デート商法だったとしても

なおくん23歳〜イケメントレーナー 〜

密着トレーニング

　なおくん22歳。わたしとは25歳年齢差のあるトレーナー だった。
彼がニコニコしながら近づいて来て「ダイエット頑張りましょう！」と言ってくれたのに胸がどきどきした。断然ダイエットやる気モードになった。わたしって単純だ。しかも不純。「目標マイナス10キロ！」と断言したわたし。
　身長は180センチ。体重は６８キロ。細身のフィリピンハーフなイケメン。モデル志望でいつかはデビューしたいと言ってたっけ。
未来ある青年との雑談は、47歳のレス歴18年の主婦にとってはそりゃぁ、ドキドキする時間だった。
　ジムでのトレーナー とのトレーニング1時間。マンツーマンでマシンを10個くらい一緒にまわる。マシン指導の中で、仕方なくだろうけど、お腹、肩、背中、太もも、などなど、ボディータッチも多い。わたしの体型はチビデブでお腹も出てるが、胸もFカップとあっちもこっちもボンボンな身体。
　だからなのかなおくんの手はよくわたしの胸に当たる事が多かった。胸になおくんの手が当たるたび「あ、すみませんっ。」がなおくんの口癖。
　男慣れしてないわたしはタオルで汗を拭きながら、胸のドキドキを抑えるので精一杯。
　胸に当たるだけなんだけどね。決して触れてる訳でもなければ揉まれてる訳でもないんだから。
　トレーニングの最後は密室ベットの上でのストレッチ。小さなベットが密室にひとつ。それだけでいやらしく見えてるわたしは変態か？な状態。
　15分位のストレッチの間にトレーナー がわたしの汗ばんだ身体を徐々にほぐしていく。股関節が硬いからとわたしのお股を広げながら覆い被さるような体勢になり、なおくんの息づかいが耳元に感じてゾワゾワってなる。何ども繰り返される股関節のストレッチに、わたし、感じてるんだと恥ずかしくなった。
　タオルで汗を拭くふりをしながら赤らめた顔を隠すわたし。タオル越しに見えるなおくんの瞳はウルウルしてるように見えた。　　ふとなおくんの下半身に視線を落とすと、間違いじゃなく、ズボンが膨らんでいる。
あー、トレーナー も大変だ。女性の身体を触らなきゃいけない職業だもんね。しかもこんな密室ベッドで。旦那の件で女性の自信0%なわたしはなおくんに申し訳ない気持ちしかなかった。
　の反面、わたしで勃起しているなおくんがたまらなく愛おしく見えてしまっていた。これが恋なのか、スポーツでのドキドキなのか自分でもよく分からない。だって25歳も年下だしね。あ、り、え、な、い、でしょ。
　そうこうしてるうちに夢の時間（ストレッチタイム）は終わりを迎えた。
　なおくんは最後に「帰りに会えますか？相談したい事があるんですけど。」と言って去っていった。
　勘違い女のわたしはまたまたドキドキが止まらなくなってしまったのであった。
　すでに旦那の存在は頭の片隅にもいない状態になっていた。