異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

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第二章 王都と孤児院

#38 ビフォーアフター

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 レナやラーシャたちを孤児院の人たちより一足先に案内して回って、今は考えられる問題点について話し合っている。一応、孤児院の卒業生でどんなことが起こるのかに詳しくて、孤児院の人たちから声をかけやすいであろうザーシャとラーシャに窓口兼僕が対応しなくてもいいような些事の対応を任せることにしている。最もこれを伝えた時には二人から困惑と怒りの声が出た。それは当然のことだと思うので何も言わずに受け入れる。しかし、僕の知っている信頼できる人は今はここにいるメンバーだけで、この中で一番の適任は二人であるということはしっかりと説明しておいた。もちろん強制ではないけど、できれば引き受けてほしいことも一緒に。結果、引き受けてもらえたので基本的には僕へとそのまま伝えるだけで構わないこと、二人には二人で対応できる範囲で対応してほしいこと、一番やってほしいのは僕の立てた対策の改案であることを伝えた。シャルとミリィ、ナナも手伝っていくようなので特に問題なく対応することができるだろう。基本的に実行するのは僕になるだろうし。
 さて、お話は置いておいて明日孤児院の人たちをここに連れてくるにあたって役割分担をする。と言っても、大人は僕が隅々まで説明して、子供たちについてはレナを筆頭にいつものメンバーが引率するってことぐらいだけど。実際にはそのあと公衆浴場の仕事を教えるところまでやってしまうつもりではあるが。
 これからの段取りはとりあえず明日のことが終われば、みんなが公衆浴場の仕事を覚えてプレオープンをしてから開業に持っていく。プレオープンには騎士か衛兵に来てもらえばいいだろう。街を囲む城壁のすぐそばだし訓練場からも近いので、毎日誰かしらが訓練終わりに汗を流しに来るはずだ。来なかったらその時に考えよう。


 * * * * * *


「あー、疲れたな。こんなに何かをしたのは久しぶりだったし」

「でしたら、あんなものをつくらないでください。こちらが先にまいってしまいますから」

「いや、そのね。初めて人前で自分の能力を存分に使える機会だったから、ちょっとはしゃいでしまったというか。えー、ちょっとやりすぎました。ごめん」

「ちょっとどころではないのですが・・・まあいいです。これからは気を付けてくださいね」

「わかった」

 孤児院からお城へと戻る途中でシャルと話している。やはり僕はこの世界の人としての常識を身につけた方がいいようだ。僕が厄介事に巻き込まれないためにも、みんなに被害が無いようにするためにもね。
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