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【死神ファンタジーBL】6話(2)【あらすじショート動画あり】
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〈現在レース更新中〉
↓↓以下の作品のあらすじ動画のビュー増加数に応じて、
週末に更新する作品を決めさせていただいていますm
◆『不惑の森』(ミステリーBL)
https://youtube.com/shorts/uVqBID0eGdU
◆『ハッピー・ホーンテッド・マンション』(死神×人間BL)
https://youtube.com/shorts/GBWun-Q9xOs
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だが、我慢もこれほど重なれば限界を迎えてしまう。
「ルールはルールなんだ。ルールと決められた以上は、それを守るべきだ!」
感情が高ぶって、声がうわずってしまう。
見たところ男子生徒たちは、先生たちの悩みの種になっている不良生徒たちだった。全員、二年の始めに成績下位の生徒が振り分けられるD組の生徒たちで、校内、はたまた学校外でもタバコを吸う、喧嘩をするなど不良行為を繰り返していた。
(そんな幼稚なことして、何が楽しいんだ。迷惑になるだけじゃないか……)
「おい、なんだその目は。俺たちがここで何をしていようが、俺たちの勝手だろう。早く失せろ」
「ルールがなんだ。ルールは破るためにあるもんだってーの」
ハハハと笑う相手を前に、亘はパニックに似た怒りを感じ始めていた。
(なんでみんなわからないんだっ……!)
「おい、そこらへんにしておけよ」
その時、一番奥——非常ドアの近くから脳天気な声がした。
見ると、薄い色の髪をした男子が亘の方に向かってヘラヘラとした笑みを浮かべていた。
「まぁまぁ、今日ばっかりは俺に免じて許してよ」
アイドルのような端正な顔に、爽やかな笑顔。
女子ならそれだけで許してしまいそうだが、人の顔を認識するのさえ得意ではない亘には関係ない。
「……? どうして、あんたに免じて許すんだ?」
本気でわからなくて、小首を傾げる。すると、相手は傷ついたような顔をした。
「な、なんでって俺たち一緒のA組じゃん! 同じクラスになってもう四ヶ月は経つのに、まだクラスメイトの顔覚えてないのかよっ!」
男は他の生徒の間を割って、ずいと身体を寄せてきた。ひとさし指で自分のことを指さす。
「悠輝だよ! 覚えてない!?」
「あ……」
口元のほくろを見た時、ようやくピンときた。渡辺悠輝。確か亘の席の斜め横に座っている生徒だ。
彼はクラスのムードメーカー的存在で、よく人に囲まれてふざけているため、何度か「静かにしろ」と注意したことがある。
一応A組所属ということから勉強はそれなりに出来るが、授業中に寝る、無断早退はすると、素行に些か問題があるため、先生の手を焼かせていた。
「なんでこんなところにいるんだ? 次、移動授業だろう」
「いや、ちょっと一服——休憩してたんだよ」
悠輝は手に持っていた電子タバコをサッと後ろに隠した。今、亘に見つかれば、しっぽりと説教されるのは想像に固くないと思ってのことだろう。
「そういうお前は?」
「見ればわかるだろう。俺は移動中だ」
手に持っていた地理の教科書を掲げて見せる。選択授業である地理の教室は、旧校舎にあって本館から少し距離がある。他の生徒たちは校庭を突っ切ってショートカットをするが亘は入学当初から通っていた道を通い続けていた。
そのため教室に向かう途中で、毎回この物置スペースを横切ることになる。その度に不良生徒がたむろしているのを見て、我慢に我慢を重ねていたのだ。
そんなことも知らず、悠輝が脳天気に聞いてくる。
「な、良かったら一緒に行かない? 教科書持ってきてないから、見せてくれよ」
「なんで俺が。地理選択なのか?」
「へ、地理? 俺は生物だけど?」
本気でとぼける悠輝を見て、周りの生徒が爆笑した。
「悠輝、お前なに寝ぼけてるんだよ。地理なんて陰キャな人間しかとってないだろう。そこの誰かさんみたいに」
悪意に満ちた視線を感じて、亘は諦めたようにきびすを返した。
これ以上、ここにいては怒り出すどころか、パニックを起こすだけだ。
亘は背を向けて、そそくさと歩き始めた。
「おい、亘!また教室でな!」
驚いて振り返ると、悠輝は満面の笑みを浮かべて亘に手を振っていた。
その笑顔は夏の日差しよりも燦爛として眩しかった。
あれ以来、何かと悠輝とは話すようになって、お互いの家にまで行き来するようになった。
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「郁嵐(いくらん)」名義で
ブロマンス風のゆるい歴史ファンタジー小説も書いています。
新連載を始めましたので、気軽におこしくださいませ~
◆あらすじ動画
https://youtu.be/JhmJvv-Z5jI
※本編情報は概要欄にございます。
良い週をお過ごしください!
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