67 / 114
エピローグ◆素敵なご縁◆
67
しおりを挟む
***
早瀬は休み時間はたいていスケッチブックに建物の絵を描いている。
それを南部は頬杖を付きながら眺めているのが、いつもの二人の姿だった。
「早瀬はセンスいいからな、建築士になったら俺のパン屋をデザインして建ててくれよ。」
南部は早瀬の描く建物のデザインが好きだ。
優しい外観も内装も、南部の好みに合っている。
早瀬の父親は設計事務所を経営していて、早瀬自体も将来は建築士になりたいと思っていた。
早瀬は持っていた鉛筆を南部に向けると不適な笑みを浮かべて言う。
「おう、高くつくぜ。」
それを聞いて、南部は鼻で笑う。
南部はパン職人になるのが夢だ。
だから、真剣な顔で言う。
「まあ、代金はパンで払うな。」
「はあ?お前バカにしてんのかよ。」
「お前こそバカにするなよ。俺の焼くパンは世界一だからな。ありがたく受けとれ。」
お互い真剣にそう言って、そして急におかしくなって笑い合う。
そんなくだらなくも大切な日々を過ごしていた。
それからお互い別々の学校へ進学し就職をする。
頻繁に連絡を取っていた訳ではないが、それぞれ自分の夢の第一歩を踏み出したことは知っていた。
早瀬は建築士。
南部はパン職人。
早瀬は休み時間はたいていスケッチブックに建物の絵を描いている。
それを南部は頬杖を付きながら眺めているのが、いつもの二人の姿だった。
「早瀬はセンスいいからな、建築士になったら俺のパン屋をデザインして建ててくれよ。」
南部は早瀬の描く建物のデザインが好きだ。
優しい外観も内装も、南部の好みに合っている。
早瀬の父親は設計事務所を経営していて、早瀬自体も将来は建築士になりたいと思っていた。
早瀬は持っていた鉛筆を南部に向けると不適な笑みを浮かべて言う。
「おう、高くつくぜ。」
それを聞いて、南部は鼻で笑う。
南部はパン職人になるのが夢だ。
だから、真剣な顔で言う。
「まあ、代金はパンで払うな。」
「はあ?お前バカにしてんのかよ。」
「お前こそバカにするなよ。俺の焼くパンは世界一だからな。ありがたく受けとれ。」
お互い真剣にそう言って、そして急におかしくなって笑い合う。
そんなくだらなくも大切な日々を過ごしていた。
それからお互い別々の学校へ進学し就職をする。
頻繁に連絡を取っていた訳ではないが、それぞれ自分の夢の第一歩を踏み出したことは知っていた。
早瀬は建築士。
南部はパン職人。
0
お気に入りに追加
344
あなたにおすすめの小説
君と奏でるトロイメライ
あさの紅茶
ライト文芸
山名春花 ヤマナハルカ(25)
×
桐谷静 キリタニセイ(25)
ピアニストを目指していた高校時代
お互いの恋心を隠したまま別々の進路へ
それは別れを意味するものだと思っていたのに
七年後の再会は全然キラキラしたものではなく何だかぎこちない……
だけどそれは一筋の光にも見えた
「あのときの続きを言わせて」
「うん?」
**********
このお話は他のサイトにも掲載しています
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
氷萌
恋愛
30歳を迎えた私は彼氏もいない地味なOL。
そんな私が、突然、人気モデルに?
陰気な私が光り輝く外の世界に飛び出す
シンデレラ・ストーリー
恋もオシャレも興味なし:日陰女子
綺咲 由凪《きさき ゆいな》
30歳:独身
ハイスペックモデル:太陽男子
鳴瀬 然《なるせ ぜん》
26歳:イケてるメンズ
甘く優しい年下の彼。
仕事も恋愛もハイスペック。
けれど実は
甘いのは仕事だけで――――
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる