異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

文字の大きさ
上 下
38 / 50
第二章 王都と孤児院

#34 ちょっと休憩

しおりを挟む
 今日は短いです。ごめんなさい。


―――*―――*―――


「さてっと。この話はちょっと置いておいて、公衆浴場はこんな感じだけど、何か設備面において質問はあるかな?」

 シャルたちとの話がひと段落したところで、僕は話を仕切りなおす。とここで、今まであまりしゃべらなかったナナが手をあげる。

「設備面というか、警備面について質問なのです。アオイさまのお話ではここは孤児院の人たち以外は雇うつもりがない、ということなのです。だけど、警備は孤児院の人たちでは厳しいと思うのです。孤児院の人に任せるつもりなのですか?」

「ああ、そこは孤児院の人たちには荷が重いと思ったから僕が作っておいたよ」

「作った、ですか?」

「なんだか、途轍もなく嫌な予感がするわ」

「はぁ・・・いろいろと今更ですね」

「そうだねー」

 ラーシャ、ザーシャ、シャル、ミリィは僕の言った言葉に警戒感を表して、レナは無言でこちらをちらっと見て再び前を見る。多分レナには僕のやったことがばれてるな・・・
 そしてナナも察したのか、あきれ顔をしている。

「別に大したことじゃないよ。ただ、人の思考を読み取ってこちらに何か害のあることを考えていたら強制排除する結界を作っただけさ」

 仕組みは意外と簡単で、まず結界の発生源となるコアを設置する。そして、結界の範囲内にオブジェクトが入るとそれを世界書庫アカシックレコードで検索する。その結果を元に警戒度をランク付けして、それが一定以上だった場合は結界外に転移させる。これを繰り返すことでセキュリティーとして作動させているのだ。
 さらに、みんなには言わないが、これで対応できなかった場合に備えて極めて人間に近い見た目、というより人間と見分けがつかないオートマタ(ゴーレムと似たようなもの)を導入してある。
 ちなみにここで言うコアとはファンタジーでよく出てくるダンジョンコアの上位互換の存在で、ある意味ではここはダンジョンとなったとも言えるだろう。オートマタも結界内ならコアがある限り動き続けられるし。
 ダンジョンと違うのはオートマタを倒しても何も得られないどころか、コアがある限り無限に再生するということだろうか。

「・・・露天風呂の結界にしては魔力の感じられる範囲が大きいと思ってたのです。その時点で察しておくべきだったのです」

 ナナは竜なので微細な魔力の変化まで感じられるが、その魔力が何なのかを読み解くことは苦手なようだ。その点、レナは僕よりも魔力を感じる力や読み解く力が強いので僕のやったことはすぐにばれていたのだろう。

「さて、まだなにか質問はあるかな?」

「いえ、とりあえず、もう結構です」

 みんなして―――人間組はともかく、リュウ・・・組も疲れた顔をしてこちらを見ていたので、今日のところはこれぐらいにしてお城に戻ることにした。


―――*―――*―――


 次回は時間がかかりそうです。更新が途切れるかも知れないですが、どうか気長にお待ち下さい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

7人のメイド物語

モモん
ファンタジー
理不尽な人生と不自由さ…… そんな物語を描いてみたいなと思います。 そこに、スーパーメイドが絡んで……ドタバタ喜劇になるかもしれません。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...