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第二章 王都と孤児院
#24 対面直前
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説明ばっかりに・・・申し訳ない
―――*―――*―――
あれから僕らはこの城で最も格式の高いとされている応接室へと通された。少なくともこの国は僕と敵対するつもりはないようである。とはいえ、警戒を緩めるつもりはこれっぽちもないが。
ああ、シャルたちを襲わせた犯人はもうすでに判明している。というか、MWOS下、世界書庫において神でもない限り秘密は成り立たない。すべてを記録しているのだから、どんな完全犯罪を成そうとその犯人を割り出すことは簡単にできる。まあ、犯人が分かったところで司法における証拠をそろえるのが難しいのでそうそう活用することはないだろう。できてせいぜい裏で私刑に処すぐらいである。まあ、冤罪の確率は0パーセントを誇ることになるだろうが。それと、神でもない限りというのは過去に改ざんされていたからだ。数年前までに不正アクセスおよびデータの改ざんが複数回行われた痕跡があり、時間が経ちすぎて犯人の特定、データの復元はできない状態だった。なので、それが見つかった時点でMWOS以下のすべてのシステムを外部回線から切り離している。今回のことも僕のWOS経由の内部回線で通信を行った。ちなみに、今回の措置で創造神さまとも連絡が取れなくなっているのは秘密だ。
と、話がそれた。今回シャル達を襲わせた犯人はゴーベック侯爵という人物で、まあ、簡単に言えば反逆者だ。ラノベなんかでよく聞く話だがこの国には国王派、中立派、貴族派、政治には関与しないとか言っている教会派の四つの派閥が存在する。例によって各派閥はとても仲が悪い。よくこんな状態で国としてまとまっていられたな、っと思えるほどだ。それに、僕はこの世界の教会を神をあがめる教会として認めない。なぜか。この世界の教会は堕落しきっているからだ。洗礼をするにも、治癒魔法をかけるにも、何をするにもお金、お金、お金。その結果貧しい人たちがサービスを受けられず、怪我などで働けなくなりさらに貧乏になるという悪循環。教会の中でも下級神官は慎ましく暮らしているのに上級神官は贅を尽くした暮らしをし、さらに私腹を肥やす。本来贅沢は教義で禁じられているはずなのだが・・・もはや政治参加しないという言葉もただの口先だけの存在に成り果てつつある。
とまあ、教会批判はこの辺にしておこう。そんなこともあって今回国王と対面するにあたって国王と主要大臣以外の人物はあまり信用ならないのだ。さらに言えば国王周辺が信用できるのも今回シャルたちを救ったからであり、これから先どうなるのかはわからないのが本音である。
「皆様、準備が整いましたので謁見の間までご案内いたします」
やがて、メイドが僕らを呼びに来た。なぜか彼女が僕を見てひどく驚いていたが、どういうことなのだろうか。
「性別が女から男に変ったからよ。部屋の中で自分で戻してたでしょうに・・・」
「あっ、そうだった。みんな何も言わないからすっかり忘れてたよ」
疑問が顔に出ていたのか、ザーシャが答えてくれる。その後も小声で雑談しながらメイドについていく。案内されて着いたのはこの城の中でも一番豪華な扉の前。そして、ゆっくりとその扉が開かれる。
さて、後の世でブルーラーク王国神代改革の始まりと呼ばれる対談の始まりである。
―――*―――*―――
※この中に出てきた神官としての役職、およびその名、宗教はフィクションです。実際に存在しているものではありません。また、ここに出てきた宗教価値観はあくまで物語の中の物です。これは犯罪を促す、また容認するものではありません。
―――*―――*―――
あれから僕らはこの城で最も格式の高いとされている応接室へと通された。少なくともこの国は僕と敵対するつもりはないようである。とはいえ、警戒を緩めるつもりはこれっぽちもないが。
ああ、シャルたちを襲わせた犯人はもうすでに判明している。というか、MWOS下、世界書庫において神でもない限り秘密は成り立たない。すべてを記録しているのだから、どんな完全犯罪を成そうとその犯人を割り出すことは簡単にできる。まあ、犯人が分かったところで司法における証拠をそろえるのが難しいのでそうそう活用することはないだろう。できてせいぜい裏で私刑に処すぐらいである。まあ、冤罪の確率は0パーセントを誇ることになるだろうが。それと、神でもない限りというのは過去に改ざんされていたからだ。数年前までに不正アクセスおよびデータの改ざんが複数回行われた痕跡があり、時間が経ちすぎて犯人の特定、データの復元はできない状態だった。なので、それが見つかった時点でMWOS以下のすべてのシステムを外部回線から切り離している。今回のことも僕のWOS経由の内部回線で通信を行った。ちなみに、今回の措置で創造神さまとも連絡が取れなくなっているのは秘密だ。
と、話がそれた。今回シャル達を襲わせた犯人はゴーベック侯爵という人物で、まあ、簡単に言えば反逆者だ。ラノベなんかでよく聞く話だがこの国には国王派、中立派、貴族派、政治には関与しないとか言っている教会派の四つの派閥が存在する。例によって各派閥はとても仲が悪い。よくこんな状態で国としてまとまっていられたな、っと思えるほどだ。それに、僕はこの世界の教会を神をあがめる教会として認めない。なぜか。この世界の教会は堕落しきっているからだ。洗礼をするにも、治癒魔法をかけるにも、何をするにもお金、お金、お金。その結果貧しい人たちがサービスを受けられず、怪我などで働けなくなりさらに貧乏になるという悪循環。教会の中でも下級神官は慎ましく暮らしているのに上級神官は贅を尽くした暮らしをし、さらに私腹を肥やす。本来贅沢は教義で禁じられているはずなのだが・・・もはや政治参加しないという言葉もただの口先だけの存在に成り果てつつある。
とまあ、教会批判はこの辺にしておこう。そんなこともあって今回国王と対面するにあたって国王と主要大臣以外の人物はあまり信用ならないのだ。さらに言えば国王周辺が信用できるのも今回シャルたちを救ったからであり、これから先どうなるのかはわからないのが本音である。
「皆様、準備が整いましたので謁見の間までご案内いたします」
やがて、メイドが僕らを呼びに来た。なぜか彼女が僕を見てひどく驚いていたが、どういうことなのだろうか。
「性別が女から男に変ったからよ。部屋の中で自分で戻してたでしょうに・・・」
「あっ、そうだった。みんな何も言わないからすっかり忘れてたよ」
疑問が顔に出ていたのか、ザーシャが答えてくれる。その後も小声で雑談しながらメイドについていく。案内されて着いたのはこの城の中でも一番豪華な扉の前。そして、ゆっくりとその扉が開かれる。
さて、後の世でブルーラーク王国神代改革の始まりと呼ばれる対談の始まりである。
―――*―――*―――
※この中に出てきた神官としての役職、およびその名、宗教はフィクションです。実際に存在しているものではありません。また、ここに出てきた宗教価値観はあくまで物語の中の物です。これは犯罪を促す、また容認するものではありません。
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