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22.魅力的なアドバイスね
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ミカンの出荷にわたしが同行しなかったことに驚いたビットが、
先に帰って来たカーニャ2号に乗って、はるばるロッサマーレまで駆け付けてくれた。
「う~ん、それはややこしいことになってるねぇ~」
わたしの執務室のソファにもたれて、一緒にうなってくれた。
「そうなのよ。……フェルスタイン王国の恥をさらすようで、お恥ずかしいんだけど」
「で、どう? ……勝てそう?」
「う~ん……。お父様も全力で対抗してくださってるみたいなんだけど……」
「危ない?」
「……むこうが相討ちねらいなのがねぇ~」
「あ――っ」
と、顔を両手で覆うビット。
正直なところ、こうして一緒に悩んでくれるだけでも、とても心が安らぐ。
ただ――、
顔のまえにあてた手の指をおおきく開いて、その隙間からわたしを見つめてきたビットの目は、笑っていた。
「僕ねぇ~、絶対、勝てる方法を知ってるよ~」
「えっと……、どうして?」
突拍子もないビットの言葉に、その方法よりも、
なんでそんなことを? という疑問のほうが先に立った。
「だって、ラヴェンナーノ帝国なんて、領有権争いの本家本元、家元、元祖、とにかく、いつもどこかで争ってるんだよぉ~?」
「ああ……、すごく版図がひろいものね……」
「だから、解決のためのノウハウだって、いやでも蓄積されていくってわけ~」
「なるほど。その調子で喋るビットにしては珍しく、とても説得力があるわ」
「ふふ~ん。知りたい? カーニャ、教えてほしい?」
「もちろん! お願いします」
「う~ん……、この前は海上保険のことを、カーニャが僕に教えてくれたしなぁ~」
「ええ……」
「……上手くいったら、今度こそ唇と唇のキスでいいよぉ~?」
「…………はあっ?」
「え~? ダメ~?」
だから、子犬のような目でわたしを見てくるのはやめてほしい……。
「わ、わかったわよ。う、上手くいったらだからね」
「……ふふっ。やったぁ~」
小声で喜ぶのも、本気にしちゃいそうになるから、やめてほしい……。
「それで? ……どんな方法だと、絶対に勝てるの?」
「君主の権威を借りるんだよ。今回だとフェルスタインの国王陛下だね」
「……どうやって?」
「献上しちゃうの。ロッサマーレを国王陛下に」
「はあ? ……それじゃあ、わたしの領地じゃなくなるじゃない。ゾンダーガウ公爵家に負けてないけど、勝ってもないわ」
「そこで、ひと工夫」
「……ひと工夫?」
「ひとひねり、の方がいいかな?」
「どっちでもいいわよ。はやく教えてよ」
「だって、カーニャが怖い顔してるからさ……」
「えっ……?」
「……カーニャは、笑ってる方がキレイだよ?」
そばの姿見に映したわたし――カロリーナは、
原作カロリーナばりに怜悧で、鋭い表情をしていた。
イーッと、口をおおきく横に広げてから、両方のほっぺたを手でむにーっと、うえに押し上げる。
そして、手を放してからビットの方に顔を向けた。
「これで、どうかしら? うふふ」
「う~ん、いつものキレイなカーニャが帰ってきたね!」
「ふふっ、ありがとう。お世辞でも嬉しいわ。それで、陛下に献上してからどうしたらいいの?」
「献上するまえに、ひと工夫」
と、ビットが顔の前に人差し指をピンッと立てた。
「……献上する、まえ?」
「そう。献上する条件として関税の一部――、ロッサマーレだと港湾使用料かな? とにかく、それをさし出す代わりに、世襲総督権を求める」
「……世襲総督権」
「そうすることで、国王陛下や王家は末永くロッサマーレからあがる利益を受け取れる。そして、カーニャは実質的な支配権を手放さずに、ずっとロッサマーレを治められるし、子どもが出来ても継承させることが出来る」
「ちょっと待って、ビット。でも、ロッサマーレに海軍なんかないわよ?」
「それは〈提督〉だね」
「あ」
「よく間違えられるから。〈総督〉は属州の行政長官。……ロッサマーレの規模なら、王国自由都市ってところかな?」
「……な、なるほど」
「シエナロッソの総督位も、もともとはそうして生まれたんだ。まあ、回り回って結局、皇太子位と一体化しちゃったんだけど……、そんなことは普通の領有権でもよくある話でしょ?」
「そうね……」
「だから、ロッサマーレは王家直轄の〈王国自由都市〉になって、カーニャはそこの女総督様になるって方法」
「た、たしかに……、それならゾンダーガウ公爵家といえども、手出しは出来なくなるわね……」
「それに、諸侯国連合っぽいフェルスタイン王国といっても、王国が握る軍権に対して貢納や軍役の義務は負ってるでしょ?」
「え、ええ。高くはないけど」
「その義務がなくなることを思えば、港湾使用料の一部を差し出しても、カーニャの収支としてはトントンくらいには収まるかな」
「……なるほど」
「正式な裁判に持ち込まれる前が勝負の裏技だよ~?」
「で、でも、そんな大それたこと、わたしに出来るかしら……?」
「そこはほら、お父上の出番じゃない?」
「お父様の……」
「きっと因縁つけてきたライバル公爵家の鼻をあかせるとなったら、嬉々としてやってくれるんじゃない?」
「分かった。ありがとう、ビット! すぐお父様に書簡を……」
「ダメダメ~」
「えっ……?」
「スピード勝負で畳みかけないと。それにはカーニャ自身が王都に乗り込んで、お父上を前に立てながら、ここぞという時に、ご本人様登場~っ! って、やらないとね」
「……な、なるほど。勉強になります」
「上手くいったら、カーニャの総督就任式には来賓で呼んでねぇ~」
「えっ……?」
「名目上は王家直轄になるんだし、ラヴェンナーノ帝国とフェルスタイン王国が正式に国交をひらくにはいいタイミングでしょ?」
「重ね重ね、勉強になります」
「カーニャは商いや経済には、ビックリするような冴えをみせるけど、政治や外交には疎いもんね~」
「め、面目ない……」
「でも、政治と経済のつながりが腑に落ちたら、もっともっと儲けられるよぉ~?」
「それは魅力的なアドバイスね」
「カーニャの商才が、国を富ませることにもなるし、両方はつながってるんだよね。特に領主とか総督って立場だと」
「……ビットって」
「ん~? なに?」
「ほんとに皇太子殿下だったのね」
「なに? 信じてなかったの~?」
「……ちょっと?」
冗談めかして笑うわたしに、ビットは照れたように鼻のあたまをかいた。
「ふふっ。用心深いことも商才には大切な要素だよね~」
「そう言ってもらえると……」
「あっ! そうそう、総督就任式の来賓に来ることを『皇太子殿下ご本人からご了承いただいております!』って、言い切ってて大丈夫だからね~」
「……ありがとう」
「お父上にも伝えて、うまく交渉のカードに使ってもらってねぇ~」
「分かったわ」
「よ~し! じゃあ、行ってらっしゃ~い!」
と、ビットの笑顔に見送られ、わたしは勢いよく席を立つ。
けれど、ドアのまえに立つと、うしろからビットのちいさな声がした。
「……あとねぇ、カーニャ」
「ん? なに? ……まだ、なにかあるの?」
「僕、ほんとはゾンダーガウ公爵の次の一手も読めちゃってるんだよね」
「……次の一手?」
「そう、裁判を膠着させたあと、なにを狙ってるのか」
と、うなずくビットはこれまで見たことのない、飄々とした涼やかな表情を浮かべていた。
いや、涼やかというより、怜悧な表情と言ってもいい――、
為政者の表情。
わたしは思わず、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「……聞きたい?」
「ビットは話したくなさそうね」
「ははっ。……う~ん。僕とカーニャの間に、国境っていう壁が立ち塞がってるって話でもあるからね」
わたしは、ビットのまえに座り直す。
「ビットはどう思う? わたしは聞いた方がいい話?」
「……カーニャは聞いて損がない。話す僕は、ちょっとだけ損をするかもしれない。いや、ちょっとじゃないかな?」
「ん。じゃあ聞くわ」
「ははっ。ひどいな」
「ううん。埋め合わせは必ずする」
「ふふっ。カーニャが約束を破ったことはないからね。信じるよ」
「ありがとう、ビット」
「じゃあ……、まずは第2王子くんと娘を結婚させた理由だけど――……」
ビットが淡々と語って聞かせてくれる、ゾンダーガウ公爵の企み。
わたしとリアは、目を見張りながら耳をそば立てた――。
先に帰って来たカーニャ2号に乗って、はるばるロッサマーレまで駆け付けてくれた。
「う~ん、それはややこしいことになってるねぇ~」
わたしの執務室のソファにもたれて、一緒にうなってくれた。
「そうなのよ。……フェルスタイン王国の恥をさらすようで、お恥ずかしいんだけど」
「で、どう? ……勝てそう?」
「う~ん……。お父様も全力で対抗してくださってるみたいなんだけど……」
「危ない?」
「……むこうが相討ちねらいなのがねぇ~」
「あ――っ」
と、顔を両手で覆うビット。
正直なところ、こうして一緒に悩んでくれるだけでも、とても心が安らぐ。
ただ――、
顔のまえにあてた手の指をおおきく開いて、その隙間からわたしを見つめてきたビットの目は、笑っていた。
「僕ねぇ~、絶対、勝てる方法を知ってるよ~」
「えっと……、どうして?」
突拍子もないビットの言葉に、その方法よりも、
なんでそんなことを? という疑問のほうが先に立った。
「だって、ラヴェンナーノ帝国なんて、領有権争いの本家本元、家元、元祖、とにかく、いつもどこかで争ってるんだよぉ~?」
「ああ……、すごく版図がひろいものね……」
「だから、解決のためのノウハウだって、いやでも蓄積されていくってわけ~」
「なるほど。その調子で喋るビットにしては珍しく、とても説得力があるわ」
「ふふ~ん。知りたい? カーニャ、教えてほしい?」
「もちろん! お願いします」
「う~ん……、この前は海上保険のことを、カーニャが僕に教えてくれたしなぁ~」
「ええ……」
「……上手くいったら、今度こそ唇と唇のキスでいいよぉ~?」
「…………はあっ?」
「え~? ダメ~?」
だから、子犬のような目でわたしを見てくるのはやめてほしい……。
「わ、わかったわよ。う、上手くいったらだからね」
「……ふふっ。やったぁ~」
小声で喜ぶのも、本気にしちゃいそうになるから、やめてほしい……。
「それで? ……どんな方法だと、絶対に勝てるの?」
「君主の権威を借りるんだよ。今回だとフェルスタインの国王陛下だね」
「……どうやって?」
「献上しちゃうの。ロッサマーレを国王陛下に」
「はあ? ……それじゃあ、わたしの領地じゃなくなるじゃない。ゾンダーガウ公爵家に負けてないけど、勝ってもないわ」
「そこで、ひと工夫」
「……ひと工夫?」
「ひとひねり、の方がいいかな?」
「どっちでもいいわよ。はやく教えてよ」
「だって、カーニャが怖い顔してるからさ……」
「えっ……?」
「……カーニャは、笑ってる方がキレイだよ?」
そばの姿見に映したわたし――カロリーナは、
原作カロリーナばりに怜悧で、鋭い表情をしていた。
イーッと、口をおおきく横に広げてから、両方のほっぺたを手でむにーっと、うえに押し上げる。
そして、手を放してからビットの方に顔を向けた。
「これで、どうかしら? うふふ」
「う~ん、いつものキレイなカーニャが帰ってきたね!」
「ふふっ、ありがとう。お世辞でも嬉しいわ。それで、陛下に献上してからどうしたらいいの?」
「献上するまえに、ひと工夫」
と、ビットが顔の前に人差し指をピンッと立てた。
「……献上する、まえ?」
「そう。献上する条件として関税の一部――、ロッサマーレだと港湾使用料かな? とにかく、それをさし出す代わりに、世襲総督権を求める」
「……世襲総督権」
「そうすることで、国王陛下や王家は末永くロッサマーレからあがる利益を受け取れる。そして、カーニャは実質的な支配権を手放さずに、ずっとロッサマーレを治められるし、子どもが出来ても継承させることが出来る」
「ちょっと待って、ビット。でも、ロッサマーレに海軍なんかないわよ?」
「それは〈提督〉だね」
「あ」
「よく間違えられるから。〈総督〉は属州の行政長官。……ロッサマーレの規模なら、王国自由都市ってところかな?」
「……な、なるほど」
「シエナロッソの総督位も、もともとはそうして生まれたんだ。まあ、回り回って結局、皇太子位と一体化しちゃったんだけど……、そんなことは普通の領有権でもよくある話でしょ?」
「そうね……」
「だから、ロッサマーレは王家直轄の〈王国自由都市〉になって、カーニャはそこの女総督様になるって方法」
「た、たしかに……、それならゾンダーガウ公爵家といえども、手出しは出来なくなるわね……」
「それに、諸侯国連合っぽいフェルスタイン王国といっても、王国が握る軍権に対して貢納や軍役の義務は負ってるでしょ?」
「え、ええ。高くはないけど」
「その義務がなくなることを思えば、港湾使用料の一部を差し出しても、カーニャの収支としてはトントンくらいには収まるかな」
「……なるほど」
「正式な裁判に持ち込まれる前が勝負の裏技だよ~?」
「で、でも、そんな大それたこと、わたしに出来るかしら……?」
「そこはほら、お父上の出番じゃない?」
「お父様の……」
「きっと因縁つけてきたライバル公爵家の鼻をあかせるとなったら、嬉々としてやってくれるんじゃない?」
「分かった。ありがとう、ビット! すぐお父様に書簡を……」
「ダメダメ~」
「えっ……?」
「スピード勝負で畳みかけないと。それにはカーニャ自身が王都に乗り込んで、お父上を前に立てながら、ここぞという時に、ご本人様登場~っ! って、やらないとね」
「……な、なるほど。勉強になります」
「上手くいったら、カーニャの総督就任式には来賓で呼んでねぇ~」
「えっ……?」
「名目上は王家直轄になるんだし、ラヴェンナーノ帝国とフェルスタイン王国が正式に国交をひらくにはいいタイミングでしょ?」
「重ね重ね、勉強になります」
「カーニャは商いや経済には、ビックリするような冴えをみせるけど、政治や外交には疎いもんね~」
「め、面目ない……」
「でも、政治と経済のつながりが腑に落ちたら、もっともっと儲けられるよぉ~?」
「それは魅力的なアドバイスね」
「カーニャの商才が、国を富ませることにもなるし、両方はつながってるんだよね。特に領主とか総督って立場だと」
「……ビットって」
「ん~? なに?」
「ほんとに皇太子殿下だったのね」
「なに? 信じてなかったの~?」
「……ちょっと?」
冗談めかして笑うわたしに、ビットは照れたように鼻のあたまをかいた。
「ふふっ。用心深いことも商才には大切な要素だよね~」
「そう言ってもらえると……」
「あっ! そうそう、総督就任式の来賓に来ることを『皇太子殿下ご本人からご了承いただいております!』って、言い切ってて大丈夫だからね~」
「……ありがとう」
「お父上にも伝えて、うまく交渉のカードに使ってもらってねぇ~」
「分かったわ」
「よ~し! じゃあ、行ってらっしゃ~い!」
と、ビットの笑顔に見送られ、わたしは勢いよく席を立つ。
けれど、ドアのまえに立つと、うしろからビットのちいさな声がした。
「……あとねぇ、カーニャ」
「ん? なに? ……まだ、なにかあるの?」
「僕、ほんとはゾンダーガウ公爵の次の一手も読めちゃってるんだよね」
「……次の一手?」
「そう、裁判を膠着させたあと、なにを狙ってるのか」
と、うなずくビットはこれまで見たことのない、飄々とした涼やかな表情を浮かべていた。
いや、涼やかというより、怜悧な表情と言ってもいい――、
為政者の表情。
わたしは思わず、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「……聞きたい?」
「ビットは話したくなさそうね」
「ははっ。……う~ん。僕とカーニャの間に、国境っていう壁が立ち塞がってるって話でもあるからね」
わたしは、ビットのまえに座り直す。
「ビットはどう思う? わたしは聞いた方がいい話?」
「……カーニャは聞いて損がない。話す僕は、ちょっとだけ損をするかもしれない。いや、ちょっとじゃないかな?」
「ん。じゃあ聞くわ」
「ははっ。ひどいな」
「ううん。埋め合わせは必ずする」
「ふふっ。カーニャが約束を破ったことはないからね。信じるよ」
「ありがとう、ビット」
「じゃあ……、まずは第2王子くんと娘を結婚させた理由だけど――……」
ビットが淡々と語って聞かせてくれる、ゾンダーガウ公爵の企み。
わたしとリアは、目を見張りながら耳をそば立てた――。
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