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10.契約結婚(1)
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ーー翌朝、レイが私を起こしに来た。
「お嬢、おはよう。あれ、俺が起こす前に起きてんなんて珍しいな。って、どうした!?顔色悪いぞ!?」
「レイ…レイっ!」
私は思いっきりレイに抱きついた。
「うぉっ!ど、どうした?腹でも痛いのか?」
「ううん、違うの。あのね……。」
私は昨夜起きたことをレイに話した。
「………。」
「レイ?」
「許さねぇ…。俺の大事なお嬢を貶めやがって。大丈夫だ、お嬢。俺が今すぐアイツを殺ってきてやるからな。」
レイがそう言って部屋を出て行こうとするから慌てて止めた。
「レイ!落ち着いて。私は大丈夫だから。」
「でも…。」
「殿下は「白い結婚」って言ってたし、3年後には離縁してもらえるって。それまでの辛抱よ。…それに、あんなやつのためにレイが手を汚す必要なんてない。きっとほっといても勝手に地獄に落ちるわよ。」
「お、おぉ。珍しくブチ切れてんな。まぁ無理もねぇけど。」
「当たり前でしょ。…とにかく一度話を聞きに行こうと思うの。着いてきてくれる?」
「あぁ、もちろん。」
その後、身なりを整え、レイと共に彼の執務室へ向かった。
「システィーナでございます。入ってもよろしいでしょうか?」
「…入れ。」
「失礼致します。…それで、お話とは?」
「まずは座れ。今茶を用意させる。」
「いいえ、結構です。貴方と話しているのも不快でしかないのでお話があるならさっさと済ませて頂けますか?」
「ぶふっ!」
後ろから噴き出す音が聞こえた。レイ…笑いすぎよ。
「…失礼致しました。」
切り替えだけは早いわね。
「…昨日相手にされなかったのをまだ拗ねているのか?先に言っておくが、私がお前に手を出す事はない。私の寵愛を受けられるなどと期待するな。」
「あ?…お嬢、やっぱコイツ殺ってもいいよな?」
「落ち着きなさい、レイ。駄目よ。」
「何をこそこそしている。お前ら随分と仲が良さそうだな。…まさか従者にも手を出しているのか?…流石悪女様だな。従者もこの程度か。」
「お前…!」
「レイ。」
「っ…!ごめん、お嬢。」
「いいのよ。貴方は何も悪くない。悪いのはこいつなんだから。」
「お嬢、おはよう。あれ、俺が起こす前に起きてんなんて珍しいな。って、どうした!?顔色悪いぞ!?」
「レイ…レイっ!」
私は思いっきりレイに抱きついた。
「うぉっ!ど、どうした?腹でも痛いのか?」
「ううん、違うの。あのね……。」
私は昨夜起きたことをレイに話した。
「………。」
「レイ?」
「許さねぇ…。俺の大事なお嬢を貶めやがって。大丈夫だ、お嬢。俺が今すぐアイツを殺ってきてやるからな。」
レイがそう言って部屋を出て行こうとするから慌てて止めた。
「レイ!落ち着いて。私は大丈夫だから。」
「でも…。」
「殿下は「白い結婚」って言ってたし、3年後には離縁してもらえるって。それまでの辛抱よ。…それに、あんなやつのためにレイが手を汚す必要なんてない。きっとほっといても勝手に地獄に落ちるわよ。」
「お、おぉ。珍しくブチ切れてんな。まぁ無理もねぇけど。」
「当たり前でしょ。…とにかく一度話を聞きに行こうと思うの。着いてきてくれる?」
「あぁ、もちろん。」
その後、身なりを整え、レイと共に彼の執務室へ向かった。
「システィーナでございます。入ってもよろしいでしょうか?」
「…入れ。」
「失礼致します。…それで、お話とは?」
「まずは座れ。今茶を用意させる。」
「いいえ、結構です。貴方と話しているのも不快でしかないのでお話があるならさっさと済ませて頂けますか?」
「ぶふっ!」
後ろから噴き出す音が聞こえた。レイ…笑いすぎよ。
「…失礼致しました。」
切り替えだけは早いわね。
「…昨日相手にされなかったのをまだ拗ねているのか?先に言っておくが、私がお前に手を出す事はない。私の寵愛を受けられるなどと期待するな。」
「あ?…お嬢、やっぱコイツ殺ってもいいよな?」
「落ち着きなさい、レイ。駄目よ。」
「何をこそこそしている。お前ら随分と仲が良さそうだな。…まさか従者にも手を出しているのか?…流石悪女様だな。従者もこの程度か。」
「お前…!」
「レイ。」
「っ…!ごめん、お嬢。」
「いいのよ。貴方は何も悪くない。悪いのはこいつなんだから。」
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