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二章◆お姫様みたい◆
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店に入ると、酢飯の甘酸っぱい上品な香りが鼻をくすぐる。
普段パンの香りに包まれている琴葉にとって、それはとても懐かしい香りに感じた。
「早瀬様、お待ちしておりました。」
和服を着た上品な所作の女将が二人をカウンター席へ通す。
目の前には大将がいて、その場で寿司を握ってくれるのだ。
「食べれないものは?」
「ないです。」
琴葉が言うと、雄大は大将へ「お任せで」と短く注文した。
その姿を見て、琴葉はほうっとため息を漏らす。
「早瀬さんは常連さんですか?」
「まあ、そうかな。仕事でよく使う店なんだ。」
「へぇ、すごいですね、行きつけのお店があるんですねー。」
感心していると、カウンターから大将の腕が伸びてきて目の前のお皿に寿司がのせられた。
「うわあ、美味しそう。」
見るからに新鮮そうでネタがキラキラとしている。
丁寧に握られた寿司はそれだけで絵になるようで、ずっと見ていられそうだった。
雄大が食べるのを見て、琴葉も口に運ぶ。
「美味しい!ほっぺが落ちそう。」
両手で頬を覆って幸せそうな笑顔を雄大に向ける。
それを見ているだけで、雄大は幸せな気持ちに包まれた。
普段パンの香りに包まれている琴葉にとって、それはとても懐かしい香りに感じた。
「早瀬様、お待ちしておりました。」
和服を着た上品な所作の女将が二人をカウンター席へ通す。
目の前には大将がいて、その場で寿司を握ってくれるのだ。
「食べれないものは?」
「ないです。」
琴葉が言うと、雄大は大将へ「お任せで」と短く注文した。
その姿を見て、琴葉はほうっとため息を漏らす。
「早瀬さんは常連さんですか?」
「まあ、そうかな。仕事でよく使う店なんだ。」
「へぇ、すごいですね、行きつけのお店があるんですねー。」
感心していると、カウンターから大将の腕が伸びてきて目の前のお皿に寿司がのせられた。
「うわあ、美味しそう。」
見るからに新鮮そうでネタがキラキラとしている。
丁寧に握られた寿司はそれだけで絵になるようで、ずっと見ていられそうだった。
雄大が食べるのを見て、琴葉も口に運ぶ。
「美味しい!ほっぺが落ちそう。」
両手で頬を覆って幸せそうな笑顔を雄大に向ける。
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