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第五章
アラフォー、眠りの魔導錬金術師
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「よし、アイナ、ヴィルベル、小悪魔。準備できたな」
「大丈夫です」
「問題ないのじゃ」
「いつでも!」
さて、今日は城の西側にある大きな塔へ行く。みにでびるや妖精メイドでは開けられなかったらしい。何がいるのか分からない。万全を期していざ塔へ。
——
「ふーむ……『起こさないで』かぁ」
「ご丁寧に古代文字と魔族文字、龍族文字、神聖文字でも書いてあるのう……」
張り紙には様々な文字で起こすなと書いてある。余程なのだろう。
「魔物の類なら我が説得できる。開けてしまうがよいぞ」
「じゃあいくよ……」
扉に手をかける。意外にも簡単に開いた。
中を見れば大図書館。塔のてっぺんまで本で埋め尽くされている。しかし人や魔物の気配はない。なんだここは?
「あ、Dさん。この本棚、カラクリですよ」
「ほう……」
見た目にはただの本棚。しかし鑑定眼の前に看破されたようだ。
「うーん、あれをこっちにして、これを隅に置いて……」
アイナが手際良く本を入れ替えていく。すると……
——ゴゴゴゴゴ
本棚が動いた。奥へ続く通路に四人で入る。行き着いた先は……ベッドルーム? 天蓋付きのベッドに薄いピンクの服を着た女の子が眠っている。と、起き出した?
「……誰?」
寝ぼけ眼で問いかけてくる。可愛らしい女の子だが放つ魔力が尋常ではない。答えを間違えれば殺される!?
「おお! リヴェラではないか! 久しいのう!」
第一声はヴィルベル。知り合いなのか?
「ヴィルベル……? なんでここに……?」
放つ魔力が小さくなる。チャンスだ。
「今我はこのDの僕じゃ。そしてDはこの城の新しい主じゃよ」
「新しい城主様……? ふーん……私はリヴェラ……この図書館の司書……」
話を聞くとリヴェラはかなり昔から図書館を支配しているらしい。だが創建主は知らないようだ。曰く、必要ない記憶は消去している、とのこと。小悪魔も彼女の存在は知らなかったらしい。
「ヴィルベルは特別……私の極大魔法に打ち勝った……」
「あの魔法は凄かったのじゃ! 快感じゃったのう! もう一回撃ってくれんか?」
「無理……疲れる……」
なにかとんでもないことが起きていたようだ。首を突っ込まないでおこう。
「ヴィルベルを従えるなら貴方も特別……私は魔導錬金術師……面白い魔術、錬金には興味ある……貴方の魔力、変わってる……研究の余地あり……開けておくからたまに来て……おやすみ……あ、これ見て……図書の案内……」
一方的に言われてまたリヴェラは寝てしまった。起こしても得はないだろう。撤退だ。
——
「まさかリヴェラがいるとはのう。面白いこともあるものじゃ」
「うーん、城の留守を多少なりとも扱っていた私も知らない方だったとは」
「でも可愛かったですよ!」
「見た目は、の。齢は幾千を超えておる。当代の大賢者すらリヴェラには敵わんよ」
リヴェラから預かった図書の案内。複数言語で記されている。私の魔法はこの世界の既存の魔法とは違うし使えない。役立つとすればアイナや小悪魔だろう。
そういえば錬金もやっていると言っていた。百万年草が出来たら聞いてみるのも手だな。とにかく今は色々と拡張しなければ。資金繰りはオークションで、農作物はドリアードがマナポーションは生産エリアが作ってくれる。冒険もしつつ色々と情報を仕入れなければ。
——
リヴェラの身長は112cm。
人型のヴィルベルと同じくらい。
——
「大丈夫です」
「問題ないのじゃ」
「いつでも!」
さて、今日は城の西側にある大きな塔へ行く。みにでびるや妖精メイドでは開けられなかったらしい。何がいるのか分からない。万全を期していざ塔へ。
——
「ふーむ……『起こさないで』かぁ」
「ご丁寧に古代文字と魔族文字、龍族文字、神聖文字でも書いてあるのう……」
張り紙には様々な文字で起こすなと書いてある。余程なのだろう。
「魔物の類なら我が説得できる。開けてしまうがよいぞ」
「じゃあいくよ……」
扉に手をかける。意外にも簡単に開いた。
中を見れば大図書館。塔のてっぺんまで本で埋め尽くされている。しかし人や魔物の気配はない。なんだここは?
「あ、Dさん。この本棚、カラクリですよ」
「ほう……」
見た目にはただの本棚。しかし鑑定眼の前に看破されたようだ。
「うーん、あれをこっちにして、これを隅に置いて……」
アイナが手際良く本を入れ替えていく。すると……
——ゴゴゴゴゴ
本棚が動いた。奥へ続く通路に四人で入る。行き着いた先は……ベッドルーム? 天蓋付きのベッドに薄いピンクの服を着た女の子が眠っている。と、起き出した?
「……誰?」
寝ぼけ眼で問いかけてくる。可愛らしい女の子だが放つ魔力が尋常ではない。答えを間違えれば殺される!?
「おお! リヴェラではないか! 久しいのう!」
第一声はヴィルベル。知り合いなのか?
「ヴィルベル……? なんでここに……?」
放つ魔力が小さくなる。チャンスだ。
「今我はこのDの僕じゃ。そしてDはこの城の新しい主じゃよ」
「新しい城主様……? ふーん……私はリヴェラ……この図書館の司書……」
話を聞くとリヴェラはかなり昔から図書館を支配しているらしい。だが創建主は知らないようだ。曰く、必要ない記憶は消去している、とのこと。小悪魔も彼女の存在は知らなかったらしい。
「ヴィルベルは特別……私の極大魔法に打ち勝った……」
「あの魔法は凄かったのじゃ! 快感じゃったのう! もう一回撃ってくれんか?」
「無理……疲れる……」
なにかとんでもないことが起きていたようだ。首を突っ込まないでおこう。
「ヴィルベルを従えるなら貴方も特別……私は魔導錬金術師……面白い魔術、錬金には興味ある……貴方の魔力、変わってる……研究の余地あり……開けておくからたまに来て……おやすみ……あ、これ見て……図書の案内……」
一方的に言われてまたリヴェラは寝てしまった。起こしても得はないだろう。撤退だ。
——
「まさかリヴェラがいるとはのう。面白いこともあるものじゃ」
「うーん、城の留守を多少なりとも扱っていた私も知らない方だったとは」
「でも可愛かったですよ!」
「見た目は、の。齢は幾千を超えておる。当代の大賢者すらリヴェラには敵わんよ」
リヴェラから預かった図書の案内。複数言語で記されている。私の魔法はこの世界の既存の魔法とは違うし使えない。役立つとすればアイナや小悪魔だろう。
そういえば錬金もやっていると言っていた。百万年草が出来たら聞いてみるのも手だな。とにかく今は色々と拡張しなければ。資金繰りはオークションで、農作物はドリアードがマナポーションは生産エリアが作ってくれる。冒険もしつつ色々と情報を仕入れなければ。
——
リヴェラの身長は112cm。
人型のヴィルベルと同じくらい。
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