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第一章 ネウイの町
#9 種族と魔法理論
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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
―――*―――*―――
あれから僕は自身に鑑定魔法をかけてみた。そしたら種族が古龍になっていた。レナに関しても鑑定をしたら種族が人間から古龍(人化)に変わっていた。いつの間にやらレナにも、スキン:エンシェントドラゴン(雌)が付与されていた。これも、ラーシャとザーシャには秘密だな。魔法関連で秘密が増えすぎでしょ。特にさっきの11の魔法の玉とか。
そういえばしていなかったので、闇魔法について少し説明しようと思う。闇は聖と対になる属性で、聖属性が治療・浄化・バフであったのに対して、闇属性は呪い・デバフ・矛盾を引き起こす。矛盾というのは事実・理を捻じ曲げる力だ。例えば火属性で攻撃されたとしよう。そうすると、これまでの理論では土属性か水属性で受けるか避けるしかできなかったが、この闇属性では攻撃は存在しなかったという風に事実を捻じ曲げ、魔法そのものを消し去ってしまうのだ。これは世界の管理権限で消すのと似ている。だからこそ、僕はこの闇という属性に気が付いたのだが。言うならば他の属性とこの闇属性は有と無の関係と言える。他の属性はそれが在るというのが根底にあるが、闇の根底は存在しないということである。さっきの矛盾は無いという状態があるから生まれる。呪いだけは特殊で一部当てはまらないがそれでもその一部を除けば呪いもデバフも無というものに違いない。ただ、どんなものにもこの属性の恐ろしいところは闇にのまれた人間、魔人を生み出してしまう可能性があることだ。逆に才能のある人間が今の段階では数えるほどしかいないというのは良かった点なのかもしれない。
話を戻す。闇属性を見つけてしまった僕はあの後、レナに使えるかどうかを確認して(使えるようになった)、帰ってきたザーシャも合わせた4人で相談をした。そして、闇属性は公表をしないことに決めた。これは使い方によっては危険すぎるし、犯罪を犯す人も多い中で発表しては、逆に世界のためにならないと判断したからだ。
そう言えば、前回の説明で工学魔法の玉とはなんだと思った人がいるかもしれない。まず初めに工学とはモノを作ることに特化した魔法分野である。これは比較的少ない魔力で扱うことができ、攻撃や治癒に魔法が使えない人も精密に扱うことができるので多くの工学魔法を用いた職人がいる。また、この工学魔法には付与魔法や掘削魔法、鑑定魔法なども含まれているので商人や大工など幅広い分野で、活躍する人がいるのもこの魔法の特徴かもしれない。
そんな工学魔法の玉とは簡単に言えば変える力に変換した魔力の集まりである。この場合の“変える力”とは物質の姿形を変える力である。例えば“モデリング”という魔法がある。この魔法は物質(非生物に限る)に対して魔力を通して術者がイメージした通りの形へと変形させる魔法である。この魔法を用いればそれぞれの物質(非生物に限る)に対して与えられた抵抗値×変化量分だけ魔力を消費して形を変えることができる。非生物に限るとは金属などしか加工できず、動物や植物などには干渉できないということを表している。なのでこれは木や牙、骨などは加工することができない。なので“シェービング”というそれらを加工する魔法も存在する。ただ、この魔法でも生きたままの状態での加工はできない。これはある意味、神が設けた生命への冒涜を阻止するための措置なのかもしれない。他にも魔法には人知を超えた神からの干渉とも見れることが多くある。だが、これ以上文章を長くするのもあれなので説明する機会が来たらその時に解説したいと思う。
ああ、魔力を消費せずに魔法を使用できた理由を説明するのを忘れていた。これはその人がどれだけ魔力への影響力を持っているのかによって魔法の発動しやすさが変わり、それが一定値を超えるとと自らの魔力を使わずにも魔法が使えるようだ。あの時は分からなかったが、今ならばわかる。そもそも、冒険者ギルドにあった水晶は魔力量を測定するものではない、ということが。あれは、この魔力への影響力を測っているのであって、魔力量は測定できない。だから、魔力量にかかわらず光る量が一定だったんだ。魔力へ影響力は多少の個人差があっても種族内でそこまで変わることはない。基本的にはあるか、ないかである。そこに僕とレナという種族が違う、影響力の大きいものが来たからあのおかしな反応をしたものと思われる。これは対策を立てないと変な所で変な疑惑を持たれたり、秘密が露呈してしまうかもしれないな。
―――*―――*―――
修正履歴
2021/10/18
「できるので」が重なってしまっているのを修正
旧:これは比較的少ない魔力で扱うことができるので攻撃や治癒に魔法が使えない人も精密に扱うことができるので多くの工学魔法を用いた職人がいる。
新:これは比較的少ない魔力で扱うことができ、攻撃や治癒に魔法が使えない人も精密に扱うことができるので多くの工学魔法を用いた職人がいる。
―――*―――*―――
あれから僕は自身に鑑定魔法をかけてみた。そしたら種族が古龍になっていた。レナに関しても鑑定をしたら種族が人間から古龍(人化)に変わっていた。いつの間にやらレナにも、スキン:エンシェントドラゴン(雌)が付与されていた。これも、ラーシャとザーシャには秘密だな。魔法関連で秘密が増えすぎでしょ。特にさっきの11の魔法の玉とか。
そういえばしていなかったので、闇魔法について少し説明しようと思う。闇は聖と対になる属性で、聖属性が治療・浄化・バフであったのに対して、闇属性は呪い・デバフ・矛盾を引き起こす。矛盾というのは事実・理を捻じ曲げる力だ。例えば火属性で攻撃されたとしよう。そうすると、これまでの理論では土属性か水属性で受けるか避けるしかできなかったが、この闇属性では攻撃は存在しなかったという風に事実を捻じ曲げ、魔法そのものを消し去ってしまうのだ。これは世界の管理権限で消すのと似ている。だからこそ、僕はこの闇という属性に気が付いたのだが。言うならば他の属性とこの闇属性は有と無の関係と言える。他の属性はそれが在るというのが根底にあるが、闇の根底は存在しないということである。さっきの矛盾は無いという状態があるから生まれる。呪いだけは特殊で一部当てはまらないがそれでもその一部を除けば呪いもデバフも無というものに違いない。ただ、どんなものにもこの属性の恐ろしいところは闇にのまれた人間、魔人を生み出してしまう可能性があることだ。逆に才能のある人間が今の段階では数えるほどしかいないというのは良かった点なのかもしれない。
話を戻す。闇属性を見つけてしまった僕はあの後、レナに使えるかどうかを確認して(使えるようになった)、帰ってきたザーシャも合わせた4人で相談をした。そして、闇属性は公表をしないことに決めた。これは使い方によっては危険すぎるし、犯罪を犯す人も多い中で発表しては、逆に世界のためにならないと判断したからだ。
そう言えば、前回の説明で工学魔法の玉とはなんだと思った人がいるかもしれない。まず初めに工学とはモノを作ることに特化した魔法分野である。これは比較的少ない魔力で扱うことができ、攻撃や治癒に魔法が使えない人も精密に扱うことができるので多くの工学魔法を用いた職人がいる。また、この工学魔法には付与魔法や掘削魔法、鑑定魔法なども含まれているので商人や大工など幅広い分野で、活躍する人がいるのもこの魔法の特徴かもしれない。
そんな工学魔法の玉とは簡単に言えば変える力に変換した魔力の集まりである。この場合の“変える力”とは物質の姿形を変える力である。例えば“モデリング”という魔法がある。この魔法は物質(非生物に限る)に対して魔力を通して術者がイメージした通りの形へと変形させる魔法である。この魔法を用いればそれぞれの物質(非生物に限る)に対して与えられた抵抗値×変化量分だけ魔力を消費して形を変えることができる。非生物に限るとは金属などしか加工できず、動物や植物などには干渉できないということを表している。なのでこれは木や牙、骨などは加工することができない。なので“シェービング”というそれらを加工する魔法も存在する。ただ、この魔法でも生きたままの状態での加工はできない。これはある意味、神が設けた生命への冒涜を阻止するための措置なのかもしれない。他にも魔法には人知を超えた神からの干渉とも見れることが多くある。だが、これ以上文章を長くするのもあれなので説明する機会が来たらその時に解説したいと思う。
ああ、魔力を消費せずに魔法を使用できた理由を説明するのを忘れていた。これはその人がどれだけ魔力への影響力を持っているのかによって魔法の発動しやすさが変わり、それが一定値を超えるとと自らの魔力を使わずにも魔法が使えるようだ。あの時は分からなかったが、今ならばわかる。そもそも、冒険者ギルドにあった水晶は魔力量を測定するものではない、ということが。あれは、この魔力への影響力を測っているのであって、魔力量は測定できない。だから、魔力量にかかわらず光る量が一定だったんだ。魔力へ影響力は多少の個人差があっても種族内でそこまで変わることはない。基本的にはあるか、ないかである。そこに僕とレナという種族が違う、影響力の大きいものが来たからあのおかしな反応をしたものと思われる。これは対策を立てないと変な所で変な疑惑を持たれたり、秘密が露呈してしまうかもしれないな。
―――*―――*―――
修正履歴
2021/10/18
「できるので」が重なってしまっているのを修正
旧:これは比較的少ない魔力で扱うことができるので攻撃や治癒に魔法が使えない人も精密に扱うことができるので多くの工学魔法を用いた職人がいる。
新:これは比較的少ない魔力で扱うことができ、攻撃や治癒に魔法が使えない人も精密に扱うことができるので多くの工学魔法を用いた職人がいる。
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