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第一章 代筆屋と客じゃない客
第十二片 客でない何か
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――カラン
代筆屋カレンの入り口にある扉が開くと、涼し気な高い鐘の音が控えめに鳴る。カウンターの前に座っていた私は、今日もまたやってきた客でない何かに困惑していた。
「また来たの?」
「やぁカレン。こんにちは」
左手をさっと上げて妙に爽やかな笑顔を振りまいているのは、黒い隊服を着たロイだ。普通の街娘なら満面の笑みで出迎えるような男だが、カウンター越しに見つめ合った私は苦い顔をしている。
ロイはあれから毎日のように代筆屋に顔を見せ、概ね数分で帰っていく。日に一度か二度、多いときは巡回ついでに三度もやってくるのだから私は困惑を隠せない。
……暇なのか?
もはや彼が来てもお茶も出さず、顔を見ても「あぁ」としか思わないほど慣れてしまった。巡回地点にでもなったのだろう、そう思うことにしていた。
私服のときは、客が来る予定がないことを確認すると勝手に椅子に座って本を読む。夕暮れ時にやってきたときは、残り物の甘味をロイに食べさせた。
最初に菓子を出したときはあまりに驚かれたので、私は逆にびっくりしてしまった。
そのとき、菓子を食べている彼をじっと見ていたが、甘いものを食べるとロイの美しく整った顔がへらりと崩れるのはかわいいと思う。聞けば二十三歳らしいが、そういうときは五つ下のゼンとそう変わらないほど幼く見えた。
「何か変わったことはない?誰か怪しい男が来たとか」
ロイは必ず同じことを聞く。これだけ毎日やってきていて、何もないことはわかっているはずだろうと私は思う。だから私もいつも同じことを返す。
「何もないわ。いつも通りよ」
「ならいい」
今日は隊服を着ているからすぐに帰るのだろう。ロイは少し強引でこちらの都合などお構いなしのところはあるが、たわいもない話をして、笑ったり、怒ったり、そんな時間がいつのまにか楽しみになっていた。
友人というのはこんなものだろうか。
いや、まだ互いによく知らないから顔見知りと表現するのが正しい?私はその「客でない何か」に、いつの間にか日常を侵食されつつあることに気づいていた。
それに、ゼンまでもがロイにすっかりなじんでいた。最初はあれほど警戒していたのに、私を守ることに利用できるとあればとことん利用するつもりらしい。
ゼンが帰宅した時間にロイが来ていると、一緒に何やら話をして、ときには軽い夕食も振舞った。
この国では十七歳を成人としているから、ゼンも酒が飲める。私は酒の苦みが好きでないので嗜み程度だけれど、ゼンはロイを誘って強い葡萄酒やミルク酒を飲むこともあった。
人当たりはいいくせに友達のいないゼンを心配していたので、こんな風に親しくできる人が現れるとは思ってもみなかった。
そんな生活が半月ほど続いた日、昼過ぎに私服で来たロイに「なぜ代筆屋をやっているのか」と尋ねられた。
今日は夕方まで予約はない。
午前中に来た客がちょうど帰ったときに、タイミングよくロイは顔を出した。
お隣の商会長からもらった焼き菓子をテーブルに出すと、ロイはあっという間にそれを平らげてしまう。お茶を飲みながら優雅に食べるという考えは、彼にはないようだ。
「なんで代筆屋なんだ?どこかのお嬢さんの家庭教師とかできただろう、カレンなら」
指についた菓子のかけらを舐めとったロイに、行儀が悪いと私は布巾を投げるように渡した。あ、投げる方も行儀が悪いな……。
そういえば今日まで何度も話をしているのに、店や自分については何も聞かれなかったなと気づいた。
「代筆屋が軌道にのるまでは家庭教師もやってたわよ。お隣のセダ商会のひ孫さんの」
「そうなのか。確かすごい才女だって噂だが」
「ええ、そうよ。一を言えば十を理解するっていえるくらい頭の回転が速い子よ。あまり教えることはなかったわ」
「家庭教師はもうやらないのか?」
ロイは優しい口調だが、観察するようにじっと瞳の奥を見つめる。私は紅茶に視線を落とし、ごくりと一口だけ飲んだ。
「そうね。私はやっぱり代筆屋がいいわ。人の心が目に見えるようになって、人と人が手紙を通してつながるのは素敵なことだと思うから。そういうのを近くで見れると楽しい」
最初は書類仕事の代筆ばかりだったけれど、今ではなじみの女性客もついた。私宛に恋人とのやりとりについて、報告してくれるお客さんもいる。
必要とされていると実感できるこの仕事は、本当に楽しいと思う。
「手紙っていいものよ?」
「そうなのか。俺は今まで手紙をもらって嬉しかったことはないな」
「ふふふ。正直なのはいいことだけど、それをよそで言ったら好感度は確実に下がるから気をつけてね。ヘタしたら女性に刺されるわ」
「気を付ける」
ロイは思い当たる節があるのか、眉根を寄せて苦笑した。
「手紙のやりとりには、人の気持ちが動く瞬間っていうのがあるの。たとえ短くても、ぱっと心があったかくなるようなそういう言葉が贈られるときがあるのよ」
「へぇ、それは一度知ってみたいものだな」
「例えば、単純に会いたいと思っていても、それをどう伝えるのかによって印象は変わるの。会って声を聞きたいのか、会って触れたいのか、今すぐに飛び出しそうな衝動を抑えるのが大変だ、とか。同じ気持ちでも、その人が選ぶ言葉によって受け取った側の印象が変わるからおもしろいよ。好きな人からなら、なおさら嬉しい」
私がつい楽しくなって話していると、ロイは相槌を打ったり、苦笑いしたり、首を傾げたりしながら聞いていた。話の中にはロイにわからない部分もあったみたいだけれど、私がこの仕事を好きなことは十分に伝わったみたいでよかった。
「それに、自分のために心を尽くして時間をかけてくれたって思うと嬉しいじゃない?恋をしている人は、自分の大切な時間を相手に贈ってるのよ」
「へぇ。モノは言いようだな。そんな風に考えたことはなかった。手紙を渡されてもめんどうだなとしか……」
とんでもないモテ発言が出た。私の冷たい目線に気づいたロイは、途中で言葉を切って紅茶を飲み干す。
めんどうに思うほどにモテてきたんだな、と思うがあえてそこには触れず、視線だけで軽蔑の意を示した。そしてしばしの沈黙の後、目を泳がせているロイを見てくすりと笑うと、ちょっとからかいたくなってしまった。
「だから言ったのよ。恋をしてから来てって」
初めてあったときの皮肉を持ち出されたロイは、眉を少しだけ上げながら、意地の悪い笑みを浮かべてこう返した。
「なるほどな。それで?代筆屋殿はさぞ素晴らしい恋をしてきたんだろう?」
真正面からの仕返しに、私は一瞬ぐっと喉を詰まらせる。紅茶がまだ半分ほど残ったカップを置き、斜めに視線を落とした。
「どうかしら。自分のことはわからないわ」
「ゼンは違うんだろう?」
「どうしてそう思うの?ゼンが恋人かもしれないじゃない」
「それはないな。ふたりの雰囲気を見てたらわかる。それにあいつ、最初に会ったとき『うちのカレン』って言ったんだ。……家族なんだろう?」
「ふふっ。よくわかったわね。ゼンは私の弟よ。たったひとりの家族なの」
「似てないな」
ロイは何の遠慮もなくそう言ったけれど、不思議と深いにはならなかった。
「ええ、血はつながってない。でも、大切な弟よ」
「そうか」
「そうよ」
「なんにせよ、これで俺の心配事はひとつ晴れた」
「はい?」
「ごちそうさま。この菓子とお茶うまかった。またな」
「え、ええ。さようなら」
ロイは椅子に掛けてあった上着を取ると、それを手に持ったまま店を出て行った。私は何かもやっとしたものを胸に感じ、それを振り払うように深呼吸をする。
テーブルの上には、きれいに食べられた後の皿が残っていた。
代筆屋カレンの入り口にある扉が開くと、涼し気な高い鐘の音が控えめに鳴る。カウンターの前に座っていた私は、今日もまたやってきた客でない何かに困惑していた。
「また来たの?」
「やぁカレン。こんにちは」
左手をさっと上げて妙に爽やかな笑顔を振りまいているのは、黒い隊服を着たロイだ。普通の街娘なら満面の笑みで出迎えるような男だが、カウンター越しに見つめ合った私は苦い顔をしている。
ロイはあれから毎日のように代筆屋に顔を見せ、概ね数分で帰っていく。日に一度か二度、多いときは巡回ついでに三度もやってくるのだから私は困惑を隠せない。
……暇なのか?
もはや彼が来てもお茶も出さず、顔を見ても「あぁ」としか思わないほど慣れてしまった。巡回地点にでもなったのだろう、そう思うことにしていた。
私服のときは、客が来る予定がないことを確認すると勝手に椅子に座って本を読む。夕暮れ時にやってきたときは、残り物の甘味をロイに食べさせた。
最初に菓子を出したときはあまりに驚かれたので、私は逆にびっくりしてしまった。
そのとき、菓子を食べている彼をじっと見ていたが、甘いものを食べるとロイの美しく整った顔がへらりと崩れるのはかわいいと思う。聞けば二十三歳らしいが、そういうときは五つ下のゼンとそう変わらないほど幼く見えた。
「何か変わったことはない?誰か怪しい男が来たとか」
ロイは必ず同じことを聞く。これだけ毎日やってきていて、何もないことはわかっているはずだろうと私は思う。だから私もいつも同じことを返す。
「何もないわ。いつも通りよ」
「ならいい」
今日は隊服を着ているからすぐに帰るのだろう。ロイは少し強引でこちらの都合などお構いなしのところはあるが、たわいもない話をして、笑ったり、怒ったり、そんな時間がいつのまにか楽しみになっていた。
友人というのはこんなものだろうか。
いや、まだ互いによく知らないから顔見知りと表現するのが正しい?私はその「客でない何か」に、いつの間にか日常を侵食されつつあることに気づいていた。
それに、ゼンまでもがロイにすっかりなじんでいた。最初はあれほど警戒していたのに、私を守ることに利用できるとあればとことん利用するつもりらしい。
ゼンが帰宅した時間にロイが来ていると、一緒に何やら話をして、ときには軽い夕食も振舞った。
この国では十七歳を成人としているから、ゼンも酒が飲める。私は酒の苦みが好きでないので嗜み程度だけれど、ゼンはロイを誘って強い葡萄酒やミルク酒を飲むこともあった。
人当たりはいいくせに友達のいないゼンを心配していたので、こんな風に親しくできる人が現れるとは思ってもみなかった。
そんな生活が半月ほど続いた日、昼過ぎに私服で来たロイに「なぜ代筆屋をやっているのか」と尋ねられた。
今日は夕方まで予約はない。
午前中に来た客がちょうど帰ったときに、タイミングよくロイは顔を出した。
お隣の商会長からもらった焼き菓子をテーブルに出すと、ロイはあっという間にそれを平らげてしまう。お茶を飲みながら優雅に食べるという考えは、彼にはないようだ。
「なんで代筆屋なんだ?どこかのお嬢さんの家庭教師とかできただろう、カレンなら」
指についた菓子のかけらを舐めとったロイに、行儀が悪いと私は布巾を投げるように渡した。あ、投げる方も行儀が悪いな……。
そういえば今日まで何度も話をしているのに、店や自分については何も聞かれなかったなと気づいた。
「代筆屋が軌道にのるまでは家庭教師もやってたわよ。お隣のセダ商会のひ孫さんの」
「そうなのか。確かすごい才女だって噂だが」
「ええ、そうよ。一を言えば十を理解するっていえるくらい頭の回転が速い子よ。あまり教えることはなかったわ」
「家庭教師はもうやらないのか?」
ロイは優しい口調だが、観察するようにじっと瞳の奥を見つめる。私は紅茶に視線を落とし、ごくりと一口だけ飲んだ。
「そうね。私はやっぱり代筆屋がいいわ。人の心が目に見えるようになって、人と人が手紙を通してつながるのは素敵なことだと思うから。そういうのを近くで見れると楽しい」
最初は書類仕事の代筆ばかりだったけれど、今ではなじみの女性客もついた。私宛に恋人とのやりとりについて、報告してくれるお客さんもいる。
必要とされていると実感できるこの仕事は、本当に楽しいと思う。
「手紙っていいものよ?」
「そうなのか。俺は今まで手紙をもらって嬉しかったことはないな」
「ふふふ。正直なのはいいことだけど、それをよそで言ったら好感度は確実に下がるから気をつけてね。ヘタしたら女性に刺されるわ」
「気を付ける」
ロイは思い当たる節があるのか、眉根を寄せて苦笑した。
「手紙のやりとりには、人の気持ちが動く瞬間っていうのがあるの。たとえ短くても、ぱっと心があったかくなるようなそういう言葉が贈られるときがあるのよ」
「へぇ、それは一度知ってみたいものだな」
「例えば、単純に会いたいと思っていても、それをどう伝えるのかによって印象は変わるの。会って声を聞きたいのか、会って触れたいのか、今すぐに飛び出しそうな衝動を抑えるのが大変だ、とか。同じ気持ちでも、その人が選ぶ言葉によって受け取った側の印象が変わるからおもしろいよ。好きな人からなら、なおさら嬉しい」
私がつい楽しくなって話していると、ロイは相槌を打ったり、苦笑いしたり、首を傾げたりしながら聞いていた。話の中にはロイにわからない部分もあったみたいだけれど、私がこの仕事を好きなことは十分に伝わったみたいでよかった。
「それに、自分のために心を尽くして時間をかけてくれたって思うと嬉しいじゃない?恋をしている人は、自分の大切な時間を相手に贈ってるのよ」
「へぇ。モノは言いようだな。そんな風に考えたことはなかった。手紙を渡されてもめんどうだなとしか……」
とんでもないモテ発言が出た。私の冷たい目線に気づいたロイは、途中で言葉を切って紅茶を飲み干す。
めんどうに思うほどにモテてきたんだな、と思うがあえてそこには触れず、視線だけで軽蔑の意を示した。そしてしばしの沈黙の後、目を泳がせているロイを見てくすりと笑うと、ちょっとからかいたくなってしまった。
「だから言ったのよ。恋をしてから来てって」
初めてあったときの皮肉を持ち出されたロイは、眉を少しだけ上げながら、意地の悪い笑みを浮かべてこう返した。
「なるほどな。それで?代筆屋殿はさぞ素晴らしい恋をしてきたんだろう?」
真正面からの仕返しに、私は一瞬ぐっと喉を詰まらせる。紅茶がまだ半分ほど残ったカップを置き、斜めに視線を落とした。
「どうかしら。自分のことはわからないわ」
「ゼンは違うんだろう?」
「どうしてそう思うの?ゼンが恋人かもしれないじゃない」
「それはないな。ふたりの雰囲気を見てたらわかる。それにあいつ、最初に会ったとき『うちのカレン』って言ったんだ。……家族なんだろう?」
「ふふっ。よくわかったわね。ゼンは私の弟よ。たったひとりの家族なの」
「似てないな」
ロイは何の遠慮もなくそう言ったけれど、不思議と深いにはならなかった。
「ええ、血はつながってない。でも、大切な弟よ」
「そうか」
「そうよ」
「なんにせよ、これで俺の心配事はひとつ晴れた」
「はい?」
「ごちそうさま。この菓子とお茶うまかった。またな」
「え、ええ。さようなら」
ロイは椅子に掛けてあった上着を取ると、それを手に持ったまま店を出て行った。私は何かもやっとしたものを胸に感じ、それを振り払うように深呼吸をする。
テーブルの上には、きれいに食べられた後の皿が残っていた。
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