28 / 62
蒸し返された過去
28
しおりを挟む
窓から差し込む日差しが眩しく、リカは顔をしかめながら布団に顔を埋めた。
深酒したためだろうか、妙に体が気だるい。
「今何時?」
「九時だけど?」
ひとり言のつもりだったのに返事が帰ってきてリカはパチッと目を開けた。
そういえば自分の布団と感触が違う。
ぐるりと部屋を見まわし、ハッとなって体を起こした。
「おはようリカちゃん」
「お、はようございます?」
「コーヒー飲む?」
なぜここに航太がいるのだろう。
なぜ自分はベッドで寝ているのだろう。
いろいろと頭が混乱している。
「もしかして寝ぼけてる? それとも昨日の記憶ない?」
「いや、あの、あります。寝ぼけてました。だんだん思い出してきた」
航太とヤケ酒をして自分の過去を打ち明け、そして航太に迫った。
うん、覚えている。
と頷いて「あああ」と頭を抱えた。
酔っていたとはいえ何という醜態だろうか。
酒に飲まれたことなど今までなかったのに。
そしてまたハッと気づいて自分の衣服の乱れを確認する。
と航太がぷはっと笑う。
「安心して。何もしてないよ」
「ほんとに?」
「嘘ついてどうすんだよ。それとも何かあった方がよかった?」
「いや、そういうわけじゃないけど」
でも航太に迫った記憶がある。
押し倒したような気もする。
それから記憶がないけれど。
「あああ」と再びリカは頭を抱えた。
ギシッとベッドが揺らいだ。
顔を上げればすぐ横に航太が座っている。
「リカちゃんが望めばいくらでもするよ。でもさ、俺はそこに至るまでの過程を大事にしたいんだよね」
「……過程?」
深酒したためだろうか、妙に体が気だるい。
「今何時?」
「九時だけど?」
ひとり言のつもりだったのに返事が帰ってきてリカはパチッと目を開けた。
そういえば自分の布団と感触が違う。
ぐるりと部屋を見まわし、ハッとなって体を起こした。
「おはようリカちゃん」
「お、はようございます?」
「コーヒー飲む?」
なぜここに航太がいるのだろう。
なぜ自分はベッドで寝ているのだろう。
いろいろと頭が混乱している。
「もしかして寝ぼけてる? それとも昨日の記憶ない?」
「いや、あの、あります。寝ぼけてました。だんだん思い出してきた」
航太とヤケ酒をして自分の過去を打ち明け、そして航太に迫った。
うん、覚えている。
と頷いて「あああ」と頭を抱えた。
酔っていたとはいえ何という醜態だろうか。
酒に飲まれたことなど今までなかったのに。
そしてまたハッと気づいて自分の衣服の乱れを確認する。
と航太がぷはっと笑う。
「安心して。何もしてないよ」
「ほんとに?」
「嘘ついてどうすんだよ。それとも何かあった方がよかった?」
「いや、そういうわけじゃないけど」
でも航太に迫った記憶がある。
押し倒したような気もする。
それから記憶がないけれど。
「あああ」と再びリカは頭を抱えた。
ギシッとベッドが揺らいだ。
顔を上げればすぐ横に航太が座っている。
「リカちゃんが望めばいくらでもするよ。でもさ、俺はそこに至るまでの過程を大事にしたいんだよね」
「……過程?」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる