異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

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第一章 ネウイの町

#6 悪人退治

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あれから僕たちはカフェをでて冒険者ギルドへ向かっていた。

「おいてめぇら!さっきは部下が世話になったようだな!」

ギルドの入口まで来たときに前に先ほどの男たちを伴って、十数人の男たちがやってきた。ほら、やっぱり来たよ。さっきいかにも下っ端って感じだったからこうなるとは思ってたんだけどさぁ。昔からこういう予感は外れないんだよなぁ。後ろではレナたちが迷惑そうにしている。

「一応聞くが、君ら誰?」

「そこの嬢ちゃんたちに金貸してたのは俺たちだ。金回収するはずだったのに、それを横からお前らが入ってきて邪魔したようだな!」

「ああ、ありゃお前らが悪い。法で禁止されているはずなのに形にわいせつな行為を求めてんだから、文句ある?」

「ああ、あるさ!てめぇのせいでお頭に怒られっちまうだろうが」

こいつ、バカだな。今自分で借金の形にそういう行為を求めたことを暗に認めたぞ。いや、認めてはないがこれで論破することが確実にできる。

「そんなことしらないがな。君らが勝手にしたんだろうが」

「そんなことどうでもいいわ!お前らやっちまえ!」

そうリーダーとおぼしき奴が言うと、後ろにいた奴らが僕たちに襲いかかってきた。
しかしそれは技術などなく、力任せに武器やこぶしをふるっている、あまりにもつたないものであった。

「じゃあ、宣言通り容赦なく叩き潰してあげようか」

視認できない速さで近づき、一番近かった男の意識を手刀で狩る。

「まず一人」

その横にいた男を真上に蹴り上げる。そいつは空中で体勢を整えようとしたものの、できずに地面にたたきつけられて意識を失う。

「二人」

二人目が空飛んでる間に蹴り上げた足を横に払い、男を二人、建物の外壁へたたきつける。もちろん、建物へ被害が出ないように調整はしてある。骨折ぐらいはしてるかもしれないが。

「三人、四人」

その体勢から勢いをつけて腹へこぶしを突き出す。腹パンを食らった相手はその場でうずくまり、動けなくなる。

「これで五人」

ここまでの時間10秒かかってない。

「お前、何者だ!?」

「別に何者でもないさ。あえて何者かといえば、ただの妹を守りたい兄っていうのが一番しっくりくるかもしれないかな」

そんなことをしゃべりながら僕は上へ飛び上がり、着地ざまに下から蹴りをいれる。見事に股間へあたり、そいつは上へ吹き飛びながら痛みに悶絶することになる。

「六人」

ここで、パンチをかまそうと腕を伸ばしながらやってくる奴がいたので腕をつかみ一本背負いをしてやる。このままでは気絶しそうにないので投げる途中で手を放して首から落ちるようにしてやった。打ち所が悪いと死ぬ可能性があるがそうならないようには調整してあるので心配はない。

「七人」

あまりの速さで無力化したために理解が追い付かず周りで呆けた状態になっていた三人を真ん中の一人へ飛び膝蹴りを食らわせ、両隣へ後ろから一撃して気絶させる。

「八人、九人、十人」

【ファイアーランス】

リーダーの前にいた(僕は初期位置からリーダーを挟んで反対側に来たので最初は僕から一番遠かった)男が魔法を使う。

「こんにゃろ」

それは僕ではなくレナの方へ向かっていく。僕はすれ違いざまにそいつを叩き落としながら炎の槍へ右手を差し出す。

deleteデリート

僕の入力したコマンドによって世界が作り変えられる。目の前に迫っていた炎の槍は一瞬にして世界からその存在を消される。これまでこんな力を使った事は無い。だが、僕にはこれの使い方が手に取るように分かった。これは世界に干渉して無理やり変えてしまう。今回は魔法だったがこれは非生物だろうと生物だろうと、たとえ理であろうとも変えることができてしまう。今回は使ってしまったがこれからは使うことのないようにしていきたいな。

「十一人、あとはお前だけだな」

「ヒッ」

「お仲間がこんな目にあったんだ。お前だけ無事でいられるなんて思ってないよな?」

僕は自分の中で煮えかえる怒りを抑えながらリーダー格の男を見下げる。

「もうこれ以上、僕たちにかかわんなよ」

そういうとそいつは気を失ってしまった。

「さて・・・と。じゃあ、行こうか?」

僕が後ろにいる三人へ問いかけると三人とも呆然としているのだった。

▼△▼△▼△幕間▼△▼△▼△

 私の名前はレナ。元はこの世界の管理者だったんだ。今は当代の世界の管理者であるアオイお兄ちゃんの妹として生活してます。昔話はまたの機会にするとして、今さっきお兄ちゃんが屈強そうな男たちを瞬殺しちゃいました。しかも魔法や管理者としての能力なしで。まあ、魔法の無力化だけは管理者の能力で消してたけど、普通はあり得ないよね。たった一人で十人以上の相手をしかも瞬殺してしまうなんて。しかも、お兄ちゃんは知らなかったかもしれないけど彼らはこの町では相当強い部類に入るんだからね。それをさくっと倒して、「じゃあ、行こうか?」って。呆然としない方が無理だよ。特に最後の言葉、私たちに向いてなかったけど、それでも肝が冷えるような冷たい声だった。正面からその声と殺気を浴びたあの男は相当だったと思う。それでも、殺気に耐えられてたのはあの男が強者であった証拠なのかもしれない。
 隣を見ればザーシャちゃんとラーシャちゃんが同じような表情をしている。流石双子だと思うけど、たぶん私も同じような顔をしているんだと思う。これまでの言動で非常識な人だとは思ってたけど、ここまで異常だとは思ってなかった。しかも、なんであんなに怒ったの?って聞いたら、平然と「妹に卑猥なことをしようとしたり、変な事に巻き込もうとしたからだけど」だって!今日義兄妹になったばかりだけど、もうすでにシスコンになってない!?まあ、私もそういうお兄ちゃんのことを頼もしく思って好きになってしまってるからお互い様なのかもしれないけど。願わくば、こんな生活が長く続きますように・・・


レナのこの願いはある意味でかなえられないのだが、これはまだ先のお話。
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