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4話 祝福の儀その2
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祝福の儀を受ける順番は基礎魔力の少ない人からだそうだ。レクシール公爵家は代々基礎魔力が高く優秀な魔導士を多く輩出している家系だ。私も御多分に洩れず基礎魔力が多いので、祝福の儀を受けるのは最後だ。……出来れば最初にしてほしかった。緊張で胃が痛いよ。そしてついに私の順番が回ってきた。
「フレア=レクシール、前へ。」
名前を呼ばれ、前へ出る。そして魔方陣に手を当て、魔力を込めた。しかし、
「 反応しないぞ。」
「どういうことだ。」
何も起きない。普通なら魔力を込めると自分の最も適性のある属性に応じた属性の従魔が召還されるはずなのに。その時、
「あなたは穢れているんだわ。」
と、誰かが大声で言った。言ったのはフォレスト侯爵令嬢のクレイ=フォレストだった。
「まさか。」
「でも、そうとしか考えられないわ。」
「そうだ、そうに違いない。」
周りが次第にクレイに賛同し始める。両親やお祖父さんは庇ってくれたが、周りに白い目で見られている。助けを求めて婚約者である、シルフォード王子を見た。しかし、その目はとても冷ややかだった。そして、
「君との婚約は破棄させてもらう。フレア=レクシール。君は王家を穢そうとしたのだ。その罪は死罪に値する。お前の家族も同様だ。穢れたお前をこの私に押し付けようとしたのだからな。」
「そんな……シルフォード様。」
「捕らえよ。」
シルフォード様の合図で私は、家族は捕らえられた。
「ごめん……なさい。」
「謝ることはない。お前は心の綺麗な優しい子だ。シルフォード王子も分かってくれる。」
「お父様。」
謝る私にお父さんはそう言ってくれた。しかし、それは叶わなかった。
「 只今より、レクシール家の死刑執行を行う。」
ねえ、神様。こういうのって普通国外追放じゃないの?短い人生だったなぁ。まさか、前世より短いとは。前回と違うのは魔法射撃で即死だからたぶん痛みは無い。
「魔法射撃用意……撃て。」
大きな爆発音がした。しかし、私の体に異変はない。恐る恐る目を開けると……そこには、真っ白な毛のフェンリルがいた。そして、
「間に合って良かった。」
どこかで聞いたことがある、あの声がした。
「フレア=レクシール、前へ。」
名前を呼ばれ、前へ出る。そして魔方陣に手を当て、魔力を込めた。しかし、
「 反応しないぞ。」
「どういうことだ。」
何も起きない。普通なら魔力を込めると自分の最も適性のある属性に応じた属性の従魔が召還されるはずなのに。その時、
「あなたは穢れているんだわ。」
と、誰かが大声で言った。言ったのはフォレスト侯爵令嬢のクレイ=フォレストだった。
「まさか。」
「でも、そうとしか考えられないわ。」
「そうだ、そうに違いない。」
周りが次第にクレイに賛同し始める。両親やお祖父さんは庇ってくれたが、周りに白い目で見られている。助けを求めて婚約者である、シルフォード王子を見た。しかし、その目はとても冷ややかだった。そして、
「君との婚約は破棄させてもらう。フレア=レクシール。君は王家を穢そうとしたのだ。その罪は死罪に値する。お前の家族も同様だ。穢れたお前をこの私に押し付けようとしたのだからな。」
「そんな……シルフォード様。」
「捕らえよ。」
シルフォード様の合図で私は、家族は捕らえられた。
「ごめん……なさい。」
「謝ることはない。お前は心の綺麗な優しい子だ。シルフォード王子も分かってくれる。」
「お父様。」
謝る私にお父さんはそう言ってくれた。しかし、それは叶わなかった。
「 只今より、レクシール家の死刑執行を行う。」
ねえ、神様。こういうのって普通国外追放じゃないの?短い人生だったなぁ。まさか、前世より短いとは。前回と違うのは魔法射撃で即死だからたぶん痛みは無い。
「魔法射撃用意……撃て。」
大きな爆発音がした。しかし、私の体に異変はない。恐る恐る目を開けると……そこには、真っ白な毛のフェンリルがいた。そして、
「間に合って良かった。」
どこかで聞いたことがある、あの声がした。
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