そんな恋もありかなって。

あさの紅茶

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二章◆山あり谷あり

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杏奈の前職は早瀬設計事務所で建築士として働いていた。
若いうちから仕事も任せてもらえチームの面々とも信頼関係ができあがっていて、職場環境としてはとてもよかったと言える。
それに、元彼である雄大も同じプロジェクトになることが多く、同い年で同期ということもあり共に切磋琢磨していたのだ。
仕事も任せてもらえるし勉強もできるし、そして何より杏奈という自分自身を認めてもらえていたので仕事にやりがいを見出してとても楽しかった。

転職した今、その信頼関係はまた一から築き上げなくてはいけない。
同じ建築士の仕事といえども、やはり会社が違うと仕事内容も異なることが多い。
それはそれでやりがいがあるのだろうが、どうも馴染めないでいた。
会社としてリノベーションという新しい分野に手を広げようとしていてそこに杏奈が抜擢されているのだが、なかなか上手くチームを纏めあげられないのだ。
中途入社と縁故のせいなのか、社員の不満をひしひしと感じる。
そのせいもあってか、最近は仕事もあまり楽しくなくなっていた。

だからといって安易に辞めるなんてことはできない。
それくらいの責任感はまだ杏奈には残っている。

「はぁぁぁぁ~。」

仕事終わりには毎日大きなため息が出る。
ストレスがたまっているのだろうか、ずっとモヤモヤイライラとした気持ちが頭をちらついて、いい加減爆発しそうだった。
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