vamp"D"

物書未満

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第二章

アラフォー、夜の廃坑へ

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「それにしても魔界のガンスミス、かぁ」
「ああ。とんでもない人と知り合ったものだ」
 日陰になっているカフェでお茶を嗜む。アイナの血のおかげで日中でもここまで活動できるようになった。まぁ、毎日毎日致さなければいけないわけではあるが。嫌ではない。
「今日はどうしましょう?」
「んー、夜の廃坑に行ってみようかと思う。たしかクエストがあったはずだ」
 メタラシア鉱山廃坑区域。使われなくなった坑道に魔物が住み着き今は一種の迷宮と化しているらしい。当然、夜は魔物が強力となり好き好んで挑戦する冒険者はいないようだ。なら、好都合である。
「ではお茶を切り上げて夜まで宿で休憩しましょう」
「そうだな」
 まぁ、この場合休憩は意味深なものになるわけだが。

——

「さぁやってきました、夜の廃坑!」
「テンション高いな、アイナは」
「だって、Dさんからいっぱいもらったから……」
「まぁかく言う私も元気なんだがな」
 普通は致すと疲れる。だが私たちは逆。致せば致すほどにお互いの白と赤が高め合うのだ。その影響でアイナは艶々、私もビシッと決まっている。廃坑探索前にアイナに散髪もしてもらったためスッキリだ。
 よし、行こう。
——一時間後
「ふーむ。大した魔物はいないな」
「ですね。一撃で終わりますから」
 アイナはガンロッドを上手く使いこなし中距離戦も出来る様になった。私はというと……
——
「ブラックアサルト」
 連射特化の闇魔法弾。
——
 この弾の試運転をしていた。仕上がりは上々。アイナが新しく覚えた範囲風魔法「エアロバースト」と相性がいい。ブラックアサルトで複数を足止めし、エアロバーストで消しとばすという流れだ。
「この先もこんな感じなんですかね?」
「魔眼で見える範囲はそうだな……」
 迷宮と同じく美味しいクエストかと思ったがアテが外れたようだ。経験値もしょっぱいものである。
「仕方ない。帰……ん? なんだあれは?」
 目線の先、光を放つ石が見えた。迷宮にはなかったものだ。
「あっ! あれ魔石です! レアなんですよ!」
 アイナ曰く、魔石は魔物が大量に湧いたり、死んだりした場所や魔力の濃い場所に時折生成されるのだという。迷宮は除外らしい。早速手に取り眺めてみる。紫がかった透明な石。10センチほどだろうか。
「おおーなかなかの大きさ……魔術会に売ればいい値がつきますよ!」
「なぁ、アイナ。私の感覚があっているとすれば……」
「ええ、私も触れて感じました」

「「廃坑に山程コレがある!」」

 よし、作戦変更。明日からピッケル持って魔石採掘。今日のところは引き返そう。誰も手をつけていないということはつまりそういうことである。

——一週間後
「はぁ、はぁ……今何個目ですか?」
「2564個だ」
 あれから宿と廃坑を行ったり来たり。昼間はガッツリ致して、夜はガッツリ掘りまくる。しかしこの廃坑、底が見えない。これだけ取ってまだあるか。まだまだ坑道は表層だぞ……
「流石にこの量を魔術会に流すと混乱を招きますね」
「同感だ。面白半分で掘っていたがどうしたものか……」
 魔石の使い道を知っていそうな人。それもこの事実を公開しても大丈夫な人……
 あ、一人居る。
 ロディアの店に行こう。
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