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12時55分*
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「いや~にしても久しぶりだね~」
「あんたが仕事忙しくて会ってくれなかったからだよ」
「ごめんって笑」
この日は久しぶりに大親友の宮内かなと飲んでいた
「で、どうなの?最近彼氏とは」
かなにはもちろん話していて、職場の人に話せない私にとっては唯一の相談場所だった
「結構年上だよね?」
「んーたった5つだけどね」
「うっそ、パイロットって聞いたからめっちゃおじさんだと思ってたわ
結婚とかは?」
「…具体的に話したわけじゃないけど、
ずっと一緒にいたいって!!!」
「なんだよ結局ラブラブなのかよ」
そうなのかな、あっちは結婚とか考えてるのかな
実際どうなんだろう
「結希は?したいの?」
「…うん」
「うわーーなにその顔ーー!!デレデレじゃん!もっと飲みなーー」
「でへへへへへへ」
でも、楽しかったのはここまで
ここからが私の地獄
やってしまったことの大きさを知らなかったこの頃の私が憎らしい
幸せすぎて浮かれてたから、罰があたったんだ
「あんた、昨日も飲んでたの?」
朝イチそう言ってきたのは如月教官
「はい!」
「今日は?」
「体調万全!お供させてください!!」
サンフランシスコから帰ってきたら飲みに行く約束
忘れてるわけないですよ
だけど
この日行ったことが、正解だったのか、間違いだったのか
それは今だに分からない
「お疲れ様ですカンパーイ!」
「あんたよく2人で来ててそんな大人数のテンションになれるわよね」
いつも通り、2人とも生ビールと焼き鳥を注文して、疲れた体に流し込む
「あんたって、彼氏とかいるの」
少しお酒が進んできたころ、如月教官からされた質問
そういえば、こういう話したことなかったな
職場の人には内緒にしてたからな
話そうかどうか少し迷って
でも、言いふらすような人じゃないし、職場の人が相手だからこそ
信頼出来る教官に報告しておいた方がいいのかな
なんて、お酒がきいてたのもあったかも
言っちゃっていいか、
どうせ結婚したらばれるんだしって
「実は…」
「…」
名前を告げた途端に、教官の動きがとまった
不思議に思って横に座る教官の顔を見上げると
目が合って、教官は手に持っていたビールジョッキをテーブルに置いた
「あのね、月島」
「はい…?」
トクン、トクン
頭の中で自分の心臓の音が聞こえた
「私、結婚してるの。
早川と」
「え?…」
最初は全く意味がわからなかった
早川さんはもちろん如月教官も指輪をしていなかったし、
苗字も違う
2人が結婚しているなんて夢にも思わなかった
でも、よくよく考えると
おかしいことはいくつかあった
気に入らなかったのかなって思ってたけど、
私がプレゼントしたものは、使ってるところを見たことがないし、家のどこにも見当たらなかった
その他にもいろいろあるけど
そういえば
彼が家に誘ってくれる日は
いつも如月教官がいない夜だった
気づいてしまえば、こんなにも分かりやすいものなのかと思うほど
どうして気づかなかったのかな
どうしてもっと早く
後戻りできるうちに
「…とりあえず、うちの会社辞めなさい」
声を出したつもりだけど、多分出ていなかった
それでも頷いたことは伝わったようだ
この日を境に私は
愛する人と
尊敬する先輩と
大好きな仕事を失った
さらに、職員用の寮に住んでいた私は家も失った
噂はすぐに広まって
私を見てはみんなソワソワした
同室の子は気を使って、そっとしてくれていた
新しい住居が見つかるまで居てもいいって言われたけど、さすがに居ずらくて、出来るだけ帰らなかった
私はスマホの電源を切り
この社会から完全に逃げた
ばれたと知って、早川さんはどうしたかな
そもそも私は奥さん本人にバラしてしまった訳で
人様の家族を壊すというのが、どれほど怖くて、痛いものなのかを思い知った
今回のことで如月教官と早川さんが結婚していたとこも知れ渡った
どうして秘密にしてたのかは分からない
彼と仕事に全てを尽くしてきた半年間
その全てを失った
身も心もぼろぼろだった
先のことも見えなくて
もうどうしたらいいのか
あの日も、寮に帰りたくなくて、行きつけの居酒屋で飲んでいた
ここなら、職場から離れていて知り合いと会うこともないし
店員も気心が知れてる
でも、どうやら飲みすぎたみたいで
そのときの記憶はほとんどない
全て自分が引き起こしたこと
自分のあやまちでこんな状況になって、希望も何も無くて
私がやってしまったことに対しては、ちゃんと罰を受ける
どんなことも受け入れるし、償う
だから、お願い
この日、伊央に再開したことだけは
幸運だった思わせて
「あんたが仕事忙しくて会ってくれなかったからだよ」
「ごめんって笑」
この日は久しぶりに大親友の宮内かなと飲んでいた
「で、どうなの?最近彼氏とは」
かなにはもちろん話していて、職場の人に話せない私にとっては唯一の相談場所だった
「結構年上だよね?」
「んーたった5つだけどね」
「うっそ、パイロットって聞いたからめっちゃおじさんだと思ってたわ
結婚とかは?」
「…具体的に話したわけじゃないけど、
ずっと一緒にいたいって!!!」
「なんだよ結局ラブラブなのかよ」
そうなのかな、あっちは結婚とか考えてるのかな
実際どうなんだろう
「結希は?したいの?」
「…うん」
「うわーーなにその顔ーー!!デレデレじゃん!もっと飲みなーー」
「でへへへへへへ」
でも、楽しかったのはここまで
ここからが私の地獄
やってしまったことの大きさを知らなかったこの頃の私が憎らしい
幸せすぎて浮かれてたから、罰があたったんだ
「あんた、昨日も飲んでたの?」
朝イチそう言ってきたのは如月教官
「はい!」
「今日は?」
「体調万全!お供させてください!!」
サンフランシスコから帰ってきたら飲みに行く約束
忘れてるわけないですよ
だけど
この日行ったことが、正解だったのか、間違いだったのか
それは今だに分からない
「お疲れ様ですカンパーイ!」
「あんたよく2人で来ててそんな大人数のテンションになれるわよね」
いつも通り、2人とも生ビールと焼き鳥を注文して、疲れた体に流し込む
「あんたって、彼氏とかいるの」
少しお酒が進んできたころ、如月教官からされた質問
そういえば、こういう話したことなかったな
職場の人には内緒にしてたからな
話そうかどうか少し迷って
でも、言いふらすような人じゃないし、職場の人が相手だからこそ
信頼出来る教官に報告しておいた方がいいのかな
なんて、お酒がきいてたのもあったかも
言っちゃっていいか、
どうせ結婚したらばれるんだしって
「実は…」
「…」
名前を告げた途端に、教官の動きがとまった
不思議に思って横に座る教官の顔を見上げると
目が合って、教官は手に持っていたビールジョッキをテーブルに置いた
「あのね、月島」
「はい…?」
トクン、トクン
頭の中で自分の心臓の音が聞こえた
「私、結婚してるの。
早川と」
「え?…」
最初は全く意味がわからなかった
早川さんはもちろん如月教官も指輪をしていなかったし、
苗字も違う
2人が結婚しているなんて夢にも思わなかった
でも、よくよく考えると
おかしいことはいくつかあった
気に入らなかったのかなって思ってたけど、
私がプレゼントしたものは、使ってるところを見たことがないし、家のどこにも見当たらなかった
その他にもいろいろあるけど
そういえば
彼が家に誘ってくれる日は
いつも如月教官がいない夜だった
気づいてしまえば、こんなにも分かりやすいものなのかと思うほど
どうして気づかなかったのかな
どうしてもっと早く
後戻りできるうちに
「…とりあえず、うちの会社辞めなさい」
声を出したつもりだけど、多分出ていなかった
それでも頷いたことは伝わったようだ
この日を境に私は
愛する人と
尊敬する先輩と
大好きな仕事を失った
さらに、職員用の寮に住んでいた私は家も失った
噂はすぐに広まって
私を見てはみんなソワソワした
同室の子は気を使って、そっとしてくれていた
新しい住居が見つかるまで居てもいいって言われたけど、さすがに居ずらくて、出来るだけ帰らなかった
私はスマホの電源を切り
この社会から完全に逃げた
ばれたと知って、早川さんはどうしたかな
そもそも私は奥さん本人にバラしてしまった訳で
人様の家族を壊すというのが、どれほど怖くて、痛いものなのかを思い知った
今回のことで如月教官と早川さんが結婚していたとこも知れ渡った
どうして秘密にしてたのかは分からない
彼と仕事に全てを尽くしてきた半年間
その全てを失った
身も心もぼろぼろだった
先のことも見えなくて
もうどうしたらいいのか
あの日も、寮に帰りたくなくて、行きつけの居酒屋で飲んでいた
ここなら、職場から離れていて知り合いと会うこともないし
店員も気心が知れてる
でも、どうやら飲みすぎたみたいで
そのときの記憶はほとんどない
全て自分が引き起こしたこと
自分のあやまちでこんな状況になって、希望も何も無くて
私がやってしまったことに対しては、ちゃんと罰を受ける
どんなことも受け入れるし、償う
だから、お願い
この日、伊央に再開したことだけは
幸運だった思わせて
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