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第一章:何気ないで終わらないの

迷惑なら、ない方がいい

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――――知らない。
知らない知らない知らない知らない知らない知らない。

何これ?動物の耳?
ガラス越しに写る自分の顔。
そこには、ついているはずのない物が。

「…………化け物」

誰かが呟いた。
声の方を向くと、その女子の顔は怯えていた。
「ねぇ、どういうこと」
問いかけられる。
「あっ、あの」
「あんたのソレ!なんなのよ!
消えて!消えてよ!化け物!」
その女子は、我を忘れているようだった。

「なんで……なんでみんな……」

掠れた声で問う。
しかし、彼女を見る目は憎しみに満ちていた。

「そんな目で私を見るの…………」

「お前が化け物だからに決まってるだろ」

彼女はまだ、自分がどのような状態か
把握できていない。

すると、
「みんなー、この子に関わるとぉ、
呪われちゃうよぉー?」
と明るい声の酷い言葉。
声の主は、彼女のクラスの委員長だった。

彼女は絶望した。
もう、このクラスでは、やっていけない。
そんなことを考えているうちに、
彼女をいじめていたクラスメートは
何処かにいったようだ。

『呪われちゃうよぉー』

この言葉が頭をよぎる。
勇大、咲人。
この二人に、迷惑をかけてしまうのか。

もう、自分を出すのはやめよう。

みんなに迷惑をかけたくないから。

彼女―――大池美琴は、
これから得体の知れない力と、
生きていかなければならない。

こんなこと、考えたくないけど、
考えなくてはいけなかった。
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