再創世記 ~その特徴は「天使の血筋」に当てはまらない~

タカナデス

文字の大きさ
上 下
136 / 174
第4章

125 リカルドと対戦

しおりを挟む





「リカルド対アグニ……はじめ!!!」

戦いの火蓋が切られた。
けれども俺とリカルドは互いにその場を動かなかった。様子見だ。

ふ~む……そのまま突っ込んできてくれたら楽だったんだけどなぁ~!!!!!
もうすでにめんどくさい。俺は食後は座学がいいんだよって言ってるじゃんか。どうしてこんな武芸できそうな奴と戦やり合わないといけないんだ。

徐々に距離を詰め合う。俺は両手で自分の前に剣を構える。リカルドは右手で自身の前に構えている。

リカルドが射程圏内に入った。俺はほぼ溜めを見せずに突っ込んだ。

『っおお!!』

剣が合わさり、リカルドが少し驚いた様子でそれを受け止める。くそう。余裕で対応されたぜ。

そして打ち合いが始まった。リカルドは力も技術もスピードもあるバランス型だ。レベルはコルネリウスと互角か…いや、リカルドの方が若干戦い慣れている。もしかしたら自国に帰った時に軍の練習に参加してたりするのかもしれない。

けれど……もはや毎回の事だが、やはり『対人戦』の動きだ。

コルネリウスを含め、学生が共通して持っている欠点。芸獣に周りを囲まれたこともなければ、背後に守るべき誰かがいたこともないような、儀礼的で、美しく、そして・・・

一番崩しやすい型だ。

俺は変則的な動き方をした。人が剣を持つ時に生じる「間」や「初動の動き」を極力減らした動きだ。これには力やスピードを上手く乗せきれない欠点もあるが、こういう相手には一番効果がある。


   って、あれ?
   これ俺……勝っていいやつ?


すっかり忘れていたが、俺、武芸上手くないキャラじゃなかったっけ?あれ?けど皆、俺が一番武芸ができるって思ってるのか?だから皆俺の方を向いたんだよな?あれ?もうそのキャラ崩れてる?さぁどうしましょう。


   けどまぁ~~~もういっか!!!


ちゃんと戦った方が相手のためになるし、ここは第2学院だからそこまでやばいことにはならないだろう。「今日はちょっと体調が良かった」って言えばいい!
俺は下から斬り上げようとしていたリカルドの剣を脇の下で挟んで止め、そのまま横向きに一回転して無理やり手から剣を離させた。そして回転のスピードを殺さずに、左手で持っていた剣をそのままリカルドのこめかみ横に突き付けて、静止した。

『………ははっ。見事だ!!!』

「どもっす!」

リカルドがすぐに俺に賛辞を言った。リカルドの芸素は高揚している。俺に対して悪い印象は持っていないようだ。

「そこまで!!!」

先生の止めが遅れてかかり、俺たちは互いに礼をした。

『まさかここまでとは思わなかったよ。まったく手も足もでなかった。あの戦い方はなんだ?学院で習ったものではないだろう?』

「あ~芸獣と戦っているうちにああいう戦い方を身に着けました。あとはまぁ…」

シリウスとの武術練習で身に着けたんだけど、それは言えない。よくわからないけどシリウスは存在を隠しているようだし。

俺の答えを聞いてリカルドは驚愕の表情をした。

『えっ、芸獣とそんなにも戦ったことがあるのか…?君…今までどうやって生きてきたんだ?死にそうになった経験とか、あるのか?』


   「死」かぁ。
   うーん、そりゃあ……


「死程度なら何度か感じてるかなぁ」






・・・・・・






初日の放課後は自由だった。本当は第1学院と同じように研究会とかがあるんだけど休みらしい。

俺たちは第2学院の寮に泊まる。
第1学院では、5~6人ずつで別々の宿舎を利用している。しかし第2学院では1つの大きな寮を使用しているらしい。男女で西と東に棟が分かれており、その間にホールとか食堂とかがある。

部屋は第1と比べると小さいし、古めの建物だが問題ない。スリーター公国の俺んちよりは全然綺麗。

ところが貴族の子女達はそうもいかない。

みんな棒立ちで動けなくなっている。汚がって座ることも、荷物を置くこともできないでいる。別に古いだけで汚くはないが、それでも受け入れられないらしい。
その後食堂で夕食を食べたけど、皆んな全く食欲がないらしい。部屋が汚くて食事に手がつけられないんだと。実にもったいない。

第2の生徒は第1の生徒の態度をもちろん不快がる。自分の学院を汚物扱いされたらそりゃ嫌だろう。

「………よくそんなに食欲があるな。」

カールが少し青い顔で疲れ切ったように言ってきた。皿を見ると、カールは半分までは食べたようだった。俺はあともう少しでおかわりの分を食べ終わる。

「別に食欲は変わらないよ。というかそんなに皆、この建物がだめなのか?」

「なんだか食事まで不味そうに見えてな……。これは果たして食べていいものなのか、と。」

カールはスプーンから手を離し、完全に食べることをやめた。カールの隣に座っているコルネリウスはなんとか食べ切ったようだ。

『……食べないと身体がもたないよ。頑張って食べようよ。』

「今日中に家に手紙を出して食べられそうなものを持ってきてもらおうと思う。」

『僕も一応…手紙出そうかな。』

「そんなに?!!!」

驚きですよ。みんな本当に汚いとこに行ったことないんだな!なんなら普通に綺麗だぞ??

火が消えたように静かな第1学院の生徒とは対照的に、第2の生徒は騒ぎながら楽しそうに食事をしている。トレーを持ってあちこち移動しながら食べる姿はとても自由だ。

こんなところで学院差が出るとは思わなかったな。



『お、アグニ!ちょうどよかった!……もう寝るか?』

食堂を出ようとしたタイミングでリカルドが話しかけてきた。もちろん寝ない。俺は睡眠時間が短いんだ。

「寝ないっす。どうしたんすか?」

『いや、せっかくだから……少し付き合ってもらおうかと思ってな。』

「はい?」





・・・






『ここだ。静かにな…。』

『「 はい……。 」』

リカルドに案内されたのは第2学院の練習で使われる野外演習場の一角の、小さな洞穴だった。ちなみにコルネリウスも付いてきてる。
木の扉を開けると、洞穴の中には第2学院の生徒が数名いた。リカルドの友達のようだ。

「お~こいつが噂の勝ったやつか!」

「お、天使の血筋モドキも来たのか!」

どうやらコルネリウスは「天使の血筋モドキ」らしい。俺たちはおずおずと中に入り自己紹介をした。

「アグニって言います。よろしくっす。」

『コルネリウス・リシュアールです。……ところでどうして呼ばれたのでしょうか?』

コルネリウスは警戒しており、若干芸素がぴりついている。けれども第2の生徒らはコルネリウスに構うことなく、洞穴の奥の方から大量の瓶を取り出した。

「ほら!麦、米、葡萄、あと変わり種の植物の酒とかもあるぞ!好きなの選べ!!」

『「 え??? 」』

目の前に多種多様の酒を出されたが、どういうことだろう。


   けどまぁいっか!!飲もっ!!


「そっすねー俺は麦で!!」

「おっ!いいねぇ~!!」

『こら!アグニ!!』

『コルネリウス君、君も何か選べ!』

『学院での飲酒は禁止されているはずです!!』

「なぁにをそんな固いこといってんだよ!!」

「まさか……飲めないのか??」

『飲めます!!!!』

「おーそうか!なら選べ!!米とかお勧めだぞ!」

『~~~!!!………とりあえずいただけますか』

『そうこなくっちゃな!!』

コルネリウスもまんまと乗せられて酒を注がれる。

『では!かんぱ~い!!』

「「「「 うぇ~~~~い!!!! 」」」」

『………いただきます。』

リカルドの音頭でグラスを合わせる。食後と運動後の一杯は・・・

「んあぁぁぁぁ~!!しみるわぁ~~~~」

『あははは!なんだか父上を見ているみたいだ。』

俺の態度を見てリカルドが笑うが、君たちは知らないだろう。歳をとるほどお酒は美味しく感じるんだぞ。

「そういやこれって何会っすか?」

ここに呼ばれた理由を聞くと先輩達は顔を見合わせて笑った。

『いや、なに。今年度の第1学院の生徒の中で1番話が合いそうな人を選んで、親睦を深めようと思ったんだよ。今年はアグニだった。ちなみに去年はシャルル様とアルベルト様がいらして下さったぞ』

『なんだって?!』

コルネリウスが驚きの声を上げる。昨年のまさかすぎるゲストに俺も驚いた。

『去年まではシド様がこの会にいらしたからな。シド様がお2人を誘って下さったんだ。』

「あーなるほどな!なんだ!んじゃそういうことならたくさん飲みましょう!!」

俺は早くも一杯目を空にしており、2杯目を注ぐ。

『早っ!!!』

コルネリウスが驚愕の顔をする。以前森の家でシリウスとシーラとコルネリウスとカールで飲んだ時に、コルネリウスは飲み慣れてはいないようだった。というか学生で飲み慣れている人は少ない。

暫く飲んでいると、頃合いを見てリカルドが言った。

『なぁ、アグニ。今日の武術の時間の話だ。死を感じる経験を何度もしたって言ってただろ?お前がとうやって生きてきたのか知りたい。』

リカルドが急に真剣な顔をするので俺は少し戸惑ったが、他の先輩達も口々に言った。

「アグニは戦い慣れ過ぎていた。」 

「ああ。学院での練習量なら第2学院が負けるわけがないんだ。どこで経験を積んだ?」

「しかもお前は戦い慣れている。違うか?」

さすが軍部志望の学生だ。俺の動きをよく見ている。

『アグニ。』

コルネリウスが真っ直ぐに俺の瞳を見た。シリウスのことを言うなという意味だろう。俺はコルネリウスに一度頷き、リカルドらに向き合って話を始めた。

「世話になっている人がいるんだ。」





・・・





その人とは2年近く旅をしていて、旅をしながら武芸を教わったんだ。

そんで、ただの一度も勝ててない。もう全然レベルが違うんだ。俺は相手に危機感を与えられたことがない。

何度も恐怖を感じる瞬間はあった。

盗賊が出て来ても「いい機会だから」とか言って、俺一人で相手をさせられたしな。だからもちろん、芸獣とも戦ってた。

俺は一度だけ、本気を見せてくれって言ったことがある。そんで…開始早々、俺は意識を飛ばされた。

一歩も、動けなかった。

起きた時、あいつは吞気に笛を吹いてたんだ。その時は俺を気絶させるだけだったけど、あの一瞬で殺すこともできたはずだ。しかもな、そんな強力な方法をいくつも持ってそうなんだよ。すげぇだろ?



「だからまぁ、俺はあいつに何度も殺されかけてるって言った方が正しいのかもな。」


酒を飲みながら、旅をしていた2年間を振り返る。俺は確実に最初の頃よりも強くなってる。うん。ちゃんと強くなってる。けどまだ全然追いつける気がしない。

『…………この年齢で、実地で芸獣と対峙したことのある者は第2学院でも少ない。私達は辛うじてあるが、今の話を聞いてるとおよそじゃないが君の方がはるかにその数は多いだろう。私達と君とでは、得てきた経験や潜り抜けてきた窮地の数が全く違うんだな。』

「なるほど。少し…いや、だいぶお前のことを侮っていた。」

「あぁ、俺もだ。……なぁ、どんな芸獣と戦ったことがあるんだ?もっと教えてくれよ!」

「おお!いいなそれ!戦う時のコツとか聞いとこうぜ!」

「演習の時に役立つかもしれないな!」

先輩たちは空になった俺のグラスに再度飲み物を注いだ。

「いっすよ!んじゃあ……草原でよく見かける芸獣の話からしますね。例えば・・・・」







・・・






「今日はありがとうございました!」

『ありがとうございました。楽しかったです!』

そろそろ部屋に戻ろうということになり、俺とコルネリウスは洞穴の入り口で先輩らに挨拶をした。その様子を嬉しそうに、そして安心したように先輩たちは見ていた。

『そうかよかった!じゃあバレないようにな!また明日!』

「はい!おやすみなさい!」

『また明日、よろしくお願いします!』

俺とコルネリウスは背をかがませながらゆっくりと足音を立てないように寮の方へと戻っていった。

「楽しかったな!」

『うん。予想以上に楽しかった!』

なんだかんだで最後はコルネリウスも順応した。結構仲良くなれたようだ。コルネリウスの芸素が嬉しさを表すように飛び跳ねているのを感じる。

『でも…アグニが学院に来るまでの話を具体的に聞いたことがなかったから、結構衝撃だった。あれ、シリウス様のことだよね?』

「あぁ、そうだよ。」

『そうかぁ……天使の血筋なのに貴族として生きることはせず、旅をする人もいるんだね。』

「シリウスはすぐ帝都から出ていこうとするんだよ。」

ん~なんて表現するのが正しいんだろう?すぐ世界へと飛び立ってしまう、かな。

俺以上に貪欲に、世界を知ろうとしている。

何かをずっと探しているかのように、世界を見続けている。


『………いいなぁ。僕も旅に出てみたくなった。』

コルネリウスの笑顔は本物だった。心からそう思っていた。

「あぁ。楽しかったよ、本当に。けど旅って毎回綺麗な所に寝泊まりできるわけじゃないからな?第2学院で食欲無くなるようなら無理だぞ。」

『あーだよねぇ…。まずはそこから頑張るか…』


俺たちは互いに笑いあって、同じ寮へと戻っていった。









しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

望んでいないのに転生してしまいました。

ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。 折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。 ・・と、思っていたんだけど。 そう上手くはいかないもんだね。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

(改訂版)帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】 早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。 皆様どうぞよろしくお願いいたします。 【10/23コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【第2巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

処理中です...