異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

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第二章 王都と孤児院

#34 ちょっと休憩

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 今日は短いです。ごめんなさい。


―――*―――*―――


「さてっと。この話はちょっと置いておいて、公衆浴場はこんな感じだけど、何か設備面において質問はあるかな?」

 シャルたちとの話がひと段落したところで、僕は話を仕切りなおす。とここで、今まであまりしゃべらなかったナナが手をあげる。

「設備面というか、警備面について質問なのです。アオイさまのお話ではここは孤児院の人たち以外は雇うつもりがない、ということなのです。だけど、警備は孤児院の人たちでは厳しいと思うのです。孤児院の人に任せるつもりなのですか?」

「ああ、そこは孤児院の人たちには荷が重いと思ったから僕が作っておいたよ」

「作った、ですか?」

「なんだか、途轍もなく嫌な予感がするわ」

「はぁ・・・いろいろと今更ですね」

「そうだねー」

 ラーシャ、ザーシャ、シャル、ミリィは僕の言った言葉に警戒感を表して、レナは無言でこちらをちらっと見て再び前を見る。多分レナには僕のやったことがばれてるな・・・
 そしてナナも察したのか、あきれ顔をしている。

「別に大したことじゃないよ。ただ、人の思考を読み取ってこちらに何か害のあることを考えていたら強制排除する結界を作っただけさ」

 仕組みは意外と簡単で、まず結界の発生源となるコアを設置する。そして、結界の範囲内にオブジェクトが入るとそれを世界書庫アカシックレコードで検索する。その結果を元に警戒度をランク付けして、それが一定以上だった場合は結界外に転移させる。これを繰り返すことでセキュリティーとして作動させているのだ。
 さらに、みんなには言わないが、これで対応できなかった場合に備えて極めて人間に近い見た目、というより人間と見分けがつかないオートマタ(ゴーレムと似たようなもの)を導入してある。
 ちなみにここで言うコアとはファンタジーでよく出てくるダンジョンコアの上位互換の存在で、ある意味ではここはダンジョンとなったとも言えるだろう。オートマタも結界内ならコアがある限り動き続けられるし。
 ダンジョンと違うのはオートマタを倒しても何も得られないどころか、コアがある限り無限に再生するということだろうか。

「・・・露天風呂の結界にしては魔力の感じられる範囲が大きいと思ってたのです。その時点で察しておくべきだったのです」

 ナナは竜なので微細な魔力の変化まで感じられるが、その魔力が何なのかを読み解くことは苦手なようだ。その点、レナは僕よりも魔力を感じる力や読み解く力が強いので僕のやったことはすぐにばれていたのだろう。

「さて、まだなにか質問はあるかな?」

「いえ、とりあえず、もう結構です」

 みんなして―――人間組はともかく、リュウ・・・組も疲れた顔をしてこちらを見ていたので、今日のところはこれぐらいにしてお城に戻ることにした。


―――*―――*―――


 次回は時間がかかりそうです。更新が途切れるかも知れないですが、どうか気長にお待ち下さい。
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