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逃げるなよ

006

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年甲斐もなく一通り泣きわめいた私はスマホで時間を確認する。ついでにいつもログインしているSNSに駅前で撮った写真と鴨川の写真をアップした。

【京都一人旅を満喫中☆】

なんてコメント付きで。

本当は満喫なんてしていない。
無理やりテンション高めようとしているだけ。
いつまでも落ち込んでいるなんて私らしくないし、早く浮上したいもの。

さて、これからどこに行こうか。
いろんなところで映える写真を撮って、これでもかってくらいSNSに載せてやるんだから。
それで本当に京都を満喫してやるもん。

スマホをカバンに入れようとするとピロンとメッセージお知らせ音が鳴った。

【京都案内しようか?今どこ?】

そんなメッセージに目を見開く。
差出人は年下の幼なじみで、今は京都の大学に通っている富田潤くんからだった。

そうだ、京都には潤くんがいたんだ。
ラッキー!
いまいちバス路線もよくわからなかったし、久しぶりに潤くんにも会いたいし、お言葉に甘えて京都案内してもらおう。

私はすぐにメッセージを返す。

【ほんと?嬉しい!三条大橋にいる】

返事はすぐに返ってきた。

【わかった。すぐ行く】
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