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目覚めた朝
しおりを挟む「いったい、ここはどこだろう」
ついこの間の冬、17歳の誕生日を迎えた少女は、呟いた。
大人3人でも余裕で寝転べてしまいそうな大きなベッドには、やわらかな桃色をした花柄の掛け布団が。
真っ白な木製の枠に縁取られた少し大きめの窓に目をやると、綺麗に手入れされた芝生が、
白樺の柵に囲われていた。よく見ると、イベリスの花が咲いていた。
『コンコンコン』見るからに古そうな木製のドアが、開かれた。「失礼します」
ほとんど装飾されておらず、丈の長いドレスを着た、やや年上の女性が現れた。
「お目覚めになられたんですね」
「あ、あの…」
「いかがなさいましたか、エレオノーラ様」
ふと、側に置いてある鏡に気付き、驚愕した。
そこに写っているのは、サファイアのような瞳に、透き通るような金色の髪をもつ少女だ。
『えっ……』
「わ、私は、誰?」
私がそう言うと、彼女は深刻そうな表情を浮かべた。
「いいえ…お嬢様、あなたは間違いなくエレオノーラ・フォースター様ですよ。」
それでも不思議そうな顔をする私に、さらに深刻そうな表情で、
「お嬢様は、昨日の感謝祭の会場で躓かれたとき、きっと、頭を打ってしまわれたんですよ」
「お医者様をお呼びします」そう言い、部屋を去ろうとする彼女を呼び止め
私は問うた。
「あなたは、誰?」
彼女はヘーゼルの瞳を細め、今度はやわらかな笑みを浮かべながら、
「アメリアですよ」
そう言って、部屋を後にした。
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