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一章◆ぜひ常連さんに◆
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強引に手渡された紙袋の中身を確認すると、どこかのパン屋で買ってきたであろうパンが2つ入っていた。
その一つを取り出す。
そういえば昼食も食べたのかどうなのか記憶が曖昧だ。
コーヒーだけは飲んでいた気がする。
全然お腹は減っていなかったが、いざ食べ物を目の前にすると急にお腹が減っている感覚に陥って、せっかくなので一つ取り出し一口かじった。
「…うまい。」
思わず漏れ出た声に、自分でも驚く。
焼きたてとは程遠いのに芳醇な香りが鼻を抜け、噛むほどに優しい甘さが口いっぱいに広がった。
もう一口もう一口と食べている間に、気付けば全て食べてしまっていた。
あっという間だった。
「どこのメーカーだ?」
雄大はパンの入っていた紙袋を手に取りまじまじと眺めると、そこには【小さなパン屋さんminami】というロゴが控えめに入っていた。
初めて聞く名前だ。
インターネットで検索をしてみようかとキーボードに手を置いたところで、また扉がノックされた。
入ってきたのは副社長である雄大の秘書兼運転手をしている藤原だった。
「副社長、お帰りはどうされます?」
「ああ、すまない。もう帰るよ。藤原さんも先に帰ってくれてよかったのに。」
「私も仕事が山積みでしたので。」
そう言って、藤原は静かに笑った。
そうは言いつつも、雄大がなかなか帰らないので帰りづらかったのだろうと察して雄大は申し訳ない気分になる。
「車をまわしましょうか?」
「いや、いい。一人で帰る。遅くなってしまって申し訳なかった。」
謝ると、藤原はペコリとお辞儀をして扉に手をかけた。
「あ、そうだ、藤原さん。minamiってパン屋知ってる?」
「杏奈さんがお気に入りのパン屋さんですね。私は行ったことはありませんが、会社から歩いて行ける距離にあるそうですよ。」
「へえ。」
思いの外近くで雄大は間抜けな声を出した。
その一つを取り出す。
そういえば昼食も食べたのかどうなのか記憶が曖昧だ。
コーヒーだけは飲んでいた気がする。
全然お腹は減っていなかったが、いざ食べ物を目の前にすると急にお腹が減っている感覚に陥って、せっかくなので一つ取り出し一口かじった。
「…うまい。」
思わず漏れ出た声に、自分でも驚く。
焼きたてとは程遠いのに芳醇な香りが鼻を抜け、噛むほどに優しい甘さが口いっぱいに広がった。
もう一口もう一口と食べている間に、気付けば全て食べてしまっていた。
あっという間だった。
「どこのメーカーだ?」
雄大はパンの入っていた紙袋を手に取りまじまじと眺めると、そこには【小さなパン屋さんminami】というロゴが控えめに入っていた。
初めて聞く名前だ。
インターネットで検索をしてみようかとキーボードに手を置いたところで、また扉がノックされた。
入ってきたのは副社長である雄大の秘書兼運転手をしている藤原だった。
「副社長、お帰りはどうされます?」
「ああ、すまない。もう帰るよ。藤原さんも先に帰ってくれてよかったのに。」
「私も仕事が山積みでしたので。」
そう言って、藤原は静かに笑った。
そうは言いつつも、雄大がなかなか帰らないので帰りづらかったのだろうと察して雄大は申し訳ない気分になる。
「車をまわしましょうか?」
「いや、いい。一人で帰る。遅くなってしまって申し訳なかった。」
謝ると、藤原はペコリとお辞儀をして扉に手をかけた。
「あ、そうだ、藤原さん。minamiってパン屋知ってる?」
「杏奈さんがお気に入りのパン屋さんですね。私は行ったことはありませんが、会社から歩いて行ける距離にあるそうですよ。」
「へえ。」
思いの外近くで雄大は間抜けな声を出した。
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