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1巻
1-2
しおりを挟む結月邸は、外から見て想像していた通り、広いお屋敷だった。
いや、廊下が案内されたところからもっと奥に通じているのだから、俺の想像よりも広いのだろう。
事前に内見した母さんは「立派な平屋のおうちよ」と言っていたけど、よくこのお屋敷をそう表現出来たもんだ。
結月さんが台所にお茶の用意をしに行っている間、俺は通された客間の中を見回していた。客間は二十畳ほどの広さがある。太い梁や柱は、長い年月をかけて出た色に風格がにじんでいる。
「静かだなぁ」
隣の家と離れているからだろうか、外からの音が殆ど聞こえない。まるで、この家だけ時間が止まっているようだ。
「蒼真君。正座していて、足は痺れないかい?」
「へ?」
後ろからふいに声をかけられ、天井を見上げていた俺は間の抜けた声を出した。振り返れば、湯呑を載せたお盆を持つ結月さんが立っている。
「若い人は、畳で正座することは少ないだろう?」
「あ、いえ、大丈夫です。慣れてます。ばあちゃん家も畳だったんで」
ビックリした。いつの間に部屋に戻って来たんだ、この人。気配を全く感じなかった。それとも俺、そんなにボーっとしていたか?
……いや、確かに注意力は散漫だったかもしれない。
駄目だ。これからお世話になるんだから、少しでも心証を良くしないと。
俺は慌てて居住まいを正す。結月さんはそんな俺の向かい側に座り、湯呑を俺と自分の前に置いた。一つ一つの動作が優雅で、彼を見ていると不思議と心が落ち着く。
切れ長の目は日本顔とも言えるのだが、高い鼻や彫りの深さはどこか異国の雰囲気を漂わせていた。
こういう人が着物を着て、尚且つ似合っちゃうんだから、神様は不公平だと思う。所作も随分綺麗だな。普段から着ているんだろうか? 作家って言っていたし。
俺の持つ明治の文豪のイメージと、結月さんの格好が重なった。
意外に形から入る人なのかもしれない。そう思うと、美形でも親近感がわいてくる。俺は口元に浮かぶ微笑みを、手でさりげなく隠した。
普段初対面の人と二人きりになると緊張するのに、結月さんといると何故か心地よかった。
結月さんは、お茶を飲んで一息つくと、にっこりと微笑む。
「では改めて、自己紹介といこうか。私は結月清人。『碓氷近衛』という名で小説を書いています」
「碓氷近衛……さん? 聞いたことあります。ミステリーのベストセラー作家で、そのプライベートは謎に包まれているんだって、同級生が話していました」
その人が結月さん?
俺が驚いていると、結月さんは嬉しそうに目を輝かせた。
「蒼真君も私の本を読んだことがあるかい?」
期待に満ちた眼差しに、俺は一瞬固まって視線を逸らす。
「あ……その……」
その反応で、俺が読んでないとわかったのだろう。結月さんは明らかに落胆した顔をした。
「そっかぁ……。私の小説の読者は、中高年層が多いしねぇ」
がっかりさせてしまった。だけど、内容を把握していないのに、わかりきった嘘はつけない。
父さんが読んでいたことがあって、チャレンジしてみたことはある。だが、初めの数ページで止まってしまった。碓氷近衛の小説は、俺には難しくてついていけなかったんだよな。
文章が重い感じだったから、てっきり年配の人が書いているのだと思っていたが、まさか結月さんが碓氷近衛だったとは……。
結構前から活躍している作家だよな? 結月さんの見た目は三十代くらいだが、実際何歳なんだろう。
結月さんの年齢がわからないという母さんを、適当すぎると評したが、確かに結月さんって年齢不詳だ。いきなり年齢を聞くのは失礼かなぁ。仲良くなってから、それとなく聞いてみようか……。
そんなことを考えつつお茶をすする俺を、結月さんはジッと見つめる。
「それにしても、蒼真君、大きくなったね。私は昔、君のおばあさんの家によく行っていてね。君とも遊んだことがあるんだけど、覚えているかな?」
小首を傾げられて、俺は正直に首を振った。
こんなに顔の整った人なんだから覚えていても良さそうなものだが、記憶の欠片も出てこなかった。
実際に会ったら、思い出すかもしれないと思ったが、駄目みたいだ。
俺が眉を寄せて唸ると、結月さんは少し声を落として尋ねる。
「その時期のことは、あまり覚えてないのかい?」
「あー……そうですね。ばあちゃん家にお客さんがいっぱい来ていたこととかは、覚えているんですけど」
この幼少期の記憶の欠落は、自分でも不安に思ったことがある。ばあちゃん家の間取りや、その当時のばあちゃんの様子なんかはよく覚えているんだけど。それ以外のことは、頭に霞がかかってぼんやりしていた。
「そうか。……仕方ないよ。まだ君は小さかったからね。一緒に生活していたら、思い出せることもあるかもしれないよ」
結月さんは、背を撫でるかのような優しい声で言う。その言葉に、俺は少しだけ気持ちが軽くなった。
「ありがとうございます」
俺がホッとして微笑むと、結月さんは一瞬驚いた顔をして、それから嬉しそうに頬を緩める。
「蒼真君は笑うと、目元や雰囲気が葵さんに似ているね」
葵というのは、ばあちゃんの名前だ。
俺を通してばあちゃんの面影をなぞっているのか、懐かしそうに目を細める。
自覚はないが、そういや前に母さんも言ってたな。俺は母さんより、ばあちゃん似だって。
「結月さんは、ばあちゃんとはどういった知り合いなんですか? 年齢も離れているし、ばあちゃんは田舎に住んでいたから、知り合う機会はないんじゃないかって思うんですけど……」
俺にとってばあちゃんは、優しくて物知りで、それでいて肝の据わった人だった。
ばあちゃん子だった俺は、両親が海外から帰ってきて祖母と暮らせなくなるとわかった時は駄々をこねたし、数年前に亡くなった時は声がかれるほど泣いた。
大好きな祖母ではあるが、どこにでもいる普通の田舎のおばあさんだ。こんなキラキラした人と知人と言われても、ピンとこない。
「葵さんは、こっちの世界では有名な人なんだよ。誰に対しても、分け隔てなく優しくてね。年は離れていたけど、親しくさせてもらっていたよ」
こっちの世界? 作家の世界ってことか? では、ばあちゃんの家に色々な人が来ていたのは作家だったのだろうか? どういった経緯でその世界の人と知り合ったのか、ますます謎が深まるばかりだ。
「さて、これから、家の中を案内しよう。古い家だからね。大概は畳なんだけど、君の部屋はフローリングのものを選んだよ」
そう説明する結月さんに、湯呑を置く俺の手が止まった。
フローリングはありがたい。だが、選ぶほど部屋があるのか。食事は一人分作るも二人分作るもそう変わらないが、この屋敷の掃除は大変そうだ。
そうか。そうだよな。いくら知り合いの孫とはいえ、家賃や食費、光熱費もいらないなんておかしいと思ったんだ。
俺は掃除夫として雇われたんだな……。
そう確信し、俺はこれから案内される仕事場の広さを想像して、気付かれぬようそっとため息を吐いた。
客間を出て、結月さんの後について屋敷の中を見て回る。
お手洗いやキッチン、お風呂は新しくリフォームされていた。だがキッチンというより旅館の厨房みたいな広さだったし、檜の湯船は三、四人入れそうなほど大きかった。これは確かに一人で暮らすには、持て余すほどのお屋敷だ。
聞けば、かつて結月家はこの辺り一帯の大地主だったらしく、その関係で今も不動産などを所有しているのだという。つまり結月さんは、代々続く名家のお坊ちゃんということだ。
しかし、襖を開けても開けても部屋ばかりだな。これはお手伝いさんがいて当然のレベルじゃないか?
あ……俺が居候兼お手伝いさんなんだった。
中庭に面した廊下沿いの障子を開けると、そこは今までに比べて物に溢れた部屋だった。
十五畳ほどの部屋には、左右に本棚があって奥に文机がある。文机の上や横に、ノートパソコンやプリンターがなければ、明治時代の文豪の書斎かという印象だった。
「ここは私の部屋だよ」
どうりで一番生活感のある部屋だと思った。おそらく結月さんは、この部屋で過ごしている時間が長いのだろう。それにしても、着物を着ていたり文豪的な部屋だったり、結月さんはやはり形から入る派なのだろうか。
「仕事の時はいつもここにいるから、何かあったら呼んでね」
そう言って、部屋の障子を閉める。そこから廊下を少し歩き、突き当たりの障子を開けた。その部屋はフローリングで、ベッドや勉強机があり、部屋の隅にある箪笥の前には、俺が実家から送った段ボールや荷物が置かれていた。
「ここが蒼真君の部屋。とりあえず必要最低限の家具を揃えたけど、何か足りない物があったら教えてね」
微笑む結月さんに、俺は首を振った。
「いえ、充分です。むしろ最高です。ありがとうございます」
家具はあるからと言われたが、わざわざ買ってくれたのか。実家で使っていたものより、高級そうな品だった。これで足りないなんて言ったら、罰が当たりそうだ。
「荷ほどきがあるだろうから、今日の案内はここまでにしよう」
そう言う結月さんに、俺は振り返った。
「案内されたところ以外に、まだ部屋があるんですか? 掃除、大変そうですね」
結月さんの顔色を窺いつつ尋ねると、結月さんは苦笑した。
「蒼真君の掃除はこの部屋と客間、生活で使用する部屋くらいでいいよ」
「え! 本当ですか?」
良かった。今まで案内された場所を、全部やらないといけないのかと不安だったんだ。生活に使用する場所だけでも広いけれど、この屋敷を全部やるよりはましだ。
「それに……裏屋敷は改めての方が良いと思うからね」
声のトーンを変えた結月さんに、俺は首を傾げる。
「裏屋敷?」
「蒼真君に案内したこの場所は、表の屋敷で。この先の渡り廊下を進んだ所に裏の屋敷があるんだ」
「裏って言い方、珍しいですね」
奥という表現はよく聞くが、裏というのはあまり聞いたことがない。
「そう。物事には表と裏があるものだからね。うちでは裏と言っているんだ」
わかったような、わからないような説明に、俺は「はぁ」と頷く。
「いずれ案内するから、それまで裏屋敷には行かないで欲しい。約束出来るかい?」
結月さんに真剣な表情で見つめられ、俺は頷いた。
「いい子だ」
結月さんは優しく微笑んで、俺の頭を撫でる。
……完全なる子供扱いだ。
だけど、この頭の撫で方、どこか懐かしい気がする。
去っていく結月さんの背中を見つめ、ふとそんなことを思った。
日付の変わった、シンと静まり返った深夜。俺は長い廊下を静かに歩いていた。
辺りを見回すと、廊下沿いのガラス戸越しに見覚えのない中庭がある。
ひょうたん型の池があり、そのひょうたんのくびれた位置に橋が架かっている。その橋を渡った先に、蔵らしき建物があった。
漆喰で塗られた真っ白な蔵は、月明かりに照らされとても綺麗だ。
俺は足を止めて、中庭を見つめる。信じたくない事実が、目の前に広がっていた。
うん。間違いない。今日案内された廊下沿いに庭はあったが、こんな風景ではなかった。
見たことがないということは……ここ、裏屋敷だ。
『裏屋敷には行かないで欲しい』
結月さんとの約束を、破るつもりはなかった。
だがしかし、迷って来てしまった場合はどうすれば良いのだろうか。
夜中にトイレに行きたくなって、戻る途中で自分の部屋がわからなくなったのだ。寝ぼけていたせいで、いつの間にか裏屋敷へと続く渡り廊下を渡ってしまったらしい。
だから広い家は嫌いだ。そう愚痴をこぼしたところで、どうにもならない。
ここから、どうやって部屋に戻ったらいいんだ?
結月さんは今夜、締切があるとかで夜遅くまで起きていると言っていた。
ここで叫べば助けに来てもらえるだろうが、家の中で迷子になったといって締切で忙しい人の手を煩わせるのはどうなのか。
不可抗力とはいえ約束も破ってしまったわけだし……。
俺は深々とため息を吐いた。
「何とか自力で自分の部屋に戻れないものかな」
そう呟いて中庭を見ていると、どこからかパタタという音が聞こえた。
何だ? 何か、小さな生き物の足音がする。鼠か? 立派でも古い家だから、あり得るよな。
幼少の田舎暮らしで、鼠や虫への免疫はついている。
俺は音のした方に、数歩進んだ。すると、暗闇から足音がして、何秒も経たずにピタリと止まる。俺が近付くと、また足音がした。
何度かそれが繰り返され、俺は首を捻った。
俺がついて来るのを、待ってくれているみたいなのは気のせいか?
俺の部屋まで案内してくれるとか? まさかな。
頭に浮かんだ考えに、思わず笑った。
それにしても、足音の正体が見えない。並みの都会っ子より夜目がきく方だが、動く気配は感じられてもその姿は見えなかった。
そうして導かれるまま進んで行くと、裏屋敷と表屋敷をつなぐ渡り廊下が見えた。
見覚えある廊下だ。その廊下を行けば、俺の部屋の場所もわかる。
俺はホッとして、歩を速めた。その途端、前方で聞こえていた足音も速くなる。
俺が突然速くなったから、驚いたのかもしれない。
何かが倒れる小さな物音がして、俺はその音の方へ駆け寄った。ここまで道案内してくれた鼠が、俺のせいで怪我をしては恩を仇で返すことになってしまう。
しかし、俺が見たのは鼠ではなく、廊下にうつ伏せに置かれた『小さな人形』だった。
「あれ? ……人形?」
俺はしゃがみ込んで、おそるおそる人形をつつく。
さっきの足音は、この人形のものか?
…………まさか、生きてるとか?
そっと表側にひっくり返してみたが、それは動かなかった。
「やっぱり人形か」
体長十センチほどの、頭に一本角を生やした小鬼の人形だった。赤い髪で、つり目気味の大きな目。口から小さな牙が見えて、トラ柄の布を腰に巻いている。
これで髪の毛がもじゃもじゃしていたら、鬼のイメージそのものだが、小鬼の人形の髪はストレートだった。
俺はむぎゅっと人形を掴み、月明かりにあててさらに観察する。
人形は二頭身で、愛嬌のある顔をしていた。ちょっと可愛い。
「良く出来てるな。質感が本物みたいだし。手足の可動もリアルだ」
人形の手足を摘んで、動かしたり、撫でたりしてみた。
どうやって可動するタイプの人形なんだろう。タイヤが付いているわけでもなく、二足歩行のオモチャにしては軽やかな足音だった。
あ、もしかして、あの足音はこの人形じゃなく、この人形に鼠がつまずいたとか?
いや……そんなマヌケな鼠いるわけないか。
自分の考えにツッコミを入れつつ人形を観察していたら、人形がパチリと瞬きをした。
「……え?」
観察していた俺の手が、止まる。
今、瞬きしたのは、気のせいか? まだ寝ぼけているのか、俺。
目を擦って、改めて人形を凝視する。すると、人形はまた瞬きをした。それは、人形にしてはスムーズすぎる瞬きだった。
小鬼人形を持つ手がプルプルと震え、ゴクリと唾を呑む。
「今、間違いなく、瞬きしたよな?」
それは自分に対する問いかけだったのだが、恐ろしいことに人形がブルブルと首を横に振った。その動きは、全くの予想外で――。
「うわっ! 人形が首振ったっ!」
俺はビックリして、とっさに人形を掴んでいた手を放してしまった。
放り出された人形は、床に二回ほど跳ねたかと思うと、ジタバタもがいて起き上がり、走り出した。一瞬呆気にとられたが、すぐさま人形に向かって叫ぶ。
「ちょっ、ちょっと待てって!」
俺の呼び止めに振り返ることなく、渡り廊下手前にあった花瓶の置かれた台の隙間に、人形は一目散に潜り込む。
「落ちたのに、随分元気だな」
しゃがんだ状態で放したから、落ちても大した衝撃ではなかったのだろうか。
大事なさそうで良かったけど。そもそもあれは何だ? 呪いの人形か?
いやいや、人形の動きじゃないだろ。あれは絶対生き物だろ。
生き物だとしたら何だ?
あの格好からして……小鬼?
自分の出した結論が信じられず、花瓶の台に視線を向ける。さっき起こったことは幻だったかのように、シンと静まり返っていた。
よし、何なのか確認しよう。何だかわからないまま、部屋に戻れるはずもない。
移動した形跡はないから、あの小鬼は今も台の物陰に隠れているはずだ。
俺はそぉっと、花瓶台の隙間を覗く。暗かったが目を凝らすと、先ほどの小鬼が膝を抱えていた。俺と目が合うと、小鬼はハッとして奥へと潜り込む。
「あ、ちょっと待て、何もしないって、そっち狭くなってるから!」
俺がそう忠告したにもかかわらず、身をねじ込みながら奥へ入っていった小鬼は、台と壁の間に挟まった。
ジタバタともがけばもがくほど、挟まっていく。終いには、身動きすらもとれなくなってしまった。
……言わんこっちゃない。
すっぽり挟まった小鬼の姿を見ていたら、ビビった自分が馬鹿らしくなる。
迷子になっていたところを、ここまで案内してくれたのはこの小鬼だろう。
転んだり、隙間に挟まって動けなくなったりするほど間抜けな小鬼が、俺に害を加えようと企んでいるとも考えにくい。
台を少し動かして、動けるようになった小鬼に声をかける。
「何もしないから、出ておいで」
挟まりから解放された小鬼は、大きな目で俺を見上げていたが、やがておずおずとこちらに歩いて来る。俺は出て来た小鬼を脅かさないようにしながら、まじまじと見つめた。
やっぱりおもちゃとか、人形とかじゃないよな。何かの動物って感じでもない。
第一印象通り、明らかなる小鬼だ。小鬼ってことは……、やっぱり……。
「妖怪なの?」
俺が問うと、小鬼はコクリと頷いた。その事実に、俺は衝撃を受ける。
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