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どうしようもないくらい好き
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最寄り駅の改札を抜けると、静かな住宅地だ。
さっきまでの賑やかしい喧騒が嘘のようになくなる。
家まで徒歩5分の道のりを、並んで歩く。
ちゃんと歩道を歩いているのに、歩道の中でも私を車道側にさせまいと、坪内さんは自然と場所を移る。
そんな些細な優しささえも胸を打つんだよ。
毎日優しさに包まれて、愛されていることをひしひしと感じて。
もうどうしようもないくらい好きで好きで。
好きでたまらなくなってるんだ。
そっと、坪内さんの手に触れた。
坪内さんは何も言わず、そのまま手を握ってくれる。
初めて繋いだ手の温もりがあたたかすぎて、離したくなくて。
「坪内さん、好きです。」
気付いたら口からポロっとこぼれ出ていた。
ああ、奈穂子の言っていたことは本当だ。
溢れたら自然と出てくるもんなんだ。
坪内さんは足を止めると、私の顔を覗きこんで言う。
「もう一度、俺の目を見て言ってよ。」
艶っぽい王子様スマイルで私を見つめる。
恥ずかしいけど、伝えたい気持ちの方が勝って、私は言った。
「坪内さんが好きです。」
その瞬間、坪内さんは繋いでいた私の手をぐいっと引き寄せた。
体が揺れて何事かと思ったけど、それは坪内さんの大きな胸に顔を埋めるようにして抱きしめられていたからだった。
さっきまでの賑やかしい喧騒が嘘のようになくなる。
家まで徒歩5分の道のりを、並んで歩く。
ちゃんと歩道を歩いているのに、歩道の中でも私を車道側にさせまいと、坪内さんは自然と場所を移る。
そんな些細な優しささえも胸を打つんだよ。
毎日優しさに包まれて、愛されていることをひしひしと感じて。
もうどうしようもないくらい好きで好きで。
好きでたまらなくなってるんだ。
そっと、坪内さんの手に触れた。
坪内さんは何も言わず、そのまま手を握ってくれる。
初めて繋いだ手の温もりがあたたかすぎて、離したくなくて。
「坪内さん、好きです。」
気付いたら口からポロっとこぼれ出ていた。
ああ、奈穂子の言っていたことは本当だ。
溢れたら自然と出てくるもんなんだ。
坪内さんは足を止めると、私の顔を覗きこんで言う。
「もう一度、俺の目を見て言ってよ。」
艶っぽい王子様スマイルで私を見つめる。
恥ずかしいけど、伝えたい気持ちの方が勝って、私は言った。
「坪内さんが好きです。」
その瞬間、坪内さんは繋いでいた私の手をぐいっと引き寄せた。
体が揺れて何事かと思ったけど、それは坪内さんの大きな胸に顔を埋めるようにして抱きしめられていたからだった。
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