なのに今日は部屋の空気が妙に重い。王様の表情もふだんと比べて固いように思える。そのまま各自、席に着くが誰も話し始めない。ただ静かに食器や布の擦れる音だけが響く。ほんとに何があったんだ?
結局、最後まで誰も一言も話さずに食事が終わってしまった。そして王様が意を決した表情で話し始めた。
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そう言って王様が側仕えに紙を取り出させた。その紙には女の子の姿絵と似顔絵が描いてあった。
僕はこの時どのような様子だったのだろうか。僕はこの時のことをよく覚えていない。ただ一つ確かなのは驚きと疑問と心配で他のことを考える余裕がなかったのであろうことだけだ。何せ、そこに描かれた女の子は、多少の違いもあったが他でもない妹の夏希だったのだから。
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