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29.天幕で、2人きりで
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マルティン様と天幕に入ってから、2人ともずっと無言だった。
緊張しているだけの私と違って、マルティン様はなにやら考え事をされている雰囲気だ。
そりゃそうだ。聖騎士団総員10万人の命を預かられているのだ。その後ろにはフェステトゥア王国、全国民の命がある。
考えなくちゃいけないこと、いっぱいあるよね。
音をたてないように気を付けながら、そっと深呼吸をする。
つい先日まで同じ部屋で寝てたんだから余裕余裕と思っていた私だけど、こんなに緊張させられたのは、確実にアンドレアスさんの言葉だ。
――天幕では優しくしてやってくださいね。
だなんて、完全にエロいニュアンスで言われて、意識しない訳がない。
私だって頑張ってるけど、もともと恋愛経験皆無の初心なご令嬢なんだぞ? 箱入り娘どころか、街ごと用意された街入り娘だというのに……。
でも、エミリアさんの話も心に残った。
「アンドレアス殿は、下世話になんでもズケズケからかうが、マルティン様の『女嫌い』を冷やかしたことは、一度もない」
「そうなんですね……」
「ああ見えて、人の触れてはいけないところは、キチンと見ておられる方なんだ……人相は悪いが」
私に『子づくり』は触れていいところってことかしら……?
お陰で、ガチガチに緊張してしまってますけど。
ランタンの灯りだけの小さな天幕の中で、少し離れて横になっている。
魔王が復活しなければ、同じベッドで寝ることに挑戦するはずだったけど、こんな小さな天幕の中で2人きりだったら、そう違いはないような気がする。
マルティン様の方に、そっと顔を向けたら目が合った。
「やっと、こっちを向いてくださった……」
「え? ……見てらしたんですか? 私のこと」
マルティン様は、私の問いには応えず、優しく微笑まれた。……私のことを労わってくださるような、慈しんでくださるような笑顔だった。
「慌ただしく出兵してしまいましたが、今日はアリエラにはショックな光景も多かったでしょう……」
「それは……。はい」
私も笑顔をつくった。
「でも、一番すごかったのは、マルティン様の魔法です!」
「《無限光箭》ですね?」
「《無限光箭》というのですね!? マルティン様にしか使えないって、アンドレアスさんが言ってました!」
ワイバーンの大群を一瞬で全滅させた、無数の《光の矢》。
平和で牧歌的に育った私には、衝撃的な光景だった。あまりの威力と、美しさと……、大規模な魔法がつくる景色の玄妙さは、荘厳で神秘的でさえあった。
「あれが、聖騎士として私の"本当の姿"です」
「私はそれを、やっと見られたのですね!?」
「そんなに喜んでいただけるのなら、新婚旅行でもお見せすれば良かった」
「そんな、雑魚魔物を相手に使われる魔法ではないのでしょう?」
「…………本当のことを言うとワイバーンごときを相手に使うような魔法でもないのです」
「そうなのですね!?」
私は明るい声で目を輝かせた。
だけど、同じ景色を見ていたアンドレアスさんは、
――魔王戦に備えて魔力を温存しなくてはいけないのですが、負傷兵の多さに耐えられなくなったか……。
と、顔をしかめていた。
でもそれは、私が口出しするようなことじゃない。私は、私の驚きと感動を、素直にマルティン様にお伝えしたいのだ。
「でも、なんで急にワイバーンの大群が……? 王都とグリュンバウワー領の間で魔物の話など聞いたことがありませんでしたのに。やはり魔王の影響なのですか?」
「そうですね……。魔王が発生すると、四方に『魔将』を出現させ、成育途中の自分を守らせます……」
マルティン様は、ご自身で状況を確認するように、私に優しく語りかけてくれる。
「成育し切った魔王は倒すのがより困難になります。それが、聖女の出現を待てなかった理由です」
マルティン様も冷静さを保とうと必死なのだ。
聖女空位で魔王を討伐した前例はない。
「魔将は魔物を引き寄せて統率し始めます……」
「今日のワイバーンもそうなのですね? 魔将のところに向かっていたのですね?」
「ええ、恐らく。なので、出来るだけ速く魔将を攻略し、より未熟な状態の魔王を急襲し討伐するというのが、我々の基本戦略です」
やるべきこと――は、探せば無限にあるのだろう。
マルティン様の語り口は、やれること――を、確認しているかのようだった。
――魔王を倒す。
なんて甘美な言葉だと思うけど、それは、私が魔王を物語の中でしか知らないから。
その意味を本当にお知りのマルティン様には、道のりの一歩一歩が見えている。今日のワイバーン退治ですら、一歩になっているのか、私には定かではない。
労わり、励まし、慈しむことしか私にはできない。
だからといって、抱き締めたら、手を握ったら、もしかするとマルティン様のご負担になってしまうかもしれない。
今は、私に気をとられてほしくない。
なら、来るなという話なのだけど、どうしても側にいてあげたかったし、私はあの時、行かなくてはいけない気がしてならなかったのだ。
「さあ、マルティン様。お休みになりましょう? 瞼が重くなられているようですよ」
「う……、うん……そうか……」
「ランタン……、消しますね」
「……ありがとう」
ランタンのホヤを上げ、ふっ、と息を吹きかけた。
真っ暗になった天幕の中で、すぐにマルティン様の寝息が聞こえた。
きっと、夜襲などあればスグに飛び起きて、すぐに前線に突っ込んで行かれるのだろう。
けれど、もしかして少しだけ、自惚れてよいなら少しだけ、マルティン様の張り詰めた神経を解して、少しだけ早く眠りに就いていただけたのだとするなら、私がここにいる意味はあった。
――必要とされるまでは待機。必要とされたら素早く動く。それしかありません。
アンドレアスさんが言っていたことは、きっとその通りだ。
悪人面、なかなかイイこと言ってる。
――魔王討伐中に子どもを授かったりしたら、王国史に残る伝説になりますぜ?
いや、それはいい。
今、思い出さなくていい。
……公私混同を嫌うマルティン様、それに聖騎士団の皆様にしても、妻である私の帯同を認めてくださっているのは、それだけの重圧がマルティン様にのしかかっているということ。
今日の戦闘を目の当たりにして、改めて実感した。
やはり、生の説得力は違う。
マルティン様が魔王の前に立つことをお望みである以上、最後までお供させてください。
どうせ、逃げられないんでしょう?
あんなにお苦しみになっているお母様のことでさえ、忘れようとはされませんものね。まだ、真正面から受け止めようとされてる。だから苦しいのに。
普通、逃げちゃいますよ?
ほら。私、こんなにマルティン様のことが解ってる。
お仕事が終わったら、また私だけを見る時間もつくってくださいね。早く終わるように、私も少しだけお手伝いさせていただきますから。
明日もマルティン様に笑顔が見せられるように、私も早く眠りに落ちよう。
暗闇の中で、お顔の輪郭を探してる場合では、ない――。
緊張しているだけの私と違って、マルティン様はなにやら考え事をされている雰囲気だ。
そりゃそうだ。聖騎士団総員10万人の命を預かられているのだ。その後ろにはフェステトゥア王国、全国民の命がある。
考えなくちゃいけないこと、いっぱいあるよね。
音をたてないように気を付けながら、そっと深呼吸をする。
つい先日まで同じ部屋で寝てたんだから余裕余裕と思っていた私だけど、こんなに緊張させられたのは、確実にアンドレアスさんの言葉だ。
――天幕では優しくしてやってくださいね。
だなんて、完全にエロいニュアンスで言われて、意識しない訳がない。
私だって頑張ってるけど、もともと恋愛経験皆無の初心なご令嬢なんだぞ? 箱入り娘どころか、街ごと用意された街入り娘だというのに……。
でも、エミリアさんの話も心に残った。
「アンドレアス殿は、下世話になんでもズケズケからかうが、マルティン様の『女嫌い』を冷やかしたことは、一度もない」
「そうなんですね……」
「ああ見えて、人の触れてはいけないところは、キチンと見ておられる方なんだ……人相は悪いが」
私に『子づくり』は触れていいところってことかしら……?
お陰で、ガチガチに緊張してしまってますけど。
ランタンの灯りだけの小さな天幕の中で、少し離れて横になっている。
魔王が復活しなければ、同じベッドで寝ることに挑戦するはずだったけど、こんな小さな天幕の中で2人きりだったら、そう違いはないような気がする。
マルティン様の方に、そっと顔を向けたら目が合った。
「やっと、こっちを向いてくださった……」
「え? ……見てらしたんですか? 私のこと」
マルティン様は、私の問いには応えず、優しく微笑まれた。……私のことを労わってくださるような、慈しんでくださるような笑顔だった。
「慌ただしく出兵してしまいましたが、今日はアリエラにはショックな光景も多かったでしょう……」
「それは……。はい」
私も笑顔をつくった。
「でも、一番すごかったのは、マルティン様の魔法です!」
「《無限光箭》ですね?」
「《無限光箭》というのですね!? マルティン様にしか使えないって、アンドレアスさんが言ってました!」
ワイバーンの大群を一瞬で全滅させた、無数の《光の矢》。
平和で牧歌的に育った私には、衝撃的な光景だった。あまりの威力と、美しさと……、大規模な魔法がつくる景色の玄妙さは、荘厳で神秘的でさえあった。
「あれが、聖騎士として私の"本当の姿"です」
「私はそれを、やっと見られたのですね!?」
「そんなに喜んでいただけるのなら、新婚旅行でもお見せすれば良かった」
「そんな、雑魚魔物を相手に使われる魔法ではないのでしょう?」
「…………本当のことを言うとワイバーンごときを相手に使うような魔法でもないのです」
「そうなのですね!?」
私は明るい声で目を輝かせた。
だけど、同じ景色を見ていたアンドレアスさんは、
――魔王戦に備えて魔力を温存しなくてはいけないのですが、負傷兵の多さに耐えられなくなったか……。
と、顔をしかめていた。
でもそれは、私が口出しするようなことじゃない。私は、私の驚きと感動を、素直にマルティン様にお伝えしたいのだ。
「でも、なんで急にワイバーンの大群が……? 王都とグリュンバウワー領の間で魔物の話など聞いたことがありませんでしたのに。やはり魔王の影響なのですか?」
「そうですね……。魔王が発生すると、四方に『魔将』を出現させ、成育途中の自分を守らせます……」
マルティン様は、ご自身で状況を確認するように、私に優しく語りかけてくれる。
「成育し切った魔王は倒すのがより困難になります。それが、聖女の出現を待てなかった理由です」
マルティン様も冷静さを保とうと必死なのだ。
聖女空位で魔王を討伐した前例はない。
「魔将は魔物を引き寄せて統率し始めます……」
「今日のワイバーンもそうなのですね? 魔将のところに向かっていたのですね?」
「ええ、恐らく。なので、出来るだけ速く魔将を攻略し、より未熟な状態の魔王を急襲し討伐するというのが、我々の基本戦略です」
やるべきこと――は、探せば無限にあるのだろう。
マルティン様の語り口は、やれること――を、確認しているかのようだった。
――魔王を倒す。
なんて甘美な言葉だと思うけど、それは、私が魔王を物語の中でしか知らないから。
その意味を本当にお知りのマルティン様には、道のりの一歩一歩が見えている。今日のワイバーン退治ですら、一歩になっているのか、私には定かではない。
労わり、励まし、慈しむことしか私にはできない。
だからといって、抱き締めたら、手を握ったら、もしかするとマルティン様のご負担になってしまうかもしれない。
今は、私に気をとられてほしくない。
なら、来るなという話なのだけど、どうしても側にいてあげたかったし、私はあの時、行かなくてはいけない気がしてならなかったのだ。
「さあ、マルティン様。お休みになりましょう? 瞼が重くなられているようですよ」
「う……、うん……そうか……」
「ランタン……、消しますね」
「……ありがとう」
ランタンのホヤを上げ、ふっ、と息を吹きかけた。
真っ暗になった天幕の中で、すぐにマルティン様の寝息が聞こえた。
きっと、夜襲などあればスグに飛び起きて、すぐに前線に突っ込んで行かれるのだろう。
けれど、もしかして少しだけ、自惚れてよいなら少しだけ、マルティン様の張り詰めた神経を解して、少しだけ早く眠りに就いていただけたのだとするなら、私がここにいる意味はあった。
――必要とされるまでは待機。必要とされたら素早く動く。それしかありません。
アンドレアスさんが言っていたことは、きっとその通りだ。
悪人面、なかなかイイこと言ってる。
――魔王討伐中に子どもを授かったりしたら、王国史に残る伝説になりますぜ?
いや、それはいい。
今、思い出さなくていい。
……公私混同を嫌うマルティン様、それに聖騎士団の皆様にしても、妻である私の帯同を認めてくださっているのは、それだけの重圧がマルティン様にのしかかっているということ。
今日の戦闘を目の当たりにして、改めて実感した。
やはり、生の説得力は違う。
マルティン様が魔王の前に立つことをお望みである以上、最後までお供させてください。
どうせ、逃げられないんでしょう?
あんなにお苦しみになっているお母様のことでさえ、忘れようとはされませんものね。まだ、真正面から受け止めようとされてる。だから苦しいのに。
普通、逃げちゃいますよ?
ほら。私、こんなにマルティン様のことが解ってる。
お仕事が終わったら、また私だけを見る時間もつくってくださいね。早く終わるように、私も少しだけお手伝いさせていただきますから。
明日もマルティン様に笑顔が見せられるように、私も早く眠りに落ちよう。
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