26 / 117
逃げるなよ
026
しおりを挟む
遅めの時間に松風の近くの居酒屋に入り、カウンターでひとりチビチビとやりながら潤くんを待つ。仕事終わりに飲みに付き合わせるのは申し訳なかったかなと思いつつも、まだかなまだかなと時間を気にしている私がいた。
お詫びに今日はおごってあげよう。
一応社会人だしね、それくらいしか威厳見せられないし。
「なぎ、お待たせ」
「お疲れ様ぁ。何飲む?」
「とりあえずウーロン茶かな」
「お酒は飲まない?」
「まあ二十歳だから飲めなくもないけど、酔って記憶なくしたりしたら嫌だから今日はやめとく」
「真面目ですなぁ」
すでにほろ酔いの私は気持ちがいい。
運ばれてきたおかわりのビール片手に乾杯をして、お互い今日を労った。
「いやー、潤くんのおかげで京都旅行楽しかったわ~」
「俺も楽しかった。なぎのおかげで進むべき道が見えたっていうか」
「何か決意でもした?あ、清水の舞台から飛び降りるって言ってたもんねぇ?」
「んー、まあ、それもあるけど。目下のところ留学しようかな」
「留学?!すごっ」
「いや、うちの大学、三年になると半年間の交換留学が可能なんだよね。ちょっと挑戦してみるかと思ってさ」
「潤くんがそんな勉強家だとは知らなかったわ。できる男!」
「だろ?もっと褒めていいよ」
ドヤ顔の潤くんが可笑しくて私はお腹を抱えて笑う。でもそんな充実した学生生活を送っている潤くんを少し羨ましくも感じた。
お詫びに今日はおごってあげよう。
一応社会人だしね、それくらいしか威厳見せられないし。
「なぎ、お待たせ」
「お疲れ様ぁ。何飲む?」
「とりあえずウーロン茶かな」
「お酒は飲まない?」
「まあ二十歳だから飲めなくもないけど、酔って記憶なくしたりしたら嫌だから今日はやめとく」
「真面目ですなぁ」
すでにほろ酔いの私は気持ちがいい。
運ばれてきたおかわりのビール片手に乾杯をして、お互い今日を労った。
「いやー、潤くんのおかげで京都旅行楽しかったわ~」
「俺も楽しかった。なぎのおかげで進むべき道が見えたっていうか」
「何か決意でもした?あ、清水の舞台から飛び降りるって言ってたもんねぇ?」
「んー、まあ、それもあるけど。目下のところ留学しようかな」
「留学?!すごっ」
「いや、うちの大学、三年になると半年間の交換留学が可能なんだよね。ちょっと挑戦してみるかと思ってさ」
「潤くんがそんな勉強家だとは知らなかったわ。できる男!」
「だろ?もっと褒めていいよ」
ドヤ顔の潤くんが可笑しくて私はお腹を抱えて笑う。でもそんな充実した学生生活を送っている潤くんを少し羨ましくも感じた。
0
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています
真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。
記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?
キミノ
恋愛
職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、
帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。
二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。
彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。
無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。
このまま、私は彼と生きていくんだ。
そう思っていた。
彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。
「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」
報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?
代わりでもいい。
それでも一緒にいられるなら。
そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。
Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。
―――――――――――――――
ページを捲ってみてください。
貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
年下の彼氏には同い年の女性の方がお似合いなので、別れ話をしようと思います!
ほったげな
恋愛
私には年下の彼氏がいる。その彼氏が同い年くらいの女性と街を歩いていた。同じくらいの年の女性の方が彼には似合う。だから、私は彼に別れ話をしようと思う。
ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました
瀬崎由美
恋愛
穂香は、付き合って一年半の彼氏である栄悟と同棲中。でも、一緒に住んでいたマンションへと帰宅すると、家の中はほぼもぬけの殻。家具や家電と共に姿を消した栄悟とは連絡が取れない。彼が持っているはずの合鍵の行方も分からないから怖いと、ビジネスホテルやネットカフェを転々とする日々。そんな穂香の事情を知ったオーナーが自宅マンションの空いている部屋に居候することを提案してくる。一緒に住むうち、怖くて仕事に厳しい完璧イケメンで近寄りがたいと思っていたオーナーがド天然なのことを知った穂香。居候しながら彼のフォローをしていくうちに、その意外性に惹かれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる