異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

文字の大きさ
上 下
35 / 50
第二章 王都と孤児院

#31 改築開始

しおりを挟む
 今回から不定期更新になります。

―――*―――*―――

「それじゃ、始めますか!」

 次の日の早朝、僕はナナも含めた6人と一緒に孤児院の前に立っていた。ただ昨日とは違い、周囲を数十人の騎士が囲んでおり物々しい雰囲気となっている。何でこんなことになってしまったのかというと、昨日の襲撃と護衛が全く役になっていなかったことを鑑みて護衛が騎士団から近衛騎士団に変更のうえ大幅に増員されたのだ。さらに、見えてはいないが陰から裏と呼ばれる者たちが気配を探っており昨日のように暗殺者や諜報員が近づくことがないようにしている。もちろん僕にはどこにいるのか筒抜けだったりするが。ちなみに、これは昨夜のうちに近衛騎士団長と国王、宰相が僕らの泊っている部屋に来て申し出てきたことだ。それを僕が了承したので早速今日からこんな状態になっている。
 さて、話を戻して孤児院の改築について話していこう。僕の計画では今日から一週間でこの孤児院全体の改築を終わらせることになっている。初日の今日は現在の孤児院の建物の取り壊し、敷地の整理、教会の移設・増築、明日建てる建物の基礎工事を済ませてしまうつもりである。まあ、時間が余ればこの先の建物本体の建築まで進めておきたいが、あまりにキツキツの予定を立てて遅らせていくようでは計画を立てる意味がない。このくらいの予定で早回しでいく位の方が余裕も感じられて僕的にはいいのである。

「誰も敷地内にいないよね?」

「孤児院のみんなは昨日のうちに宿に全員退避済みです」

「近衛騎士団も敷地外で待機してるよー」

「私の探知にも人は引っかからないよ」

 作業を開始する前に最後の確認として現在の状況を確認しておいてもらった。それを基に僕に報告してもらう。レナは音や空気、魔力の探知から人の状況が僕よりも正確にわかるので作業中そっちの方の管理をすべて任せることにしている。

「じゃあ、建物に近づかないように徹底させておいて。これから建物を一回仕舞うから」

 そう告げると僕は時空魔法でもともとあった建物2つを亜空間に収納する。この時のイメージ次第で生物ごと収納できたりできなかったりするのだが今回は非生物のみで収納した。こうすれば、建物に住み着いていた虫やネズミなど、さらにはカビなどの細菌まで追い出せるのだ。これで現在の孤児院の建物の取り壊しと、教会の移設の準備は完了である。そして、何もなくなった敷地を火魔法で焼いて土魔法で土地を水平にならす。そして、敷地全体を下部がコンクリート、上部が鉄製の柵で囲えば、敷地の整理も完了である。実にここまで5分もかかっていない。まあ、コンクリートがこんなに早く硬化するはずがないのでそこは時空魔法で時間経過を早めている。

「なんというか、すごすぎて言葉が出てきません。これが神獣さまのお力ですか・・・」

「シャル、勘違いしないで。こんなことできるのはお兄ちゃんだけだから。私にこんなこと頼まれても一切できないから」

 後ろでレナから異常者?扱いされているような気がするが、それはおいておいて僕は基礎工事に着手する。基礎は土魔法で基礎をつくるための穴と土台をつくりその上にコンクリートを敷設して作成する。今回、地面からそう深くないところにしっかりとした岩盤があるのでその岩盤から基礎までの間を岩に変化させて岩盤の上に直接建物が建っている状態する。そして、コンクリートが硬化してからその上に教会の建物を配置する。基礎は増築する分も含めて築いてあるので現時点ではコンクリートの広場にポツンと教会が建っている状態である。教会の建物は補修なんかも何もせずに配置したので真新しいコンクリートにぼろぼろになった建物という何ともちぐはぐな感じになってしまっているので、建物自体の時間を建てた当時に時空魔法で巻き戻す。これで新しいコンクリートの基礎の上に新築の教会が建っている状態になった。
 ここからの作業は同じことの繰り返しになるので簡単に説明だけすると、まず最初に孤児院の建物は鉄筋鉄骨コンクリート造で作る予定なので先ほど建物を収納した空間でいくつかのパーツに分けてあらかじめ用意しておく。そして、それらを設置する場所に取り出して組み立てる。つなぎ目は鉄骨どうしをつなぎ合わせた後、鉄筋を張ってコンクリートを流し込んで硬化させる。そうすればあっという間に建物の躯体は完成である。あとは内装をつくるだけだ。
 今回建てたのは孤児院本体の三階建て相当の建物とそれに付随した大きな三階建ての建物、そして教会の増築部である。これで敷地の3分の2が建物で埋まった。とはいっても屋上があるので子供たちが遊びまわれる広さは十分に確保しているつもりだ。孤児院本体の建物とそれに付随した大きな二階建ての建物はまだコンクリートむき出しの状態だが、教会の方は外装はもともとあった教会に似せた感じにした。ここまで終わらせても、それでも時間が余ったので内装まで終わらせて、ついでに勝手に神像まで追加しておいた。もともとあったのはなんだかよくわからない像だったので神界であった神様の姿にしておいた。もちろん作る時に神様の許可も取ったし、完成させるとなんだか神気を感じられる像になった。おそらく何か加護でもこの像に宿ったんだと思う。
 と、ここまでするとさすがに日も暮れてきたのでここの警備にあたる人だけ残ってみんなで城に戻った。ちなみにみんなは教会の中でお茶女子会していたらしい。『なんか付き合わせちゃったみたいで悪いなぁ』って思ってたら、『私たちが勝手についてきてるので気にしなくていいですよ』って口をそろえて言われた。そんなに分かりやすく顔に出ているのか。気を付けているんだけどなぁ。なかなか改善には程遠いようだ。


―――*―――*―――


 次回は、来週・・・にできたらいいなぁ・・・
 無理だったら再来週に投稿します。
 基本的に日曜日の15時に投稿するつもりです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

7人のメイド物語

モモん
ファンタジー
理不尽な人生と不自由さ…… そんな物語を描いてみたいなと思います。 そこに、スーパーメイドが絡んで……ドタバタ喜劇になるかもしれません。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...