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四章◆それは誇り◆
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ようやく客が途切れたところで、二人はふうと息を吐きお互い顔を見合わせた。
「すみません、手伝わせてしまって。」
「いいのよ。私がでしゃばってやったことなんだから。」
綾菜は借りていたエプロンを外しカウンターを出て、ぐるりと店内を見回す。
「素敵なお店ね。」
「ありがとうございます。」
「あなたの人柄のせいかしら?お客様もあたたかい人ばかりね。」
短時間ではあったが、綾菜が接客に入っているときに訪れた客はとてもいい雰囲気だった。
琴葉ともにこやかに会話し、パンを購入後はありがとうと嬉しそうに帰っていく。
「はい、とても恵まれています。」
それは琴葉も感じていた。
自分の人柄のおかげとはおこがましくてそう思えないが、minamiにパンを買いに来てくれる客はみんなとてもあたたかい。
嫌な気持ちになったことがないのだ。
と、思ったところでふと杏奈の顔が過った。
あれは嫌な気持ちの部類に入るのだろうか。
そんなことを考え始めた瞬間、思考は綾菜によって呼び戻される。
「あのね、あなたが雄大をというか、早瀬を恨んでるって小耳に挟んだのよ。ご両親、早瀬が関わった案件でお亡くなりになったそうね。本当に申し訳なく思うわ。そのせいで経営もよくないの?」
綾菜がminamiに入ってきたときのただならぬ雰囲気はこのことだったのかと、琴葉は瞬時に理解した。
「すみません、手伝わせてしまって。」
「いいのよ。私がでしゃばってやったことなんだから。」
綾菜は借りていたエプロンを外しカウンターを出て、ぐるりと店内を見回す。
「素敵なお店ね。」
「ありがとうございます。」
「あなたの人柄のせいかしら?お客様もあたたかい人ばかりね。」
短時間ではあったが、綾菜が接客に入っているときに訪れた客はとてもいい雰囲気だった。
琴葉ともにこやかに会話し、パンを購入後はありがとうと嬉しそうに帰っていく。
「はい、とても恵まれています。」
それは琴葉も感じていた。
自分の人柄のおかげとはおこがましくてそう思えないが、minamiにパンを買いに来てくれる客はみんなとてもあたたかい。
嫌な気持ちになったことがないのだ。
と、思ったところでふと杏奈の顔が過った。
あれは嫌な気持ちの部類に入るのだろうか。
そんなことを考え始めた瞬間、思考は綾菜によって呼び戻される。
「あのね、あなたが雄大をというか、早瀬を恨んでるって小耳に挟んだのよ。ご両親、早瀬が関わった案件でお亡くなりになったそうね。本当に申し訳なく思うわ。そのせいで経営もよくないの?」
綾菜がminamiに入ってきたときのただならぬ雰囲気はこのことだったのかと、琴葉は瞬時に理解した。
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