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物書未満

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第七章

アラフォー、新武器を手に入れる

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「うーむ、今日は……」
「セレファニスタ迷宮第十三層、最終層ですよね、残ってるのは」
「そうだなぁ……それしかないよなぁ」
 セレファニスタ迷宮も最終を残す形となったなった。今までの階層ではAやSランクの武具などがドロップし資金源ともなってくれていたが最終はどんな物があるのだろう。
「考えても仕方ないであろう?」
「それもそうだな。行くか!」
 ではでは向かうとしよう。

——
「これは……」
「まるで見た事のない光景じゃの」
 二人はそう言う。私も実際に見た事はない。だが地球の創作ではよくある光景だ。
 そう、荒廃した近未来世界だ。暗雲が立ち込め、ビルは崩れ、アスファルトも破れ、ガレキが散乱する。そんな世界。
「なにか……嫌な感じがします。この闇は」
「同感じゃな」
「ああ」
 この闇は酷い闇だ。歩を進める度にそう思う。と……
——ドドンドドン!
「敵だ!」
「えっ!? 魔物の反応なんて」
「我も感じなかったぞ」
 くっ、やはりか。敵は自我を持った無機物兵器……そう、ヘリや戦車、戦闘機そんな物だ。
「見えた! エアロカッター!」
——キンッ
「なっ、弾かれて!?」
「アイナ、危ない!」
——ドォン!
「くっ、何とか間に合った」
「ありがとう、Dさん」
「恐らく敵は完全な魔力耐性を持ってる。今頼れるのは龍化したヴィルベルの質量による攻撃だけだ!」
「やってやるのじゃ!」
「時間稼ぎを頼む! 私たちは武器を探そう! さっき見た大きな建物の中にあるはずだ」
 くっ、まさかこんな階層に出くわすとは! とにかく建物へ走る!

——
「はぁ、はぁ」
「着きましたね」
「ああ、とにかく物色だ」
 手分けして建物内部を素早く見て回る。どこかに武器庫が……あった!
「アイナー! 見つけたぞ!」
 中にはズラリと並ぶ銃火器の数々。奴らの装甲をブチ抜き、うるさい蝿を叩き落とす武器だ。
「見たことない……」
「とにかく収納してヴィルベルの加勢に向かおう。使い方は説明書を読めば分かる!」
 急ごう。

——
「ヴィルベルー! 戻ったぞ!」
「D!」
「ヴィルベル、ダメージは?」
「あまり大した事はないが……小蝿がうるさくてかなわん」
「了解! アイナ、『ダークエンハンス』」
——
「ダークエンハンス」
 あらゆる身体機能を向上させる。
——
「よっ、と! 確か……ロックオンだよね」
 二人して地対空ミサイルを構え、ヘリや航空機に向かって撃つ。どんどん撃ってバンバン落とす。戦車に対しては地対地ミサイルとロケットランチャーを駆使して迎撃。
 よし、順調だ。

——五時間後
「はぁ……はぁ……」
「うぐぅ……」
「これで終わり、かの……?」
 とんでもない戦車と航空機の波状攻撃に耐え、ようやく収まった。大量にあった銃火器もゼロだ。
「あ、ゲートが開きましたね」
 宝物庫へのゲートだ。何があるのだろう。少し重い体を動かして向かう。

——
「おー! 宝の山だー!」
「凄いのう。我の宝物庫程ではないがなかなか……」
 アイナは嬉々として鑑定して回る。鑑定スキルが最大のアイナは更なる高みを目指している。これだけあれば多少は限界突破できるか?
 そして私はというと二つのアタッシュケースを目の前にしている。
「Dさん。新たな武器ですね」
「ああ、開けるぞ」
「楽しみじゃのう」
 まず一つ目。出てきたのは四つの穴が空いた長い直方体。ご丁寧に説明書付きだ。
 そして二つ目。ああ、よく見た形状。言うまでもない、ロケットランチャーだ。
「さっき使ってたものと似ていますが」
「ああ。だが性能は分からない。ロディアに見てもらおう」
 とにかく宝を回収し、脱出。
 城へ帰ろう。

——
「これは凄いわね……迷宮最下層にあるのも頷けるわ」
 ロディアによると四連ランチャーは「LAS-D4」といい、いわゆる多目的ミサイルランチャーだそうだ。ロケットランチャーは「デモンズヒート」、シンプルなロケットランチャーにして大破壊力を誇るものらしい。
「どちらも異世界を旅したと言われる名工が作ったものよ。流石はDね。ただこの子たちを100%生かすには専用弾の開発が必要だわ。急ピッチで進めるから開発完了まで待ってて」

 よし、武器の正体が分かった。今日は休むとしよう。
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