【死神 × 人間】『ハッピー・ホーンテッド・マンション』【1分あらすじ動画あり】

【死神ファンタジーBL】5話（1）【あらすじショート動画あり】

○●----------------------------------------------------●○
10／7（Mon）
閲覧いただき、ありがとうございます。
今回はビュー増加数が同数だったので
今週『ハッピー・ホーンテッド・マンション』、
来週に『不惑の森』を更新させていただきます。

動画を見てくださった方、ありがとうございます！

〈現在レース更新中〉
↓↓以下の作品のあらすじ動画のビュー増加数に応じて、
週末に更新する作品を決めさせていただいていますｍ

◆『不惑の森』（ミステリーBL）
https://youtube.com/shorts/uVqBID0eGdU
◆『ハッピー・ホーンテッド・マンション』（死神×人間BL）
https://youtube.com/shorts/GBWun-Q9xOs
○●----------------------------------------------------●○


「もちろん」
女医はきっぱりと言った。亘は知らずに、安堵のため息をついていた。

自分の頭はどうやら正常らしい。
だが、すぐにあることに思いいたって、全身が冷水にぶち込まれたように凍った。

もし、本当にあれが悠輝の幽霊だとしたら……。
目の裏で、昨日見た夢の一部が蘇ってくる。

『亘……許さないから……一生恨んでやる……』
『どうしてあんなことしたんだ……』

「──悠輝」
「ん、何？　亘」

初めてまともに話しかけられ、悠輝は嬉々として亘の前に身を乗り出してきた。

「ここから出ていってくれないか？」
「え？」
「俺はこの人と話があるから、出ていってくれ」
「で、でも。こいつは悪魔で──」
「安心しなさい。別に何もしないわよ。というか、何もできないし」

女医が不服そうに両手を上げた。悠輝が歯を剥き出しにして威嚇する。

「ふん、そんなの信じられるか。どうせ、亘を騙して頭から喰おうと──」
「悠輝」

亘は、悠輝の目の前に手を差し出した。

「え？　何？　お手？」
「な訳ないだろう。金だ。ここの診察代は俺が払っている。もしここにいたければ、自分の分は自分で出せ。お前が本当に悠輝なら知っているだろう。俺の人生のモットーは明朗会計だ」
「し、知ってるけど。でも俺、持っているとしても、三途の川を渡るための六文銭しか持ってなくて──」
「なら、そうゆうことだ」

と言い切ると、悠輝はしばらく不満そうに唇を歪ませたのち、

「……わかったよ」

渋々、ドアとは反対の壁を通り抜けて、外へ出ていった。
あまりにも幽霊っぽい行動に、正直、ずっこけそうになる。

「助かったわ」
ふうと息を吐いて、女医がイスにどかりと座った。

「で、何が聞きたいの？　私に聞きたいことがあるから、あいつを追い出したのでしょう？」
自身もイスに座った亘は、どうするか躊躇い、結局口を開いた。

「…………あいつは、本当にここにいるんですか？　その……生きて、いるんですか？」
女医は、きっぱりと首を横に振った。

「いいえ。生きてはいない。だけど、ここにいるのは確かよ」
女医が長い足を優雅に組み、イスの肘掛けに片肘をついた。

「貴方は認めたくないと思うけど、幽霊も悪魔も天使も仏も神も、さらには吸血鬼もゾンビも人狼も、確かにこの世に存在する。人間と同じく、遥か昔から」

亘は、長いため息をついた。
途方もない話だ。まるで現実味がない。受け入れることは到底できないだろう。

だが正直、そんなことは二の次だった。
今、ここにいるのはまぎれもなく、あの悠輝なのだ。
泣きたいのか、笑いたいのかわからない。

死んだ高校時代の友人が、戻ってきた。そのことを喜んでいいのか、泣きたいのか、自分でもわからなかった。
自分が傷つけ、退学に追いやった友人が。

○●----------------------------------------------------●○
「郁嵐（いくらん）」名義で
ブロマンス風のゆるい歴史ファンタジー小説も書いています。
新連載を始めましたので、気軽におこしくださいませ～

◆あらすじ動画
https://youtu.be/JhmJvv-Z5jI
※本編情報は概要欄にございます。

良い週をお過ごしください！
○●----------------------------------------------------●○