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この手を離したくないけど?

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キラキラとした夜景はロマンチックに瞳に写り、流れていく車のヘッドライトさえも宝石のように輝いて目を奪われる。

「まさかロンドンでなぎとこうして会えるなんて思ってもみなかったよ」

「私だってそうだよ。偶然って怖い」

「偶然じゃなくて運命なんだよ。俺となぎは赤い糸で繋がってる。そう確信した」

「そういうの信じちゃうタイプ?」

「そうでもなかったけど、今は信じてる。こうしてなぎさと出会えたから」

「っ!」

テーブルに置いていた手に潤くんの手が重ねられる。節ばった指は長く、男らしく大きな手のひらでふんわりと包み込まれた。優しい手つきなのに、まるで離さないとばかりに指が絡められる。

スキンシップはそれなりに慣れているつもり。だけどこの体の奥から高揚してくる感覚は何なの──。

それに急に“なぎさ”と呼ぶものだから、思わずドキッとしてしまった。相乗効果が半端ない。

店内に流れるBGMがやけに耳を騒がしくする。思考を放棄しそうになるくらい、何も考えられなくなった。

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