デート商法だったとしても

旦那との亀裂

序章

　結婚して20年。子供はいない。ちなみにレス歴18年になる夫婦なわたし達。お互い、仕事に明け暮れて好きなように生きてきた。
そんな夫婦でもお互い良きパートナーとして上手くやっているつもりだった。社会的地位もそれぞれあるし、収入もお互い自身で管理。生活レベルもそれなりだし、このままこんな感じで一生歩んで行くんだろうなーなんて思っていたわたし。旦那も同じ気持ちだろうなんて思っていたのが間違いだった。
　事件は2年前、旦那の通勤バックの中からキャバクラの名刺とコンドームを発見した。
これが全ての始まりだった。
問い詰めたら、逆ギレされて、
「何で人のカバンを空けるんだ！」と怒鳴られて、しばらく口を聞かなかったっけ。
挙げ句の果て「離婚しよう」なんて言いのけた旦那。思っても見ない言葉に言い返した。
「わたしは離婚はしない。なぜあなたの都合で離婚しなければならない？離婚するならわたしから言うからそれまで待ってろ！」がわたしが出した答え。
今でもあの時の事を考えると、なんで離婚しなかったんだろう？
とも思う。してしまえば良かったのかな？と振り返るけど、いや、そうじゃない。わたしはただ、旦那にやり返したかったんだ。
このどうしようもない胸の苦しみ、このやり切れない寂しさを、同じ思いをさせてやりたい。
この屈辱感を味合わせてやりたかった。
　そもそも浮気をしていたんだろうか？特定の女性がいるのか？風俗なのか？旦那に性欲というものがはたしてあるのだろうか？
浮気しているならば、その女を好きなのだろうか？遊びなのだろうか？
何度涙を流したかわからない。悔しくて悲しくて、気がつくと旦那と口を聞かないまま半年が経とうとしていた。
　1日の中でふとしたときに考えてしまう。
わたしが悪いのか？わたしに魅力がないから？
　自分の姿を鏡で見てみる。醜い、こんなにデブで老けてしまって、これでは旦那も他に行ってしまってもおかしくない。
　反省する自分と負けられない自分。結局、ダイエット専門のジムに通うことにした。
　ジムではダイエットトレーナーが1人ついてくれる。わたしの担当になったトレーナー は22歳のイケメントレーナー だった。彼との出会いで、わたしは変わってしまった。
旦那に離婚しようと言われてから1年が経とうとしていた。