171 / 174
第4章
158 リシュアール家で社交
しおりを挟む後ろから首をわしづかみされているフィリップは無抵抗な猫のようだった。
「はっ・・くっ・・グホ・・」
「って、おおおおい!?首絞まってんじゃねぇか?!こらこら力緩めろ!!!」
シリウスの腕の筋がもの凄い浮き出てる。がっつり首を絞めてるのだ。
『え?別に身体強化してないよ?』
「自分の腕見ろよ!バッキバキじゃねぇかよ!離せ!」
俺が無理やりシリウスの手を離すとフィリップは数回せき込んでからすぐにシリウスと距離を開けた。
「ゴホゲホ!!……あ、ありがとうございました……」
『え??……あ、試合に対してか。首絞められて嬉しいのかと思っちゃった。』
「んなことあるわけねぇだろ?!何急に天然出してんだよ!フィリップさん大丈夫すか?!」
俺がフィリップに近づき首を見るとシリウスの手の跡が赤く残っている。俺はすぐに治癒をした。
「アグニ殿、どうもありがとう……」
「いえいえ全然!」
シリウスは張り付けたような綺麗な笑顔でフィリップに言った。
『な~んか…がっかりだな~。こんなレベルでも帝都軍の副隊長になれちゃうんだねぇ。』
リオンとフィリップがピクリと反応を示す。
『帝都軍も落ちたものだ。前はもう少しましだった。』
リオンとフィリップは若干攻撃的な芸素を纏った。けれどもちろん反論はしない。実際のところシリウスに何もダメージを与えられていないわけだし。
「…………私は…どのように戦えばよろしかったのでしょうか?」
フィリップが頭を下げながら教えを乞う。その様子すらもつまらなそうに見ていたシリウスは俺に話を振ってきた。
『アグニ、さっきの状況で、君が彼程度の能力しかなくて、水の類と武術だけを使うとしたら、君はどうやって対処した?』
「え~俺に話振るなよ~」
めんどくせ。
なんで俺に火の粉を被せるんだ。
「ん~……シリウスは頭上には水鏡を出してなかったから、上から攻撃するんじゃないか?」
俺の意見を聞いてフィリップはすぐに反論した。
「う、上が開いていたことは知ってる!!けれどあの高さを超える術すべがない!」
身体強化ができれば一発だが、建物2階ほどの高さがある水鏡だと普通は飛び越えられない。
「え~そしたら剣を水鏡にぶっ刺しながらよじ登るとか?」
「け、剣が刺さらなかったらどうする…?」
「そしたら……あいつを盾の中から出せばいいんだよ。」
「だからそれをどうやってやる?!」
「内部に大量の水を入れる。芸でな。」
「っ!!!!」
シリウスはコップの中にいるのと同じ状況だった。上から水を注いで満杯にしてしまえば、中にいる人間は溺れるだろう。そうなったらシリウスは盾の中から出てくるか、水鏡を一面だけを消すだろう。そこを攻撃すればいい。
「水の…芸で……」
「水の芸を塊で出すくらいできるだろ?それを繰り返せばいんじゃね?」
シリウスは基礎を重要視している。そして意地が悪い。
フィリップが解名を出せることを知ってるのに、工夫を凝らせば芸で対応できる防御をしたのだ。もちろんこれはただの第一段階で、シリウスを盾の中から出せても第二、第三と試練は続くだろうが。
「「 っ……… 」」
リオンもフィリップも驚いた顔をして黙ってしまった。シリウスと戦ってないとこういった発想勝負の戦い方をする場面もないだろうから、まぁ仕方がない。
『そんな発想なかった……凄いなアグニ!!!』
コルネリウスが興奮した様子で俺に言った。本当に素直でいい子だ。
『君は君だけができる戦い方をしなかった。基礎的で単純…周りの目を意識した美しい戦いだけをし、頭を使わなかった。実につまらない。実践の無い軍部だから、こんな戦いしかできない人間が副隊長になってしまったのだろうね。』
シリウスは笑顔のまままっすぐにフィリップに告げた。
『今より強くなりたければ、頭を使いなさい。』
フィリップは軍の若手の中じゃ相当の実力者だ。帝都軍の武芸大会に2度も優勝するほどの。
だからこそ、もったいない。
自分の得意とする戦い方を身に着けるべきなのだ。
シリウスにしては優しいな。
こんなちゃんとアドバイスするなんて
フィリップは直角まで頭を下げた。ここまで貴族が頭を下げるのはとても珍しい。
「お願いしますシノナ様。もう一度、ご指導ください!!」
フィリップを見て、コルネリウスとリオンはすぐにフィリップの前に出てきた。
『次は僕をお願いします!!!!』
「私は半殺しでも構わないのでまず私に指導を・・・」
『え~めんどくさいやだよ~』
「『「 お願いします!!!!! 」』」
『え~これだから軍人は嫌なんだよ~!!!』
シリウスは嫌がりつつも、それぞれ一回ずつ練習試合の相手をしてあげたのだった。もちろん、時間はそれほどかからなかった。
・・・・・・
「よぉ!カール!久しぶりだな!!」
「アグニも。元気そうでなによりだ。きちんと社交をしてるか?」
「んあ~…まぁ必要最低限は。」
「そうか、それなら十分だ。」
次の日、お昼の時間にカールが別邸に遊びにきた。
シーラはまだ寝てるし、シリウスは森の家にいるから今はこの場に俺しかいない。
カールはまたお土産をもってきてくれた。シーラには花束を、そして俺には焼き菓子だ。
俺はクルトに紅茶の準備してもらって、カールを応接室に通した。
「それで?話ってなんだよ?」
「あぁ、うん。カールがシリウスと刻身の誓いをした時にさ、シリウスと俺とシーラで妖精の森に行くって言っただろ?その感想と相談をしようかと思って。」
カールが綺麗な仕草で紅茶を口に含んだ。
「ああそうだったな。どうだ?何かわかったか?」
「うん………天空の国の遺跡に、剣の跡や爆撃による跡がついてた。」
「ぐっ!!! ゴホゴホッ!!!!」
カールが紅茶でむせた。すぐにポケットからハンカチを出し、口を抑えて「失礼。」と言った。ハンカチとはこういう時に使うものだったのかと今学んだ。
俺は妖精の森で見たものをそのままカールに説明した。カールは説明を聞き終えると考え込むように呟いた。
「天空の国は……地に落とされた……か?」
「……ああ。」
「この場合………天空人が戦争に負けたということになる。今の帝国には天空の国を滅ぼせるほどの技術力や戦闘力はない。二千年も前なら尚更だ。」
「つまり…天空人同士の戦争ってことか?」
「その可能性はある。そして勝った側の天空人の長が現在の天空王としてこの世に君臨している………とか。」
そもそも帝国人は空を飛ぶことすらできない。空に浮いた国に砲撃を加える技術も、空まで移動する方法もない。ゆえに今カールが言ったように、天空人同士での戦争の方が理屈が合いやすい。
「ならやっぱ……天空には今も天空王がいるのか?」
地に堕とされた天空人。そして子孫の天使達。
天を未だ支配する天空人。不変の神々ら。
全てがただの可能性だ。なんの根拠もない。けれど、この2極化した天空人の構図に不自然な点もない。
「………シリウスに答えを聞くのはもう少し待とう。俺らはまだ推論の域から出ていない。もう少しちゃんと確証を持ってから聞こう。」
「あぁ、わかった。」
・・・・・・
カールと別れ、俺は馬車でバルバラを迎えに行った。今日はパートナーとして一緒にリシュアール家の夜会に参加する。カールも参加するので、また後で会うだろう。
バルバラは自身の赤い髪色に合わせて臙脂色のドレスを身につけている。俺もバルバラに合わせたガーネットのスーツを公爵が新調してくれた。
「さ!アグニ、行くわよっ!」
「おう!」
気合満点のバルバラとまずは主催者に挨拶しに行った。今日の場合はリシュアール伯爵、コルのお父さんだ。挨拶を済ませた後、昨日会ったお兄さん達にも再度挨拶をし(俺を見た瞬間「先輩!」と2人は呼んだ)、今はコルネリウスを探して歩いている。
「あら、カールじゃない?」
「あ、ほんとだ。よぉカール!どした?」
カールは難しそうな顔をして庭を見ていた。リシュアール家の庭は蓄芸石をふんだんに使っていて夜の星々のように輝いている。綺麗だと喜ぶ顔はすれども、そんな難しい顔で見るようなものではない。
「……あぁバルバラ、アグニ。良い夜だな。少し考え事をしていたんだ。」
「なに考えてたんだ?」
俺がそう聞くとカールは緩く笑った。
「………お前はもう今日の会話を忘れたのか?」
どうやら今日の昼に話した天空の国云々について考えていたらしい。
「そんなこといくら考えたってわかんないんだし、せっかくのパーティーなんだから楽しまなきゃもったいないぞ?」
「お前の気楽さはある意味貴族的だな…。」
『みんな!来てくれてありがとう!』
後ろからコルネリウスの声がし、俺ら3人は振り返った。白地に水色を組み合わせた衣装に銀の刺繍やアクセサリーを付けている。これぞ貴公子の真骨頂!といった姿だ。
「コルネリウス、こんな素敵な夜会に招待してくれてありがとう。」
バルバラが丁寧に頭を下げてカーテシーをした。コルネリウスはそれに対し、美しい所作で礼を返した。
『こちらこそ、来てくれてありがとうバルバラ。とても素敵なドレスだね。アグニと色を合わせたんだ?』
「あ、ありがとう…!そうなの…!」
「コルネリウス、今年も招待してくれてありがとう。良い夜会だな。」
『カールもありがとう。お母様が毎年力を入れて準備しているからね、そう言ってくれると僕も嬉しいよ。……それで、今日の話って何?』
コルネリウスが俺とカールを交互に見ながら解答を求めた。けれど妖精の森の話だし、そうなると俺が天使の血筋であることも話さなきゃだし、およそじゃないが今伝えられることではない。
「少しブラウン商会の話をしたんだ。その事だよ。」
カールは表情を変えず、そう返した。
『ふーん………そっか!そういえばアグニ、お父様がアグニを探してたんだ。軍部の人を紹介したいって。』
今日のパーティーはリシュアール伯爵の主催、つまり帝都軍総司令官様が主催するパーティーだ。兄2人も軍部に所属しているし、必然的に軍部関係者がとても多い。
「おおそうか!バルバラ、少し離れてもいい?」
「もちろんよ。向こうに第1の生徒が大勢いるからそちらに行ってるわね。」
「了解!それじゃあ行ってくる!またなカール!」
「ああ、また。」
俺とコルネリウスは喋りながらリシュアール伯爵のところへ向かった。
「コルネリウス!」
横から女性が声をかけてきた。知らない人だ。顔に皺が入っていてお年を召していることはわかるが、身綺麗で優しそうな人だ。コルネリウスはすぐにその人に明るい笑顔を見せて近づいた。
『おば様!わぁ、お久しぶりです!会えてよかった!』
「久しぶりねぇ!体調はどう?怪我はしていない?学院はどうかしら?」
『あははっ元気に過ごしてますよ。あ、そうだ!こちらはアグニ、僕の学院の友人です。アグニ、こちらはエティナ・ペールシュベルト侯爵夫人。僕のお父様の姉上だよ!』
その女性は俺をじっと見てから一度にこりと笑い、すぐコルネリウスに視線を戻した。
「コルネリウス、あなたは本当に良い子ね。みんなに平等で優しくて……」
そう言って女性はコルネリウスの髪を撫でた。コルネリウスは笑顔のまま問い返した。
『おば様はお元気ですか?お体の調子は?』
「ええ、大丈夫よ。……今日の主役を私だけが独占していたらまずいわね。コルネリウス、また我が家に来てちょうだいね。いつでも大歓迎よ。」
『ありがとう、おば様。秋になったらまた伺いますね!』
「まぁ!そしたらあなたの大好きなものをた~っくさん用意して待ってるわね!………あぁ、あなたみたいな子が我が家にいたら……」
『………おば様、今度伺う時は屋敷に泊まっていってもいいですか?』
「まぁまぁ!もちろんよ!いくらでも泊まっていってちょうだい!」
『ありがとうございます!』
その後、伯母だという女性はとても名残惜しそうにコルネリウスから離れていった。その女性を見送った後、コルネリウスは申し訳なさそうな顔をして俺に言った。
『ごめん、おば様は喋り始めると止まらないんだ。行こうか。』
「おう。………なんか随分と大切にされてるんだな。」
『そうだね、ペールシュベルト侯爵夫妻にはとてもよくして頂いてるよ。』
あの女性はコルネリウスをとても大事にしている様子だった。だからなのか、俺を見る目線がとても鋭かった。
みんなに平等で優しくて、か。
俺を友人と言ったコルネリウスが優しいってか。
あの女性の目線は俺の髪に向かっていた。そして結局、彼女は俺に声をかけることはなかった。これはわかりやすい「拒絶」だ。
「コルはあの人んちにはよく行くのか?」
『たまにね。けど秋には毎年行ってるよ。……おばさまの子の命日が秋だからね。』
「命日?」
コルネリウスは愁いのある笑顔をしてみせた。
『ちょっと…遠回りしようか。』
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~
エール
ファンタジー
古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。
彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。
経営者は若い美人姉妹。
妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。
そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。
最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる