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一章◆ぜひ常連さんに◆
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ふいに琴葉が顔を上げた瞬間、雄大と目が合う。
「きゃあ!」
雄大がそこにいることに驚いたのか、琴葉は悲鳴を上げて反射的に一歩引いたが、その拍子に火にかけていた鍋に手が当たってしまった。
「あつっ!」
「ごめん、大丈夫か?」
雄大は慌ててかけより、琴葉の手を掴んですぐさま水道水に当てる。
「あの、すみません。大丈夫です。」
琴葉は手を引こうとしたが、それを雄大は許さず、さらに強く手を掴む。
「ダメだ、痕になっては大変だからきちんと冷やさないと。」
ほんの少し鍋に手が当たっただけで琴葉にとっては全然大したことではないのに、真剣な顔で言われて琴葉はされるがままだ。
冷たい水で手は冷やされているはずなのに、手首を掴まれていることや雄大との距離感が近すぎて、動揺して勝手に頬に熱を帯びてしまう。
チラリと彼を見上げるとそこには端正な顔があって、かっこいいなとか背が高いんだなとか、そんなことがふと頭を過って、更に動揺でドキドキと心臓が早くなった。
「きゃあ!」
雄大がそこにいることに驚いたのか、琴葉は悲鳴を上げて反射的に一歩引いたが、その拍子に火にかけていた鍋に手が当たってしまった。
「あつっ!」
「ごめん、大丈夫か?」
雄大は慌ててかけより、琴葉の手を掴んですぐさま水道水に当てる。
「あの、すみません。大丈夫です。」
琴葉は手を引こうとしたが、それを雄大は許さず、さらに強く手を掴む。
「ダメだ、痕になっては大変だからきちんと冷やさないと。」
ほんの少し鍋に手が当たっただけで琴葉にとっては全然大したことではないのに、真剣な顔で言われて琴葉はされるがままだ。
冷たい水で手は冷やされているはずなのに、手首を掴まれていることや雄大との距離感が近すぎて、動揺して勝手に頬に熱を帯びてしまう。
チラリと彼を見上げるとそこには端正な顔があって、かっこいいなとか背が高いんだなとか、そんなことがふと頭を過って、更に動揺でドキドキと心臓が早くなった。
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