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好きって言ってなかったっけ?
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姫乃さんは子供を産んだとは思えないくらい綺麗で品がある。しゃべり方も温厚で優しいしとっても気が利く女性だ。女の鑑と言っても過言ではないくらい素敵なのだが、なぜこんな素敵な人が無愛想でツンツンしている兄のお嫁さんになったのだろう。
「今日お兄ちゃんは?」
「急に呼び出しがかかって仕事に行ってるよ。もうすぐ帰ってくるんじゃないかな?」
「休日に可愛い奥さんと子供を置いて仕事だなんて、薄情なやつだね、うちの兄は」
「樹くんは責任感が強いから。それにいつも家事も育児も率先してやってくれているのよ」
「え~本当にぃ~?言わされてないよね?」
「樹くんはなぎさちゃんと一緒でとっても優しいよ!」
自信満々の笑顔で言い切ってしまうところがすごい。兄と一緒に住んでいるときは兄の良さなんてこれっぽっちもわからなかったけど、兄は姫乃さんと出会って変わったんだろうなと思う。端から見てても仲良しで良い夫婦だから、たまに羨ましくなってしまうよ。
「なんか、いいよね」
「ん?なぎさちゃん、今はいい人いないの?」
「うーん、どうやら私のモテ期は終わったらしいわ」
「モテ期があるだけ羨ましいよ」
目をキラキラさせる姫乃さんに私は苦笑いだ。モテ期があったって上手くいかなきゃ意味がない。姫乃さんの初めての彼氏は兄だったらしく、それで上手くいってるのだからどう考えたって姫乃さんは勝ち組だ。
「今日お兄ちゃんは?」
「急に呼び出しがかかって仕事に行ってるよ。もうすぐ帰ってくるんじゃないかな?」
「休日に可愛い奥さんと子供を置いて仕事だなんて、薄情なやつだね、うちの兄は」
「樹くんは責任感が強いから。それにいつも家事も育児も率先してやってくれているのよ」
「え~本当にぃ~?言わされてないよね?」
「樹くんはなぎさちゃんと一緒でとっても優しいよ!」
自信満々の笑顔で言い切ってしまうところがすごい。兄と一緒に住んでいるときは兄の良さなんてこれっぽっちもわからなかったけど、兄は姫乃さんと出会って変わったんだろうなと思う。端から見てても仲良しで良い夫婦だから、たまに羨ましくなってしまうよ。
「なんか、いいよね」
「ん?なぎさちゃん、今はいい人いないの?」
「うーん、どうやら私のモテ期は終わったらしいわ」
「モテ期があるだけ羨ましいよ」
目をキラキラさせる姫乃さんに私は苦笑いだ。モテ期があったって上手くいかなきゃ意味がない。姫乃さんの初めての彼氏は兄だったらしく、それで上手くいってるのだからどう考えたって姫乃さんは勝ち組だ。
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