異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

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第一章 ネウイの町

#11 葵、無双?

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「やってきたようだね」

 あれからすぐに移動を開始し、徒歩で1時間ほど歩いた場所にある平原に来た。すでにほぼ全員が集まっており、みな緊迫した面持ちでこれから起こるであろう戦闘に備えていた。そして今、彼らの行軍で出来上がる砂埃が見えたのだ。当然、冒険者たちの緊張はピークを迎える。

「そうね。ただ、こんなところにいていいの?」

 ザーシャがこういうのには理由がある。今僕らは冒険者たちのいる場所から500mほど前にいるのだ。当然、今回の指揮者には許可をとっている。

「問題ない、というか周りに人がいる方が問題ある」

 絶対に巻き込んで戦線崩壊、防衛計画もおじゃんだからな。
 今からやろうとしているのはここら一体から魔力を奪おうというものだ。だが、これは言葉では単純ながら実際に実行するのは複雑で、まず範囲設定の問題がある。下手に広く設定すると関係ない人たちにまで効果が及んでしまう。だが、狭すぎても十分に効果を発揮せず本末転倒となってしまう。次に吸収した魔力の行先の問題がある。ふつう生物はほかの者の持つ魔力を操ったり、消費したりすることはできない。これは生物の魔力には魔力紋と呼ばれるものがあり、使用時や体内での貯蓄時は必ずこの魔力紋が現れるという特徴がある。これは種族によってある程度決まっていて細部が個体によって変わるのだが、この魔力紋が付いた魔力はそれと同じ文様を持つものしか扱えないという特性がある。ゆえにこの現象が起こるのだ。では、どうやって僕がこの問題をクリアしたのかというとその魔力紋を上書きしているのだ。これは圧倒的な魔力の操作能力と影響力があるから実現できるもので本来は無理である。

「さて、三人とも僕から離れないでね」

 僕はそう告げて僕を中心に半径一メートルを範囲から除外する。

「それじゃあ、【魔力収奪マナシッパーレ】」

 突然だが、魔物とは何だろうか?場所ものがたりによって生物的側面で動物とは異なるものだったり、単に魔力を持ったものだったりするが、この世界で魔物とは魔石を持つものである。この世界の魔物は魔石を持ち生命維持活動に魔力を使っている。ゆえに魔物は魔力がなくなると生命を維持できなくなり死に至る。人や他の動物なども一部代謝に魔力を使っているが魔力がなくなった程度で死ぬことはない。では今回魔力を奪った魔物たちはどうなったのかというと、最初はこちらに勢いよく向かってきていたものの魔力が枯渇状態なるとその勢いを失い倒れこむ。魔力を奪うスピードはどの魔物に対しても同じなので必然的に魔力量の少ない弱い魔物から倒れていく。比較的強い魔物も集団の先頭にいたのが倒れて行軍速度が落ち、魔力を奪われ倒れていく。最終的にこの範囲を抜けられたのはAランクの5体だけであった。
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