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第25章〜転生王子は2年生
11巻発売日 特別編 ポップコーン再び
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ハニーベアにマームはちみつをもらいに行った次の週の休日。
俺とカイル、俺の召喚獣たちも一緒に、ハニーベアの巣穴に訪れていた。
【また来てくれると思わなかったなぁ】
ハニーベアは楽しそうに体を左右に揺らす。
「この前、追加でポップコーンを作ったのに、結局ランドウたちやレイがたくさん食べちゃったからね。また作りに来たんだよ」
俺はハニーバターポップコーンを作りながら、ハニーベアに向かってにこっと笑う。
【えへへ、どうもありがとう。はちみつ味のポップコーンが美味しすぎて、また食べたいと思ってたんだぁ】
嬉しそうなハニーベアの言葉に、ザクロは興味を示した。
【へぇ、そんなにはちみつ味ってぇのは美味いんですかぃ?】
【私も、た、食べてみたいです】
【ボクも甘いの食べたいです~】
ルリがもじもじと言い、ホタルは甘えた声で「ナ~ウ」と鳴く。
【ぱちぱち!たべる!】
【俺もはじけたの食べるっす~!】
コハクとテンガは、元気に飛び跳ねて食べたいアピールをしていた。
前回は結局、ザクロたちに持って帰る余裕もなくて、ハニーバター味のポップコーンを食べさせてあげられなかったもんなぁ。
食いしん坊たちの胃袋を甘く見ていた。
今回はその反省を踏まえ、ここに来る途中で市場に寄って、たくさんバングの実を買ってきた。
材料が足りなくなるということはないだろう。
まぁ、食べ過ぎはよくないから、できればこの一回で満足して欲しいけどね。
「できたよ。今配るから待ってね」
粗熱をとったハニーバター味のポップコーンを、袋に取り分けていく。
【我ははちみつがたっぷりかかったところだぞ】
コクヨウの言葉を聞いて、ランドウも俺の足に縋りついて大きな声で主張する。
【俺も、俺も!い~っぱいはちみつかかったところな!】
甘いもの好きの食いしん坊たちめ。
「あげるけど、今回は食べ過ぎたらダメだよ」
俺が釘を刺すと、ランドウが不満げな声を出した。
【えぇ!この前はちみつ頑張って運んだじゃないかぁ!】
「この前はこの前。それに運んでる最中に味見してたでしょ?」
【あれは味見じゃなくて、熟成ってやつの確認だってばぁ】
ランドウはそう言って、俺の足に頭を摺り寄せて訴える。
「はちみつソムリエは必要ないんだってば……」
俺が脱力していると、カイルが俺の足からランドウを引きはがした。
「大人しくしていないと、配るのが遅くなってしまうぞ」
カイルの言葉に、ヒスイが頷く。
【ええ。いい子にしていない誰かさんだけ、配り忘れちゃうことがあるかもしれないわ】
【えぇ!……だ、誰かさんって俺じゃないよな?】
不安になって慌てるランドウに、ヒスイはにっこりと微笑む。
【さぁ、どうかしら。いい子なら配られるはずだけれどね】
わざと濁すことで、ランドウの不安を煽る作戦らしい。
作戦は効果てきめんで、カイルに捕まってジタバタしていたランドウはすっかり大人しくなった。
さすがカイルとヒスイだ。ランドウを大人しくさせるツボを心得ている。
そう感心していると、何故かホタルたちもランドウと一緒になってシュンとしていた。
「あれ?何でホタルたちも落ち込んでるの?」
小首を傾げた俺に、ホタルは不安そうに尋ねる。
【フィルさま、ボク……いい子です?】
どうやら自分たちが、ヒスイのいう『いい子』に該当するのか不安のようだ。
【オイラ自身は、何か悪いことをしてはいねぇと思うんですが……】
ザクロが唸り、ルリもおろおろとする。
【私も……多分……大丈夫だと……】
そんな中、テンガは地面に突っ伏した。
【俺はきっとダメっす!さっき飛び跳ねて、大声で叫んでたっす!】
それを聞いて、コハクがはっとする。
【こ、コハクも……】
プルプル震えながら呟いて、テンガの隣に突っ伏した。
いつも自信満々なコハクが、ショックを受けるなんて珍しい。
【我は関係ないな。普段からひ弱なフィルを守ってやっている身なのだから。褒美が足りないくらいだ】
コクヨウは胸を反らして、フンと鼻を鳴らした。
褒美ねぇ。召喚獣の中じゃ、一番食べてると思うんだけど……。
ま、言ったところで、コクヨウは気にしないか。
ポップコーンを取り分け終えた俺は、テンガとコハクを抱き起して土を払う。
「皆いい子だよ。たまにちょっとやんちゃだと思うけどね。元気な皆が大好きだよ」
俺は優しく微笑んで、皆の頭を撫でる。
それを聞いて、ホタルたちはホッと安堵の息をついた。
【ボクたちいい子ですか?】
【じゃあ、俺たちもポップコーンもらえるか?】
地面に下ろしてもらったランドウが、おずおずと尋ねる。
「はい。ポップコーンどうぞ」
俺はそれぞれの量に合わせたポップコーン入りの袋を、皆に渡す。
ポップコーンを食べたハニーベアは、幸せそうな顔で言った。
【そうそう。この味!甘くて美味しいね】
【ポップコーン美味しいです~】
喜ぶホタルに、ポップコーンを頬張りつつテンガが頷く。
【とっても美味しいっす!】
【おいし~】
コハクや他の皆も、ポップコーンを気に入ってくれたようだ。
「それなら良かったよ」
微笑ましい気持ちで笑って、俺とカイルもポップコーンを食べ始める。
うん。ほのかな甘みと塩気、バターの風味が美味しいや。
ポップコーンを堪能していると、やがて気分が良くなったランドウが、ポップコーンを食べながら歌い始めた。
【ぱっちぱっちはじけるぅ♪ぽっぽっぽっぷ、ポップコーン♪はっちみつかけたら、でっきあっがり~♪】
「ぶふっ!」
危ない。もう少しで口の中のものを、噴き出すところだった。
「ぐっ、げほっ!は……『はっちみつの歌』じゃない!?」
ハニーベアのところに来ると、ランドウが必ず歌う歌がある。
ランドウ作詞作曲の『はっちみつの歌』だ。
エンドレスで歌うから、頭の中ぐるぐる回るんだよね。
俺がチラッと横を見れば、カイルが時間差でむせていた。
カイルの肩口では闇妖精のキミ―が、可愛い声でランドウの新曲を歌っている。
カイルは闇妖精のキミーに動物の言葉を通訳してもらっているのだが、ランドウが歌いだすと一緒になってキミーも歌うらしい。ランドウと同じく、エンドレスで。
【ぱっちぱっちはじける~♪】
キミーはそれはもう楽しそうに歌っていた。
ランドウの歌は、歌詞もメロディもリズミカルで覚えやすいもんなぁ。
ランドウに合わせ、ついにはハニーベアやホタルたちも一緒に歌い始める。
【ぽっぽっぽっぷ、ポップコーン♪はっちみつかけたら、でっきあっがり~♪】
「あぁ……歌の輪が広がってしまった」
楽しそうだし、動物たちが歌う姿は可愛いのだが、頭の中でぐるぐる回るぅ……。
俺とカイルが頭を抱えていると、ポップコーンを食べ終わったコクヨウが忌々し気に呟いた。
【新たな歌を作りよって、頭に回るではないか】
……やっぱりコクヨウも、ランドウの曲が頭に回ってたんだ。
俺とカイル、俺の召喚獣たちも一緒に、ハニーベアの巣穴に訪れていた。
【また来てくれると思わなかったなぁ】
ハニーベアは楽しそうに体を左右に揺らす。
「この前、追加でポップコーンを作ったのに、結局ランドウたちやレイがたくさん食べちゃったからね。また作りに来たんだよ」
俺はハニーバターポップコーンを作りながら、ハニーベアに向かってにこっと笑う。
【えへへ、どうもありがとう。はちみつ味のポップコーンが美味しすぎて、また食べたいと思ってたんだぁ】
嬉しそうなハニーベアの言葉に、ザクロは興味を示した。
【へぇ、そんなにはちみつ味ってぇのは美味いんですかぃ?】
【私も、た、食べてみたいです】
【ボクも甘いの食べたいです~】
ルリがもじもじと言い、ホタルは甘えた声で「ナ~ウ」と鳴く。
【ぱちぱち!たべる!】
【俺もはじけたの食べるっす~!】
コハクとテンガは、元気に飛び跳ねて食べたいアピールをしていた。
前回は結局、ザクロたちに持って帰る余裕もなくて、ハニーバター味のポップコーンを食べさせてあげられなかったもんなぁ。
食いしん坊たちの胃袋を甘く見ていた。
今回はその反省を踏まえ、ここに来る途中で市場に寄って、たくさんバングの実を買ってきた。
材料が足りなくなるということはないだろう。
まぁ、食べ過ぎはよくないから、できればこの一回で満足して欲しいけどね。
「できたよ。今配るから待ってね」
粗熱をとったハニーバター味のポップコーンを、袋に取り分けていく。
【我ははちみつがたっぷりかかったところだぞ】
コクヨウの言葉を聞いて、ランドウも俺の足に縋りついて大きな声で主張する。
【俺も、俺も!い~っぱいはちみつかかったところな!】
甘いもの好きの食いしん坊たちめ。
「あげるけど、今回は食べ過ぎたらダメだよ」
俺が釘を刺すと、ランドウが不満げな声を出した。
【えぇ!この前はちみつ頑張って運んだじゃないかぁ!】
「この前はこの前。それに運んでる最中に味見してたでしょ?」
【あれは味見じゃなくて、熟成ってやつの確認だってばぁ】
ランドウはそう言って、俺の足に頭を摺り寄せて訴える。
「はちみつソムリエは必要ないんだってば……」
俺が脱力していると、カイルが俺の足からランドウを引きはがした。
「大人しくしていないと、配るのが遅くなってしまうぞ」
カイルの言葉に、ヒスイが頷く。
【ええ。いい子にしていない誰かさんだけ、配り忘れちゃうことがあるかもしれないわ】
【えぇ!……だ、誰かさんって俺じゃないよな?】
不安になって慌てるランドウに、ヒスイはにっこりと微笑む。
【さぁ、どうかしら。いい子なら配られるはずだけれどね】
わざと濁すことで、ランドウの不安を煽る作戦らしい。
作戦は効果てきめんで、カイルに捕まってジタバタしていたランドウはすっかり大人しくなった。
さすがカイルとヒスイだ。ランドウを大人しくさせるツボを心得ている。
そう感心していると、何故かホタルたちもランドウと一緒になってシュンとしていた。
「あれ?何でホタルたちも落ち込んでるの?」
小首を傾げた俺に、ホタルは不安そうに尋ねる。
【フィルさま、ボク……いい子です?】
どうやら自分たちが、ヒスイのいう『いい子』に該当するのか不安のようだ。
【オイラ自身は、何か悪いことをしてはいねぇと思うんですが……】
ザクロが唸り、ルリもおろおろとする。
【私も……多分……大丈夫だと……】
そんな中、テンガは地面に突っ伏した。
【俺はきっとダメっす!さっき飛び跳ねて、大声で叫んでたっす!】
それを聞いて、コハクがはっとする。
【こ、コハクも……】
プルプル震えながら呟いて、テンガの隣に突っ伏した。
いつも自信満々なコハクが、ショックを受けるなんて珍しい。
【我は関係ないな。普段からひ弱なフィルを守ってやっている身なのだから。褒美が足りないくらいだ】
コクヨウは胸を反らして、フンと鼻を鳴らした。
褒美ねぇ。召喚獣の中じゃ、一番食べてると思うんだけど……。
ま、言ったところで、コクヨウは気にしないか。
ポップコーンを取り分け終えた俺は、テンガとコハクを抱き起して土を払う。
「皆いい子だよ。たまにちょっとやんちゃだと思うけどね。元気な皆が大好きだよ」
俺は優しく微笑んで、皆の頭を撫でる。
それを聞いて、ホタルたちはホッと安堵の息をついた。
【ボクたちいい子ですか?】
【じゃあ、俺たちもポップコーンもらえるか?】
地面に下ろしてもらったランドウが、おずおずと尋ねる。
「はい。ポップコーンどうぞ」
俺はそれぞれの量に合わせたポップコーン入りの袋を、皆に渡す。
ポップコーンを食べたハニーベアは、幸せそうな顔で言った。
【そうそう。この味!甘くて美味しいね】
【ポップコーン美味しいです~】
喜ぶホタルに、ポップコーンを頬張りつつテンガが頷く。
【とっても美味しいっす!】
【おいし~】
コハクや他の皆も、ポップコーンを気に入ってくれたようだ。
「それなら良かったよ」
微笑ましい気持ちで笑って、俺とカイルもポップコーンを食べ始める。
うん。ほのかな甘みと塩気、バターの風味が美味しいや。
ポップコーンを堪能していると、やがて気分が良くなったランドウが、ポップコーンを食べながら歌い始めた。
【ぱっちぱっちはじけるぅ♪ぽっぽっぽっぷ、ポップコーン♪はっちみつかけたら、でっきあっがり~♪】
「ぶふっ!」
危ない。もう少しで口の中のものを、噴き出すところだった。
「ぐっ、げほっ!は……『はっちみつの歌』じゃない!?」
ハニーベアのところに来ると、ランドウが必ず歌う歌がある。
ランドウ作詞作曲の『はっちみつの歌』だ。
エンドレスで歌うから、頭の中ぐるぐる回るんだよね。
俺がチラッと横を見れば、カイルが時間差でむせていた。
カイルの肩口では闇妖精のキミ―が、可愛い声でランドウの新曲を歌っている。
カイルは闇妖精のキミーに動物の言葉を通訳してもらっているのだが、ランドウが歌いだすと一緒になってキミーも歌うらしい。ランドウと同じく、エンドレスで。
【ぱっちぱっちはじける~♪】
キミーはそれはもう楽しそうに歌っていた。
ランドウの歌は、歌詞もメロディもリズミカルで覚えやすいもんなぁ。
ランドウに合わせ、ついにはハニーベアやホタルたちも一緒に歌い始める。
【ぽっぽっぽっぷ、ポップコーン♪はっちみつかけたら、でっきあっがり~♪】
「あぁ……歌の輪が広がってしまった」
楽しそうだし、動物たちが歌う姿は可愛いのだが、頭の中でぐるぐる回るぅ……。
俺とカイルが頭を抱えていると、ポップコーンを食べ終わったコクヨウが忌々し気に呟いた。
【新たな歌を作りよって、頭に回るではないか】
……やっぱりコクヨウも、ランドウの曲が頭に回ってたんだ。
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