異世界如何様(チート)冒険記 ~地球で平凡だった僕が神の記憶を思い出して世界を元に戻すまで~

Condor Ukiha

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第一章 ネウイの町

#2 世界の管理者となる

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「さて、どうしたもんかな」

異世界へ来た僕はとりあえず神様に言われた通り持ち物の確認からすることにした。今ここにあるのは制服のポケットに入っていたスマホと鞄、あと右腕につけた腕時計だけである。とりあえずスマホを見る。時間はあっているのだろうか?太陽の位置からしてそこまでずれてはいないと思わるが、ここが地球と同じ時間で動いているとは限らないしな。そんなことを考えていたらメールが届いた。差出人は神様だ。こっちについたら干渉できないって言ってたような気がするけどいいのだろうか。

――――――――――――
from 神様
to  新名 葵
 無題
 無事についたようじゃの。言った通り君が持っていた電気で動くものは魔道具化してあるから扱いに注意しておくれ。あと、葵君の体をいじっておったら間違えて神気を与えてしまったようじゃからわしの眷属にしておいたわい。別にこれと言って義務があるわけではないのでな。しいて言えばいつか神にならねばならないぐらいじゃが、別に気にすることはないじゃろう。あとは、君が持っておる物すべて神器になっておるから無くさんようにな。たまに見守っておるから、相談事があればいつでも連絡しておくれ。君のその世界での人生は始まったばかりじゃ。異世界ライフをめいっぱい楽しんどくれ。応援しとるぞ。

P.S.
言語や時間、マップはその世界対応になっておるし、常時、どこにいてもネットにつながった状態になるはずじゃ。地球のこともその世界のことも調べられるようにしておいたが、不具合や不満があれば連絡しておくれ。あと、わしのことを話したくなったら祖父とでも言っておいてくれ。よろしく頼んだ。

――――――――――――

 うん、神様っておっちょこちょいなのかな。え、なに。僕、神様になるの?ただの高校生だったのに?すげー先が思いやられるんだけど。
 ん?また神様からメールだ。

――――――――――――
from 神様
to  新名 葵
 無題
 すまんのう、まだ伝えねばならん事があったわい。作りなおいた葵君の体じゃが、両性とでも言えば良いかの。どちらにでもなれるようにしてしまったんじゃ。意識しなければ性別は変わらんと思うがの。ちなみに葵君の意識に引っ張られて普段は男性じゃと思うが、ふとした瞬間に女性になってしまう可能性もあるのでな、気を付けるようにしとくれ。

――――――――――――

 はぁ!?性別が変わる!?それもう人間じゃないでしょ。ってそうか、神になるんだっけ。いや、それにしてもこれはどうなの?
 とりあえず鞄の中から姿見(自分の部屋に置いてあった)を取り出して自分の姿を見てみる。ふむ、地球にいた時とは姿がだいぶ違うな。年齢はそれほど変わらないと思うが、だいぶ美形になったし中性的な顔つきになったと思う。それでも顔を見ただけで男であると分かるとは思うが。女性になったらどうなるんだろう?どうしたら性別が変わるのだろうか?とりあえず念じてみる。

・・・ダメだった。何かコツでもあるのだろうか?

▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 あれからいろいろと試してみた結果、魔力なのだろうか?とりあえず自分の内側にある力を使用して念じれば性別が変わることが分かった。最初にわけの分からないまま女性化してしまい焦ったのはいい思い出だ。
 とりあえず女性になった僕はやはり中性的な顔つきをしていたが、それでも顔だけで女性だと分かる感じだった。胸も多少膨らみ、地球の高校生並みぐらいはあったと思う。あいにく地球でそういうことに興味がなかったのでよくわからないが。
 鞄の中身も確認した。高校の教科書やノートパソコン、ラノベなどの小説、漫画などの普段持ち運びできる物(それでも自分の部屋にあったもの全てなので大量にあるが)のほかにも本棚や勉強机、デスクトップPCなどの普通は持ち歩かない物、テントやバーベキューコンロなどの収納の奥にしまってあった家族で使う自分でも把握していない物も入っていた。木材やベニヤ板、金具、釘ねじ類に工具なんて僕の部屋の一体どこにあったのさ。石材にセメント、砂利、砂ってコンクリートの材料だな、これ。それも絶対に僕の部屋に入りきらない量だし。まあ、便利だからありがたく使わせてもらうけど。あと、金貨が数枚入ってる。神様からのおこづかいであろうか?しかし、これらどこから持ってきたんだろう?神様だから盗みとかではないんだろうけど出所が気になるなぁ。

―――ピコン

おっ、ようやくパソコンが起動した。真っ先にカバンから取り出して電源入れたんだけどLoadingって表示されてなかなか起動しなかったんだよね。

《アカウントを再登録します》
《マスターアカウント:新名葵》
《権限Lv.MAX》
WOSワールドオペレーティングシステムをダウンロードしています》
WOSワールドオペレーティングシステムをインストールしています》
MWOSマスターワールドオペレーティングシステムとリンクしています》
《リンクしました》
《全情報を新名葵へと転送します》

とここまで見たところですさまじい頭痛に襲われた。頭が割れるような感じがして、倒れこみそうになったところでようやく頭痛は収まった。

《転送完了しました》
《新名葵を世界の管理者に設定しています》
《ユニーク:コントロールパネルを譲渡しています》
《スキン:エンシェントドラゴン(雄&雌)を譲渡します》
《完了しました》

 はあ、なんかひどい目にあった。特に最後の世界の管理者っていうの面倒な予感しかしないんだけど。あと、スキンってなんだよ。どうしてここで変にゲームみたいなのかな?翻訳機能が勝手にそう訳しているのかもしれないけど。えーっと?なるほど、こうすればいいのか。

『チェンジ・エンシェントドラゴン』

どこからか現れた白い煙に包まれる。晴れたときには目線が高くなり、体長も30mほどになっていた。全身が白い鱗で覆われ、背中には一対のけがれない真っ白な翼が存在している。古龍エンシェントドラゴンというだけあってものすごい存在感と強者のオーラをまとっている。この姿を見られたらものすごい騒ぎになりそうなので元の姿に戻る。

この時、MWOSマスターワールドオペレーティングシステムWOSワールドオペレーティングシステムについて詳しく考えなかったのを後に僕は後悔することになる。


―――*―――*―――

更新履歴
2021/09/21
 旧:あと、金貨と銀貨が数枚ずつ入ってる。
 新:あと、金貨が数枚入ってる。
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