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第五章

アラフォー、汚染魔力に触れる

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——一週間後
「おはようございます! ご主人様!」
「ああ、おはよう、『みにでびる』ちゃんたち」
 時刻は朝。この常闇の城において時計は重要なアイテムだ。時の流れがわからなくなるからな。さて……今日は、っと。
「おはようございます。Dさん」
「待っておったぞ~」
 テラスで小悪魔の淹れてくれた紅茶を飲みながらゆったりとする。この一週間はバタついていた。食料確保諸々のためのシャドウテレポートゲートを設置し、敷地に生産エリアや工房エリアを建設するための会議。作業の大半は妖精メイドや「みにでびる」たちがやってくれるが素材や資材の仕入れは私たちがやるしかなかった。おかげでだいぶと資金を使ってしまった。
「アイナ、資金面は?」
「100万G程度かな……お城の運営にはちょっと不安な気がします」
「建設で色々使ったからのう……生産、工房エリアが安定すれば大きな収入源になるんじゃが」
「当面の資金繰りか……」
 原材料費もバカにならないし、今は研究の段階であるものも多い。ここは一つ……

「城の地下迷宮を攻略しよう」

 久々の迷宮攻略だ。

——ギギギギ
「おっ、と。開いた開いた」
 地下へと続く巨大な扉。この先に迷宮があると小悪魔は言っていた。
「ふむ……相当な迷宮じゃぞ。魔界に近しいかもしれん」
「緊張しますね……」
「ああ。ピリピリする。とにかく行ってみよう」
 さあ、攻略開始だ。

——ビリビリッ!
——バリバリッ!

「くあっ!」
「大丈夫ですか!?」
「どうしたのじゃ!?」
 先頭を進んだが一歩踏み込んだ時点で強い電撃のようなダメージ。なんと残機が減った!?
「ダメだ。ヴィルベルは入れるかもしれないが人間の私たちは入れない!」
「何? どれどれ……うっっ! これは極度に汚染された魔力じゃ! 漏れ出る前に閉めるぞ!」
——バタン!
「はぁ、はぁ……気持ち悪いのじゃ……」
「ヴィルベルが弱るなんて……」
「最初が私で良かった。残機を100もっていかれたよ」
 とにかく撤退だ。これは危険過ぎる……!

——

「ヴィルベル、大丈夫?」
「ああ、問題ない。小悪魔が淹れた解毒茶が効いておる」
「申し訳ありません……そんな危険な迷宮とは知らず……」
「小悪魔が気に病むことはないさ。他の手段を考えるよ」
 ヴィルベルの考察によるとあの迷宮は元は普通だったがなんらかの形で汚染魔力が流れ込んでいるらしい。汚染魔力は人間には低濃度でも劇毒、高濃度なら魔物でも中毒を起こすし、今回の汚染度はヴィルベルですら体調を崩す程の濃度だったようだ。
「お主が残機制でよかった。これに汚染されればタダではすまんがお主は一回死んだ扱いになるからの」
「普通の人間なら100回死んでる毒か……」
 とにかくあの迷宮は暫く封印だ。
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