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第3章 佐藤眞耶 - 球技大会の前に
第21話 四人で勉強しない?
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「明日からは部活もお休みだけど、その間も体はしっかりと動かしておこうね。今日はちょっと早いけど解散! またテスト明けに会おうね! お疲れさまでした!」
『お疲れさまでした!』
夕暮れ迫る九月の第一水曜日、日野先生の挨拶が終わるとチア部の部員たちは揃って部室棟へ向かってシャワーを浴びたり、着替えたりする。僕はというと、備品の整理と後片付けだ。タンブリングなどの練習用に敷いたマットがフローリングの床の上にあり、これを一人で全て片付けるのは至難の業だ。果たしてどうすればいいのかと悩んでいた時だった。
「優汰君、私も手伝うよ」
高橋さんが僕に優しく声をかけてくれる。練習の汗でユニフォームからはスポーツブラが透けて見え、近い距離にいるせいもあってか、高橋さんの汗の臭いに混じったデオドラントの香りが僕の鼻腔を刺激する。
「高橋さん、本当にいいの?」
「いいんだよ。だって、私と優汰君は恋人同士なんだから。ね?」
「ま、まぁ、そうだけど……」
僕は照れくさそうになって、二人で一緒になって体育のマットをひとまとめにした。二人で体育館倉庫へと向かい、マットなどを所定の場所に置いてから倉庫を後にした。
体育館倉庫と言えば、思春期男子の悪い癖からなのか、いかがわしいことをする場所と考えがちだろう。しかし、僕はそれ以上の邪なことを考える余裕はなかった。いや、考えられなかったというのが正しいだろう。何故なら彼女とのファーストキスは僕自身の心を溶かすディープキスであり、それ以上このことを今は望まなくても良いくらいに満ち足りていたからだ。
先生の話にもあったとおり、明日から部活動は休みとなる。試験期間中、高橋さんはどうやって過ごすのだろうかと気にしながら部室棟に向かって歩いていると、高橋さんが僕に話しかけてきた。
「ねえ、優汰君って中間テストは一人で勉強していたの?」
「もちろんだよ。ただ、幼なじみから一緒に勉強してくれと頼まれて図書室でやったことがあってね。あいつ、勉強できない癖に口だけは一人前だったなぁ……」
柚希は普段から好成績を上げている僕と比べると、とても褒められたものではなかった。英語をはじめとして全ての科目で平均点がやっとで、それでいて口ばかりは一丁前だった。
中学校時代は定期テストになる度に僕にいろいろと質問してきた。それでいい点数を取ったら自分の手柄として自慢し、僕のことは全く表に出さない。それどころか、柚希は僕の自尊心を傷つけることばかり口にする。曰く、優汰は私が居ないと何にもできない、同じ高校に入れたのは私のおかげだ、など。幼い頃の柚希は僕と親しげだったのに、と少し複雑な心境になる。
しかし、柚希は沼倉と付き合っている。あの日から二週間が経過した今もなお、夜になると柚希の部屋のカーテンは閉まったままだ。
けれど僕は僕、柚希は柚希だ。あいつがどうなって何をしていようと、もう僕には関係ない。そう考えながらかつての新体操部の部室に入ろうとした時、高橋さんから呼び止められた。
「優汰君、四人で勉強しない? 雄太君と私、奏音、真凛で」
「えっ?」
高橋さんからの突然のお誘いだった。
喜ぶのもつかの間、僕は中間試験の期間中の出来事を思い出した。
中間試験が間近に迫った六月初旬の放課後、僕はいつものように柚希に引っ張られて図書室で勉強をしていた。そこで、僕は普段以上に真面目な顔をしていた小泉さんを見かけた。その脇を固めていたのが僕とは縁遠い美少女ばかりで、いったい誰だろうと想いながら眺めていたのを思い出した。
そして普段から他人のことを羨まずに生きてきた僕でも、いつもクラスで幼なじみのことで相談に乗っている小泉さんを羨んだ。
小泉さんは高校で一番の美少女ばかりが揃っているチアリーディング部と最近知名度を上げてきている軽音楽部の両方に所属して、しかもチアリーディング部の美少女たちと仲良くしている。一方の僕はというと、どんなに頑張っても柚希のおまけ扱いだった。
この当時は彼女が僕に対して好意があるんじゃないのかと思っていたせいもあって、柚希のことで悩んだらいつも小泉さんに相談した。しかし、それでも柚希と僕の関係は良くなるどころか、悪くなる一方だった。小泉さんに対する羨望の眼差しを向けていると、柚希が僕を睨みながら冷たく言い放った。
『優汰は私が居ないと何にもできないのに、どうしてほかの女の子に見とれているのよ』
その一言を機に、柚希は周りの迷惑など顧みずに様々な罵詈雑言を言い連ねた。
どうして赤の他人である柚希のために僕が変わらなきゃならないんだ。さっさと僕の目の前から去ってくれと僕は心の中で念じた。
すると、どこからともなく三つ編みの二つおさげと平均的な身長、そしてそれに似合わないスタイルの良さを誇る三年生の生徒が現れた。彼女は柚希を一瞥するなり、静かな声で諭した。
『図書室で騒がしくしている一年生は、あなたですか? 自習室が満員で来ている人も居ます。周りの人の迷惑にならないように、静かに利用してください』
柚希は彼女に諭されると、申し訳ない表情で図書室を後にした。近くにいる小泉さんが彼女に一言二言話していたけど、何を話していたのかは窺い知ることができなかった。
閑話休題。
僕に対してあの時罵詈雑言を吐いた柚希は沼倉と付き合い始めて、それと同時に僕は学年一と噂される高橋さんと付き合い始めた。あの時の美少女が高橋さんだったとしたら、彼女に迷惑料を払ってもいいだろう。
「……うた君、優汰君」
誰かが僕を呼ぶ声がしている。慌てて後ろを振り返ると、ユニフォーム姿の高橋さんが心配そうな目で見ていた。
「何か考えごとしていたみたいだけど、大丈夫?」
「いや、大丈夫だよ」
僕は慌てて取り繕うが、高橋さんの声はそんな僕の不安を感じ取るような緊迫感のある声だった。
「大丈夫じゃないよ。何か考えごとしていたでしょ、優汰君」
「どうしてわかるんだよ」
「だって優汰君、一緒に勉強しないと誘った瞬間から目が死んでいたよ」
「それは、その……幼なじみに色々言われたことを思い出したからさ」
高橋さんは哀しそうな顔をする。
「幼なじみって、こないだサヨナラされた子のこと?」
「そうだよ。あいつ、酷いことを言って僕の心をずたずたに引き裂いたんだよ。試験前なのにも関わらずに……」
「そうなんだ。でもね、今はそんなことを考えなくてもいいんじゃない? だって、優汰君は私と付き合っているんだから、私のことを考えれば問題ないじゃない。それにね、今の優汰君には奏音と真凛だっているから。鬼に金棒だよ」
「三人寄れば文殊の知恵とも言うし、な」
「でしょ」
高橋さんは片目だけ瞬きをしながら可愛らしい笑顔を見せた。話しているうちに死んだ魚のような状態だった僕の眼には活力がみなぎり、舌も十分回るようになった。
話してみてわかる。やっぱり僕は高橋さんの恋人なんだ。
「それじゃあ、決まりだな」
「うん、そうだね。ここで立ち話をするのもなんだから、着替えてくるね」
高橋さんは手を振ってからチア部の部室の引き戸を開いて、そのまま部室へと消えていった。
『お疲れさまでした!』
夕暮れ迫る九月の第一水曜日、日野先生の挨拶が終わるとチア部の部員たちは揃って部室棟へ向かってシャワーを浴びたり、着替えたりする。僕はというと、備品の整理と後片付けだ。タンブリングなどの練習用に敷いたマットがフローリングの床の上にあり、これを一人で全て片付けるのは至難の業だ。果たしてどうすればいいのかと悩んでいた時だった。
「優汰君、私も手伝うよ」
高橋さんが僕に優しく声をかけてくれる。練習の汗でユニフォームからはスポーツブラが透けて見え、近い距離にいるせいもあってか、高橋さんの汗の臭いに混じったデオドラントの香りが僕の鼻腔を刺激する。
「高橋さん、本当にいいの?」
「いいんだよ。だって、私と優汰君は恋人同士なんだから。ね?」
「ま、まぁ、そうだけど……」
僕は照れくさそうになって、二人で一緒になって体育のマットをひとまとめにした。二人で体育館倉庫へと向かい、マットなどを所定の場所に置いてから倉庫を後にした。
体育館倉庫と言えば、思春期男子の悪い癖からなのか、いかがわしいことをする場所と考えがちだろう。しかし、僕はそれ以上の邪なことを考える余裕はなかった。いや、考えられなかったというのが正しいだろう。何故なら彼女とのファーストキスは僕自身の心を溶かすディープキスであり、それ以上このことを今は望まなくても良いくらいに満ち足りていたからだ。
先生の話にもあったとおり、明日から部活動は休みとなる。試験期間中、高橋さんはどうやって過ごすのだろうかと気にしながら部室棟に向かって歩いていると、高橋さんが僕に話しかけてきた。
「ねえ、優汰君って中間テストは一人で勉強していたの?」
「もちろんだよ。ただ、幼なじみから一緒に勉強してくれと頼まれて図書室でやったことがあってね。あいつ、勉強できない癖に口だけは一人前だったなぁ……」
柚希は普段から好成績を上げている僕と比べると、とても褒められたものではなかった。英語をはじめとして全ての科目で平均点がやっとで、それでいて口ばかりは一丁前だった。
中学校時代は定期テストになる度に僕にいろいろと質問してきた。それでいい点数を取ったら自分の手柄として自慢し、僕のことは全く表に出さない。それどころか、柚希は僕の自尊心を傷つけることばかり口にする。曰く、優汰は私が居ないと何にもできない、同じ高校に入れたのは私のおかげだ、など。幼い頃の柚希は僕と親しげだったのに、と少し複雑な心境になる。
しかし、柚希は沼倉と付き合っている。あの日から二週間が経過した今もなお、夜になると柚希の部屋のカーテンは閉まったままだ。
けれど僕は僕、柚希は柚希だ。あいつがどうなって何をしていようと、もう僕には関係ない。そう考えながらかつての新体操部の部室に入ろうとした時、高橋さんから呼び止められた。
「優汰君、四人で勉強しない? 雄太君と私、奏音、真凛で」
「えっ?」
高橋さんからの突然のお誘いだった。
喜ぶのもつかの間、僕は中間試験の期間中の出来事を思い出した。
中間試験が間近に迫った六月初旬の放課後、僕はいつものように柚希に引っ張られて図書室で勉強をしていた。そこで、僕は普段以上に真面目な顔をしていた小泉さんを見かけた。その脇を固めていたのが僕とは縁遠い美少女ばかりで、いったい誰だろうと想いながら眺めていたのを思い出した。
そして普段から他人のことを羨まずに生きてきた僕でも、いつもクラスで幼なじみのことで相談に乗っている小泉さんを羨んだ。
小泉さんは高校で一番の美少女ばかりが揃っているチアリーディング部と最近知名度を上げてきている軽音楽部の両方に所属して、しかもチアリーディング部の美少女たちと仲良くしている。一方の僕はというと、どんなに頑張っても柚希のおまけ扱いだった。
この当時は彼女が僕に対して好意があるんじゃないのかと思っていたせいもあって、柚希のことで悩んだらいつも小泉さんに相談した。しかし、それでも柚希と僕の関係は良くなるどころか、悪くなる一方だった。小泉さんに対する羨望の眼差しを向けていると、柚希が僕を睨みながら冷たく言い放った。
『優汰は私が居ないと何にもできないのに、どうしてほかの女の子に見とれているのよ』
その一言を機に、柚希は周りの迷惑など顧みずに様々な罵詈雑言を言い連ねた。
どうして赤の他人である柚希のために僕が変わらなきゃならないんだ。さっさと僕の目の前から去ってくれと僕は心の中で念じた。
すると、どこからともなく三つ編みの二つおさげと平均的な身長、そしてそれに似合わないスタイルの良さを誇る三年生の生徒が現れた。彼女は柚希を一瞥するなり、静かな声で諭した。
『図書室で騒がしくしている一年生は、あなたですか? 自習室が満員で来ている人も居ます。周りの人の迷惑にならないように、静かに利用してください』
柚希は彼女に諭されると、申し訳ない表情で図書室を後にした。近くにいる小泉さんが彼女に一言二言話していたけど、何を話していたのかは窺い知ることができなかった。
閑話休題。
僕に対してあの時罵詈雑言を吐いた柚希は沼倉と付き合い始めて、それと同時に僕は学年一と噂される高橋さんと付き合い始めた。あの時の美少女が高橋さんだったとしたら、彼女に迷惑料を払ってもいいだろう。
「……うた君、優汰君」
誰かが僕を呼ぶ声がしている。慌てて後ろを振り返ると、ユニフォーム姿の高橋さんが心配そうな目で見ていた。
「何か考えごとしていたみたいだけど、大丈夫?」
「いや、大丈夫だよ」
僕は慌てて取り繕うが、高橋さんの声はそんな僕の不安を感じ取るような緊迫感のある声だった。
「大丈夫じゃないよ。何か考えごとしていたでしょ、優汰君」
「どうしてわかるんだよ」
「だって優汰君、一緒に勉強しないと誘った瞬間から目が死んでいたよ」
「それは、その……幼なじみに色々言われたことを思い出したからさ」
高橋さんは哀しそうな顔をする。
「幼なじみって、こないだサヨナラされた子のこと?」
「そうだよ。あいつ、酷いことを言って僕の心をずたずたに引き裂いたんだよ。試験前なのにも関わらずに……」
「そうなんだ。でもね、今はそんなことを考えなくてもいいんじゃない? だって、優汰君は私と付き合っているんだから、私のことを考えれば問題ないじゃない。それにね、今の優汰君には奏音と真凛だっているから。鬼に金棒だよ」
「三人寄れば文殊の知恵とも言うし、な」
「でしょ」
高橋さんは片目だけ瞬きをしながら可愛らしい笑顔を見せた。話しているうちに死んだ魚のような状態だった僕の眼には活力がみなぎり、舌も十分回るようになった。
話してみてわかる。やっぱり僕は高橋さんの恋人なんだ。
「それじゃあ、決まりだな」
「うん、そうだね。ここで立ち話をするのもなんだから、着替えてくるね」
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